これぞスーパーヒーローのキャプテン・ミルクだい!
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
おんぶされているカラマリヤスイ・チンゲイル川上は何気に顔をあげた。100メートル先にピンク色のファンタジー・ドラゴン号が素晴らしく光輝いていた。ファンタジー・ドラゴン号の持ち主は、あの宇宙の王者、伝説の勇者であるスーパーヒーローのキャプテン・ミルクだ。つまりだ、立場上、これはかなりヤバイという事に気付いたわけなのでありますわな。
「す、す、あのう、す、すみません。ここで下ろしてくれませんか?」とカラマリヤスイ・チンゲイル川上は上ずった声で言った。
「疲れましたか? ウンコですか? ウンコなら宇宙船の中でしてください。もっと速く歩きますね」とパステル純は優しく言ってかなりのスピードで走った。返事に困るとはこのことで。逆効果なセリフを言ったと後悔したカラマリヤスイ・チンゲイル川上であった。
あっという間に、めちゃめちゃカッコいいピンク色のファンタジー・ドラゴン号が目の前に現れましたよ。
カラマリヤスイ・チンゲイル川上は少し諦めた。『ファンタジー・ドラゴン号、めちゃめちゃナウいじゃん! ヤバイ、カッコいい! キャプテン・ミルクの前では素朴なフリをしよう。鼻水を飲み干す少年みたいにピュアな生き様を演じて対峙するしかあるまいな』と考えながら、渋々、ファンタジー・ドラゴン号の中へとおんぶされていった。
「ようこそだい! そこの君。大丈夫かい?」と言って出迎えてくれたのはキャプテン・ミルクだった。
カラマリヤスイ・チンゲイル川上は激しい動揺と興奮をしていた。あの伝説的な宇宙最強のスーパーヒーローであるキャプテン・ミルクが目の前にいるのだからだ。オーラが炸裂しまくっている男、キャプテン・ミルクはめちゃめちゃハンサムな男で、圧倒的な威圧感と威厳があった。
「早速だけど聞きたいことがある。名前は?」とキャプテン・ミルクは言った。
「さとしです。村雨さとしです」カラマリヤスイ・チンゲイル川上は嘘をこいて偽名を言った。
「さとしくん、お疲れ様の所を聞くがね、ズバリ、バッテラとは何のことなんだい?」
「さ、さ、さあ。知らないです。何のことやら」
「さとしくん、あのさ、バッテラとは何のことなの?」
「わ、わ、わ、分からないです」
「さとしくん、もう一つ聞いても良いかい?」
「えっ? あ、は、はい」
「バッテラとは何のことかな?」
「し、し、し、知らないです」
「さとしくん、もう少し質問をするよ」
「は、はい、どうぞ」
「バッテラって、バッテラだよね?」
「さあ、分からないです」
「さっき倒れていた場所でさ、バッテラって言っていたよね?」
「分からないです」
「さとしくんは確かにバッテラって言ってたよ」
「言ってないです」
「いや、言ってた。バッテラって言ってたよ」
「いや、分からないです」
「バッテラって苦手な宇宙人もいると聞く」
「はあ」
「さとしくんは、さっきバッテラって言っていたよ」
「分からないです……」
「言ってた言ってた。バッテラって言ってた」
「いやいや……」
「さとしくん、バッテラは美味いよな」
「美味いです」
「さとしくんはバッテラが好きなの?」
「好きです。バッテラが大好物なんです」
「さとしくんに改めて聞くけどさ、さっきバッテラって、さとしくんは言ってたんだよ。さとしくん、バッテラって何かの秘密のコード?」
「いやいや」
「さとしくん、ひょっとして、バッテラが嫌いな人や宇宙人に何か関わりがあるのかな?」
「いや〜……」
「さとしくんはバッテラが好きだけど、さとしくんの知人か勤め先の上司か誰かがバッテラが嫌いなのかな?」
「えっ?! い、い、い、い、いやいや分からない、分からないです」
「さとしくんは偽名かな?」
「いやいや……」カラマリヤスイ・チンゲイル川上は項垂れていた。キャプテン・ミルクはヤバイ奴だと強く思った瞬間だった。追及の仕方が半端じゃないのが恐ろしかった。圧力がキチガイ気味ていると感じていた。人の話を全く聞かずにバッテラ・オンリーで攻めてくるのだから怖いったらありゃしない。
「さとしくんは偽名だな。ズバリ、バッテラが嫌いな上司がいるんだろう?」
「う、うーん」
「さとしくんよ、バッテラが嫌いな上司はジャム将軍なんだな?」
「い、いや……ちょっとすみません。帰りたいです」カラマリヤスイ・チンゲイル川上は追い込まれてしまった。
「ジャム将軍はバッテラが苦手で嫌いなんだな。そうなんだろう? さとしくんよ? さとしくんはバッテラって言ってたよ。さとしくんは何度かバッテラって、バッテラって、バッテラって言ってたよ。バッテラって言ってたんだよ。バッテラって言ってた意味を教えてほしいんだよ。さっき、倒れていた場所でね、さとしくんはバッテラって言っていたよ」
「グスン、グスン」
「さとしくん、何で泣いているの?」
「怖いから」
「怖い?」
「うん」
「さとしくんの本名は?」
「カラマリヤスイ・チンゲイル川上です」カラマリヤスイ・チンゲイル川上は為す術がないと悟り髪を掻きむしるとアッサリと奈落の底に落ちました。
チャンチャン♪
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




