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サイキック幸運乙女

 椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは涙ぐんでいた。

 

 目を赤く腫らして愛星・サマー・えりかちゃんのファンクラブ『えりかの夢』の貴重な会員証を必死になって探していた。

 

 愛星・サマー・えりかちゃんのファンクラブ会員数は970万人以上もいるが、えりかちゃんが過労のために病院に入院している間に届いた手紙やハガキの数が2700万通以上も届いた事を考えると、隠れファンも含めて倍以上のファンが存在すると改めて分かった。

 

 実際、愛星・サマー・えりかちゃんの所属する事務所『ラブ・ファンタジー・Office』のスタッフが『毎日ファンクラブの入会届が2万通以上も届いておりまして、てんてこ舞いの状態です。入会希望の方は、今しばらくお待ち下さいませ』とレディオや雑誌や本やCMなどで頻繁にメッセージを発していた。凄まじい人気とは、まさにこのことである。

 

 いかに椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキが幸運の持ち主なのかが分かる事例を教えよう。

 

 椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキ、略して椎名ユズキは、中学2年生の14歳の可愛いサイキックな乙女。生まれつき持っているサイキックを別にすれば、強力な幸運体質の無邪気なガールでもあるのだ。

 

 やたらとくじ運が強い、やたらとヘンドリモンドリを拾う、やたらと道が空いている、やたらと飲料水の自動販売機の当たりが出る(最高80本も当たった事がある)、一夜漬けで適当に教科書で勉強をしたら、全部、全く同じ問題がテストに出てきて100点連発しまくり、などなど。

 

 ある日、椎名ユズキは、偶然、雑誌で見た愛星・サマー・えりかちゃんの可愛い笑顔に胸を撃ち抜かれてしまって、その場にヘタり込んでしまった。

 

 椎名ユズキは愛星・サマー・えりかちゃんの写真を見ながら『なんなのよ? この可愛い女の子は。なんなのよ? ねぇ、なんなのよ? 誰なのよ? なんなの? なんなのかしら? なになに、愛星・サマー・えりかちゃんだと!? デビューしたばかりだと!? 可愛いじゃん。どことなく、私に似ているじゃん。照れるじゃん。超可愛いんだけどーぉ。可愛い。愛星・サマー・えりかちゃんと友達になりたいなぁ~。そうだ! ファンクラブに入会しよう。えっ!? 最近ファンクラブが出来たばっかりだってかい!? ヤバい、直ぐに入会届を手に入れないとな。入会するには、まず、お母さんの許可がないといけないから説得しないとな』と椎名ユズキは思った。

 

 再びある日のこと。椎名ユズキは公園で日向ぼっこをしていたら、偶然落ちていた雑誌を拾ってページを捲ってみたら、あらまぁビックリ仰天、『愛星・サマー・えりかファンクラブの入会届』がそのまま綺麗に封書して入っていたのだった。ユズキは腰が抜けて地面にヘタり込んでしまった。

 

 ユズキは帰宅すると母親には内緒で入会届に勝手に書いて送ってしまい、ちゃんと5日後には会員証が届いた。ユズキは会員証を確認すると、やっぱりビックリしちゃってね、会員番号が輝かしい栄えある☆No.1☆となっていたのだった。

 

 ユズキは勝手な行動をしたことについて母親に謝ろうと思い、覚悟を持って母親に会員証を持っていったら『あらユズキ、愛星・サマー・えりかちゃんのファンクラブに入会したの? 実はね、お母さんも密やかに入会しちゃってたのよん。ムフフフフ。あら!? いやだ、ちょっとちょっとユズキ、会員番号No.1じゃないのさ!! なんなのよん? チョー凄くない? すごーい! チョーすごーい! お母さんはね、会員番号No.3128553なのよん。ムフフフフ。でかした、我が娘!! でかしたぞ!! ムフフフフ』と幸運で幸せな結末を迎えたのだった。

 

     ☆

     ☆

     ☆

 

 「ないじゃんかよう」椎名ユズキは涙を拭きながら会員証を探していた。

 

 時おり、まだ宙に浮かんでいる8メートルの宇宙人の姿をチラッと見てみたが、別に気にすることなく構わずに会員証を探し続けていた。

 

 「お嬢ちゃん、探し物はこれじゃろ」と青空ウイングス子は椎名ユズキの手元に会員証を差し出した。

 

 「あ~っ!! あったー!! ありがとうございます!!」椎名ユズキは会員証を宙に浮かぶ8メートルの宇宙人の方角に向けて掲げた。青空ウイングス子は釣られて空を見てみたらプッと吹き出してしまった。

 

 

 

 オープニングテーマソング

 

『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』

 

 作詞 蒼井真ノ介

 作曲 蒼井真ノ介

 編曲 蒼井真ノ介

 歌  えりかちゃん




宇宙に行こうよ 

宇宙の果てにはさ

光の壁があるって話よ

ツルッと光よりも輝く

あんちくしょうに夢中よ

あたい月よりアイツ好きさ 

あたい星よりアイツ好きさ

 

あたいナウい船長と

ナウい宇宙船の持ち主の

あんちくしょうがさ 

とぅきでぇ~す(好きで~す)

 

痒い背中に孫の手が欲しい

痛いお尻に座薬と塗り薬よ

朝から晩まで歌っている鳥

お願いシャラップだい!

