パステル純の思い出
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
パステル純は怪我人を救出すべく健気にほふく前進中でぇす。それなりに肉体派のパステル純にとってほふく前進なんて全然余裕だし、お茶の子さいさいなレベルの運動量なのであった。
かつてパステル純には近所に住んでいた幼馴染の初恋の女性がいた。パンチラ凛という女の子がいて、パンチラ凛ちゃんの影響で筋トレを始めたと言っても過言ではないのであった。
パンチラ凛ちゃんはグラマラス・アマゾネス大学院で枯葉拳という伝説の武術を研究していた。枯葉拳はジャパン・ゴールデンウィークで生まれた武術である。その創始者の研究をしていて、常日頃、武術の神髄を探しているのであった。
なんせ枯葉拳は21世紀頃に存在していた古い武術ゆえに研究材料が少ないのが難点であったのだ。唯一、グラマラス・アマゾネス大学院に書籍と論文が保管、保存されているとの情報を得てパンチラ凛ちゃんは必死こいて受験勉強をして見事にグラマラス・アマゾネス大学院に合格したのであった。
「筋肉のない男なんて男じゃないわ」と昔から言っていたパンチラ凛ちゃん。それを幼子頃から聞いていたパステル純。『よし、大人になったら筋トレしてやるぜい!』とパステル純は誓ったのであった。
大人になると、毎日、プロティン、鳥のささみ、鶏肉料理を織り交ぜて筋トレをしていた。
ある日の夕暮れ。ジムで筋トレをしていたパステル純は隣で筋トレをしていた男に話し掛けられた。
「もっと筋肉を付けたいなら、これを食べな」と男は言ってビニール袋を取り出した。
「なんっスか? それ?」
「開けてみろよ」
パステル純はステロイド剤かもと思い不安げにビニール袋の中を覗いた。
中には、はっさくと里芋が入っていた。
「はっさくは頭が爽快になるし、里芋は気持ちがビンビンになるんだぜ。へへへ」
「気持ちがビンビン?」
「そうさ、男なら分かるだろう? 気持ちがビンビンだと何事も笑顔が増えるってね。『ビンビンのビンビンによるビンビンのためのビンビン』って言葉を知っているかい?」
「ああ、知っている」
「良い言葉だよなぁ。この言葉のようにワシは生きていきたい」と男は言ってはっさくと里芋を食べながら筋トレをした。
確かに男はマッスルだった。ムキムキの筋肉だった。信じられないほどの逆三角形のスタイルであった。上半身はヤマタノオロチ並にマッスルだが下半身はマッチ棒みたいに細いのだ。
「お兄さんも頑張ってはっさくと里芋を食べなさいよ」と男は言って筋トレに励んでいた。
「おじさん、足が細いっすね」
「トムソンガゼルみたいな、イリオモテヤマネコみたいな、カブトガニみたいな足をしているだろう? 華奢な足を目指しているからさ、足だけは筋トレをしない主義なんだよ」
「こんなに細いと足の怪我とかがありそうな足ですね?」
「お兄さんよ、確かにね、昔は頻繁にアキレス腱は破裂したし、ふくらはぎは破裂したし、太ももも破裂した事があるよ。破裂して治癒して破裂して治癒しての繰り返しさ。実は今もね脛が少し破裂しているんだよ。破裂と治癒をして宇宙人って1人前になっていくんだよ」
「うーん、違うと思うけどね」
「お兄さんよ、宇宙人それぞれさ。皆、自分の価値観で生きるのさ」と男は言ってバイセップス・カールをしようとした。
バチン個!!!!
と、もの凄い音がジム中に響き渡った。
「ぐぎゃあややややややややややややややー!!」と男は絶叫して床をのたうち回った。
「腕がやられた! 右腕が、右腕がやられた! 誰か、誰でもいい! 誰か右腕の仇を取ってくれたら幸いですぅ! ぎゃあー! 痛たたたた!」と男は泣きながら言った。
男の右腕はダラーンと垂れ下がっていた。右腕の筋肉が破裂したようだった。ジムにいる医療関係者が男のもとに来てドクターストップを告げると男は泣きながらジムを飛び出す前にパステル純に向かって「お兄さん、改めまして、はじめまして。ワシは鳩胸浩二です。79歳です。またいつかお会いしましょう。お兄さん、ちゃんとね、はっさくと里芋を食べなさいよ」と言って一礼すると目頭を押さえて鳩胸浩二はジムから飛び出した。
それからというもの、パンチラ純ははっさくと里芋を食べるたびにバチン個!! と響き渡った音と鳩胸浩二の泣き顔が蘇ってくるのであった。
「あのおっさん、鳩胸浩二さんだっけ、怪我しながらも、まだ筋トレしてるかなぁ。やはり筋トレのオーバーワークはいけないよな。はっさくと里芋より、プロティンと鶏肉だよな」と呟きながらパステル純はカラマリヤスイ・チンゲイル川上に向かってほふく前進続行中でございます。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)
いつもありがとうございます✨




