喜ぶジャム将軍
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
カラマリヤスイ・チンゲイル川上は怯えきっていた。トドメをさせば良かったと思いつつ、しぶとく生きていてくれて一先ずホッしているという矛盾に苛まれてもいた。思ったよりもジャム将軍はタフだ。イカれたタフちゃんだ。いや、タフ野郎のケツ毛野郎だ。やっぱりね、腑に落ちないとも感ずる。確実に仕留めたはずなのに何故だろうとも思っていた。まさかの仮死状態だったか。あるいは不老不死なのか。
不老不死は大宇宙全体の夢だ。実は50世紀の現在になってから不老不死はあと一歩のところまで迫ってきているのだ。大体、ごく普通の宇宙人の平均寿命は600歳だ。ごく普通の人類だと700歳くらい。エバップゲロオエ星人だと800歳は生きる。それ以上に生きる宇宙人もたくさんいるのだ。文明の発達により長生きが可能にはなってきている。なってきてはいるが、不老不死までには何かが足りない。その何かが欲しくて科学者や医学者たちの誰もが地団駄踏んじゃってる。毎日毎日地団駄踏んじゃってる。たまにウンコも踏んじゃったりする。あと、ちょびっとで不老不死になれるようなんですな。
カラマリヤスイ・チンゲイル川上はサウナ室から逃げて、いやムササビ・ジュニア号から逃げてしまいたいと思っていた。影武者になれないならもうどうでもいいや、とね。
ジャム将軍は額から後頭部にかけて12針も縫われた。家来のチンチロユランが頑張って針数を減少させたのだ。
「これで傷口は塞がりました。2週間後には抜糸しますから」
「ありがとうよ、チンチロユランよ」
ジャム将軍は立ち上がるとサウナ室に向かって歩き出した。
「ヤバイ。もう逃げ場がない。どうするべよ?」とカラマリヤスイ・チンゲイル川上は言ってサウナ室の中をウロウロと歩いた。
「もう知らん」とカラマリヤスイ・チンゲイル川上は言ってサウナに身を委ねる事にした。
ジャム将軍がサウナ室に入ってきた。
「おおーっ、カラマリヤスイ・チンゲイル川上。なんだ、いたのか。お前もサウナかい? サウナは脳梗塞になりやすいから納豆を食べながらサウナしないとダメだよ。納豆はあるのかい? ないの? ワテは納豆を食べながらサウナするのが日課だからね」とジャム将軍は言って鼻の穴に入れていた小サイズの納豆パックを取り出して指でかき混ぜると、そのまま納豆を食べた。
「な、な、納豆ですね。覚えておきます。ありがとうございます」とカラマリヤスイ・チンゲイル川上は震えながら言った。
「後は水だな。水を飲みながらサウナに入るのもポイントなんだよね」とジャム将軍は言って、鼻の穴に入れていたペットボトルを取り出して水を飲み始めた。
「み、み、水ですよね、水が1番美味いですし」
「水は透明だけど色鉛筆で水を表現するためには水色で塗り潰すのがベストだよ。間違っても白色で水は表現すんなよな」とジャム将軍は言って3リットルのペットボトルの水を少しずつ飲んだ。
「ジャム将軍、聞いてもいいですか?」
「何だよ?」
「ジャム将軍は3リットルのペットボトルや、納豆パックを鼻の穴から出していましたが、日用品などは鼻の穴から出せるものなんですかね?」
「出せる」
「ジャム将軍、初めて知りました」
「初めて言ったからね」
「不思議な鼻の穴なんですね」
「収納は左の鼻の穴の方が大きいんだ。非常に大きいし深く収納できる。右側の鼻の穴はコンパクトサイズなんだ。今さ、右側から納豆パックを出して左の鼻の穴からは3リットルのペットボトルを出したんだよ」
「ジャム将軍はスゴイっすね」
「まあね。学生時代は左の鼻の穴に教科書を全部入れて通学していたから」
「ジャム将軍、ということは、右側の鼻の穴には筆箱を入れていた?」
「御名答。他には給食費とかも右側の鼻の穴に入れていたよ」
「スゴイっすね」
「だからこそワテは鼻の穴に感謝しているよ」
「ジャム将軍はスゴイっす。男の中のマンです」
「ふははははははは。よせやい。照れるよ。初めて男の中のマンって言われた。今まで独裁者の中の独裁者とは言われてきたけどさ、やはり男の中のマンと言われた方が男としては嬉しいもんです。男の中のマンか。嬉しいね。初めてだわ、本当に初めて言われたわ。男の中のマンだなんてさ」ジャム将軍は鼻の穴から納豆パックを取り出すとカラマリヤスイ・チンゲイル川上に手渡した。
「ジャム将軍はスゴイっすよね」とカラマリヤスイ・チンゲイル川上は言って納豆を食べた。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)
納豆は美味いぞ!