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我慢のキャプテン・ミルク

 挿絵(By みてみん)

https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)


 挿絵(By みてみん)

 (作画 ひだまりのねこ様


 挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

 

 挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)







キャプテン・ミルクはカラマリヤスイ・チンゲイル川上と共にジャム将軍がいるムササビ・ジュニア号がある洞窟へほふく前進しながら向かった。洞窟までの距離は、およそ600〜800メートルの間だ。


カラマリヤスイ・チンゲイル川上はキャプテン・ミルクのオーラに怖じ気づいていた。もの凄いカリスマ性と迫力があるのだ。なんとなく天然っぽい所も見受けられたが、計り知れない宇宙のエナジーとパワーが体全体から発光するかのような光輝いていた。


「あっ!! そうだっぺってか!!」と突然キャプテン・ミルクは言うと空を見上げた。空には特殊部隊とも呼べる強力なスパイ組織、宇宙・モッツアレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局の宇宙船が待機している。


キャプテン・ミルクはテレパシーをした。


『はい、どちらさん?』


『よう、キャプテン・ミルクだ。宇宙・モッツアレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局にある強靭特捜部の第3チーム、味覚調査部隊隊長のサマンサ・ゲルマニウム・ゲリズかい?』


『うん、そうだよ』


『確か、宇宙・モッツアレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局のシェフ、蒼山ラブレターさんはいるかな?』


『うん、いるよ。ちょっと待ってね、おーい、蒼山ラブレターさん』


『はーい、代わりました。蒼山ラブレターです』


『お久しぶりです。キャプテン・ミルクです。2年前の忘年会以来ですね』


『そうですね。あは、懐かしい。月日は早いですね』


『本当ですよね。早速ですが大宇宙料理ランキング1位の蒼山ラブレターさんにお願いがありましてね』


『なんでしょうか?』


『バッテラはありますか?』


『すみません、バッテラはないですね~。家で飼っているサーベルタイガーのペロちゃんのエサ用のバッテラならありますが』


『あたたたたた。残念』


『キャプテン・ミルク、何でまたバッテラなんかを?』


『蒼山ラブレターさん、バッテラに可能性がありましてね。あっ、サーベルタイガーのペロちゃんのバッテラでも構いませんよ』


『すみません、キャプテン・ミルク。細かく刻んだ加工バッテラなんですよ。職人技のバッテラではないんです』


『蒼山ラブレターさん、バッテラを扱う仲間や料理人はいますかね?』


『私の父は寿司職人なんです。聞いてみますか?』


『あー、ぜひぜひ! 宜しくお願い致します』


『では、一旦、テレパシーをドロンしまーす』


いきなり黙り込んで喜怒哀楽を浮かべるキャプテン・ミルクを見て怯えきったカラマリヤスイ・チンゲイル川上は震えていた。ヤバイ部分もキャプテン・ミルクにはあるっぽいのかなと悟った瞬間だった。


キャプテン・ミルクは一点を見つめていて、ほふく前進の姿勢のままでいた。蒼山ラブレターさんのテレパシーを待っていたのであった。


『もしもし? キャプテン・ミルク?』


『はい』


『俺な蒼山大爆走助だ。寿司職人だ。今ね、娘の蒼山ラブレターから聞いてよ、バッテラだって?』


『はい、バッテラです』


『あるよ、バッテラ』


『是非、10貫ほど欲しいんですよ』


『じゃあね、今からね、バッテラするから。サバ寿司もあるよ?』


『ではサバ寿司も10貫ください』


『じゃあね、今からさ、バッテラとサバ寿司を作るよ。よーし、ぺっぺっ』


『す、す、すいません、ちょっと待ってね。蒼山大爆走助さん?』


『うん? なんだい?』


『今のぺっぺって音はなんですかね?』


『なんだろう? そんな音したかい?』


『しましたよ』


『キャプテン・ミルクさんの気のせいじゃないの?』


『そうですかね……』


『よーし、カーッ、ぺっぺっぺっ』


『ほらほら! 今のです! カーッという音も増えてましたよ?』


『気のせいだって』


『そうかなぁ?』


『よーし作るぞ。カーッ、クチャクチャ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ』


キャプテン・ミルクは黙っていた。何の音かは完全に分かってはいたけど黙るしかなかった。【人の力を借りているんだ、口を挟んでヤル気を削ぐのはよそう】と考えていたのだった。お願いしての労働なのだから。


『クチャクチャ、カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。よっしゃあ! もう一丁! カーッ、ぺっ、カーッ、ぺっ』おそらく、ここまで激しく口の音がするのはだ、寿司職人の蒼山大爆走助さんが乾いた手のひらの滑りを良くするためにタンとツバを塗りまくって寿司を握っているのかもしれないなぁとキャプテン・ミルクは思いながらテレパシー越しの寿司職人の仕事ぶりを我慢して拝聴していた。実際は分からないがねと思いつつも。


『よっしゃ、カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! この野郎!! バッテラめ、なかなかのバッテラだぞ! たははははは! このバッテラめ! バッテラよ、ありがとうな! 本当にバッテラに感謝してる。カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』と口から謎の音を出して頑張って蒼山大爆走助は体を前後にYOSAKOI並みに揺らしながらバッテラとサバ寿司を握っていた。


【本当の所は誰にも分かりませんよね。手にタンやツバを塗りたくって寿司を握ぎる寿司職人かもしれないと疑ったり思ったりしないであげた方が救われるしさ。分からないのですからね。単なるテレパシーのノイズかもしれないですし】とキャプテン・ミルクはポジティブに考えながら寿司職人の蒼山大爆走助さんの口から出る音を聞いていた。






  ☆続いちゃう☆





 挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

バッテラは美味いぞ!

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