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抽出しなければ分からない

 挿絵(By みてみん)

https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)


 挿絵(By みてみん)

 (作画 ひだまりのねこ様挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

 

 挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)





寿司職人の蒼山大爆走助の長女、蒼山ラブレターは床に両膝をつけて目を見開いていた。天を仰ぎ見ると涙を零しながら声を抑えて泣いた。尊敬していた父の不潔さにめちゃめちゃ絶望したのであった。まさか『ねっちゃねっちゃしてツバ臭い』ってさ。ありえないってさ。寿司職人、プロフェッショナルとして有るまじき行為だ。ありえん。ありえないったらありえない。


『娘として父を守りたい気持ちはあるが、お客様に対して失礼千万だ。タンやツバを付けた寿司を誰が食べたいのさ? ありえない。ありえないのだ。余程、マニアックな性癖を持つイカレポンチならタンやツバを付けた寿司を好んで喜びを爆発させながらスキップして食べるかも分からんがね、現実的に言ってありえないのだ。ありえない。絶対にありえないのだ!』と蒼山ラブレターは苦悩しながら思った。


幼い頃から父を尊敬していた蒼山ラブレター。バッテラを握ったり、サーモンやイクラ、ホタテのお寿司もカッコよく握っていた父。茶碗蒸しもカッコよく作るし、カレーライスも鰻重もジンギスカンも多彩に作り上げるオールマイティーな寿司職人、蒼山大爆走助。蒼山ラブレターは父を信じていたいけど、今は分からない状態になっていた。


一方のキャプテン・ミルクはある考えが頭の中に浮かんでいた。キャプテン・ミルクの頭の片隅に何かがカサッと鼻くそみたいに引っ掛かっていたのであった。


『ひょっとしたら、うーん。ひょっとして……まさかだよな』


キャプテン・ミルクは蒼山大爆走助さんとのテレパシーをもう一度聞くことにした。今度は、かーっ、クチャクチャ、ぺっぺっぺっの口から出ているような音を選別して音をクリアーに抽出した状態で聞いてみることにした。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


キャプテン・ミルクは目を閉じて、もう一度、口から出ているような音を聞いた。キャプテン・ミルクは集中していた。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


キャプテン・ミルクは全て五感を研ぎ澄まして、もう一度、聞き直した。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


(うーん、何か変だ。気になる。何かがおかしい)キャプテン・ミルクは繰り返し聞いてみることにした。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


キャプテン・ミルクは何かを掴みかけてきたが、まだ明確ではなかった。


キャプテン・ミルクは念の為に、もう1回だけ聞いてみることにした。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


(やはりだ。何かおかしい。まさか?!)


キャプテン・ミルクはもっと音を鮮明にするために抽出のレベルを上げてから聞き直すことにした。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


(やはり!! もしや、アレか!! アレなのか?! アレだとアレだからアレかもしれないけれどアレだと思うんだよね〜っ!!)


キャプテン・ミルクはそろそろ蒼山ラブレターにテレパシーをしようと思った。


その前に改めて蒼山大爆走助さんの音を聞き直す必要があった。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


(やはりな、そうだったのか!! なかなか手強い謎だったな。だが俺はキャプテン・ミルクだい!!)


キャプテン・ミルクは確信するために何度も何度も聞くことにした。


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』


(やはり、これだったのか!!)とキャプテン・ミルクは思ったのであった。





☆続いちゃう☆





 挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)



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