 

好きなあいつに付きまとい

好きなあいつに睨まれて

好きなあいつにドキドキ

ラブレターをあげちゃった

偶然のフリして

無理矢理鉢合わせたのさ

 

恥ずかしいけどもさぁ

あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!

 

ファンタジードラゴン号『ワオッ』

ファンタジードラゴン号『ワオッ』

 

我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆

 

 

 

 「ようこそ、ファンタジードラゴン号へ」キャプテン・ミルクは椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキ、略して椎名ユズキを優しく温かく迎え入れた。

 

 「キャプテン・ミルクさん、どうもありがとうございました。助かりました」椎名ユズキはペコリンチョンと可愛いらしく頭を下げた。

 

 「ユズキくん、御礼を言うなら青空ウイングス子さんに言うのが正解だ。彼女が会員証を発見したのだからね」とキャプテン・ミルクは言って青空ウイングス子に拍手をした。

 

 「キャプテン・ミルク、照れますよ~。がはははは」と青空ウイングス子はしわくちゃな笑顔を見せた。

 

 「ユズキくん、もし良かったら、自宅まで送ろう。おい、コリー」とキャプテン・ミルクは言って月山コリーに地図を持ってこさせた。

 

 「あ、あのう、わ、私、行きたい場所があるんです」椎名ユズキは可愛くモジモジしながら言った。モモヒキ聡が鼻の下を伸ばして椎名ユズキを見ていた。

 

 「何処かな?」キャプテン・ミルクは月山コリーと一緒に見ていた地図から顔を上げた。

 

 「レコーディング・スタジオなんです。スタジオの名前は知りませんが、ラルルラボン惑星に愛星・サマー・えりかちゃんが来ていてレコーディングをしているそうなんです」と言った椎名ユズキの声には情熱があった。若き心の汚れなき素直な思いと気持ちから出る言葉だった。

 

 「レコーディングという大事な仕事となれば邪魔や迷惑は掛けられないと思うよ」とキャプテン・ミルクは優しく諭した。

 

 「分かっています」と椎名ユズキは言って少し落ち込んでしまった。

 

 「ユズキくんは何処から来たのかな?」とキャプテン・ミルクは言って椎名ユズキに地図を渡した。

 

 「チョコクッキー惑星です」と椎名ユズキは言って地図を指差した。

 

 「ラルルラボン惑星から1000万キロの近距離か。よし、送ろう」とキャプテン・ミルクは言ってキャプテンの席に座った。

 

 「待ってください。私、今、『花休み』でラルルラボン惑星に来ているです」(説明しよう。『花休み』とは花が咲き誇る季節の時期の休みの事で3月末から6月初めまでの長期の休みのことをいうのだ)

 

 「そうか『花休み』だったのか。じゃあ学校はないよな。あははははは」とキャプテン・ミルクは言って『諦めずに乳まみれ』を飲んだ。まだ『諦めずに乳まみれ』は1本だけ残っていたのだ。

 

 「そうだ、ユズキくん、新鮮な『常に乳まみれたい』があるけども飲むかい?」とキャプテン・ミルクは言って『常に乳まみれたい』の瓶の栓抜きをしてから渡した。

 

 「はい、私『常に乳まみれたい』が大好きなんですよ~。新製品の牛乳なんですよね~」と椎名ユズキは言って『常に乳まみれたい』を飲んだ。

 

 「ならば、しばらくファンタジードラゴン号にいなさい。外は危険だからね。愛星・サマー・えりかちゃんのレコーディング・スタジオの件は改めて考えよう」とキャプテン・ミルクは言って残りの『諦めずに乳まみれ』を飲んでから新製品の『常に乳まみれたい』をコップに注いだ。

 

 

 

 ☆続いちゃう

 

 

 エンディングテーマソング

 

『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』

 

作詞 蒼井真ノ介

作曲 蒼井真ノ介

編曲 蒼井真ノ介

歌  えりかちゃん



気持ちを抑えて

貴方を見つめると

涙が溢れてたまらんわ

好きな気持ちを隠して

辛くてもう嫌になるわ

 

お月さん

お月さん

応答願います

お星さま

お星さま

寂しくて参っちゃってさ

ねぇねぇ

私の話を聞いてくれる?

お願いします 

 

やけ食いしたら負けよ

夜食を我慢して

ダイエットしようかな?

ダイエットしてさぁ

絶対に綺麗になるからね

綺麗になってウホホホホ

 

負けてたまるかやったるで

甘いお菓子なんかにさ

こっちからバイバイキーン

本当にバイバイキーン

バイバイキーンのバイバイキーン 

 

好きな人を想いたいの

毎日抱きしめていたいの

貴方の笑顔を守りたいの

私は貴方が好きなのよ

ねぇ本気になってよ

こんにくしょう

私に振り向け振り向け

こんにくしょう

 

夜更かしばかりして

本当に困っちゃう~

 

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

 

それがあたいよ

あたいの姿なのよ

 

好きでぇ~す

エヘヘヘヘ

好きでぇ~す

ウフフフフ

好きでぇ~す

"LOVe"

 

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~

応援してくれてどうもありがとうございます。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。いつも読みに来てくれてどうもありがとう。

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[良い点] 椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキさん、会員証見つかってよかったですね!  [一言] 花休み、めっちゃ長くて羨ましすぎます!!!
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