ないす、BODY
(作画 ひだまりのねこ様
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
「お姉ちゃん、またお姉ちゃんの部屋で黒電話が鳴ってるよ」
「えっ?!」とマラカス貴子は言って、腹一杯に息を吸い込んだ後に一気にお湯の中に潜ってしまった。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん?」とクラリネット茜は言ってマラカス貴子を追い掛けるようにして、お湯の中に潜った。
マラカス貴子はお湯の中で耳の穴に指を突っ込んで目を閉じていた。
クラリネット茜はマラカス貴子にテレパシーを送った。
『ちょっと、お姉ちゃん! 急にどうしたのよ? 何で湯船の中に潜るわけ?』とクラリネット茜は心配そうに言った。
『クラリネット茜よ、湯船の中の底に私の秘密基地があるわけです。勝手に作ったからお母さんにはナイショだよ』とマラカス貴子が言うと排水口の蓋を一瞬だけ開けて蓋の裏側を人差し指で押すと直ぐに排水口に戻した。
排水口の隣にある小さな傷跡から光が現れて漏れ出ていた。マラカス貴子は光に人差し指を乗せた。すると、小さな光が消えると同時に浴槽の底が開いた。
マラカス貴子とクラリネット茜の姉妹は浴槽の底へ泳ぎながら吸い込まれていった。
マラカス貴子とクラリネット茜は手を繋ぎながら深さ5メートル下に到達した。そこは小さな小部屋になっていて広さは6畳程もある心地良い空間になっていた。何もない小部屋に水中でも消えないランプが天井に取り付けられていた。
『お姉ちゃん、この部屋は?』クラリネット茜は立ち泳ぎをしながらテレパシーを姉に送った。
『お姉ちゃんが作った秘密の小部屋です。凄いべ?』
『凄いけど……』
『独りになりたいときには、この水中小部屋に行ってさ、悲劇のヒロインになりに来るわけなのよ』
『ふーん、お姉ちゃん、てか、黒電話に出ないの?』
『よし、小部屋から出るか。浴槽に戻るべ』マラカス貴子とクラリネット茜は手を繋ぎながら浴槽に戻った。
「クラリネット茜よ、辛い時や寂しい時には水中小部屋に行って独りで物思いに耽りなさいよ。大人になるってね、独りになることなの。独りになって自分の心と乳首に正面から向き合ってね」
「うん。てか、お姉ちゃんの部屋の黒電話が鳴ってるって」
「分かったわ。一旦、ドロンします」とマラカス貴子は言ってスッポンポンのまま自分の部屋に行った。
マラカス貴子は身長160センチ、バスト92、ウエスト62、ヒップ93、体重60キロだ、魅惑的で魅力的な豊満すぎるワガママボディーを揺らしながら部屋に着いた。
ワガママボディー。そう、はちきれんばかりにワガママボディーな女の子、それがワガママボディーの持ち主、売れないアイドルのマラカス貴子なのだ。ワガママボディーを利用して宇宙芸能界を成り上がりたいという邪まな考え方がないのがマラカス貴子だ。ワガママボディーをじゃなくて心を見てほしいと願うマラカス貴子なのであった。
黒電話は鳴り響いていた。
マラカス貴子は黒電話に出る気などサラサラなかった。出たら出たてナーバスになるからだ。ワガママボディーだからといってワガママな性格ではない。マラカス貴子は長女だ。長女というのは下の子を導く役目と指導がある。自分自身のワガママをグッと抑えて行動するのが長男長女なのだ。だからこそ、マラカス貴子の忍耐力や我慢してきた気持ちが肉体に現れてきてワガママボディーになったのかもしれない。
ワガママボディーは魅力的だ。全ての男の目を釘付けにする。ワガママボディーをワガママボディーとして本格的にワガママボディーを認めてあげてほしいのだ。持って生まれたワガママボディーなのだから。皆の衆、ワガママボディーを許してはくれまいか? マラカス貴子のワガママボディーを愛してはくれまいか? 読者の皆の衆、マラカス貴子のワガママボディーを存分に愛でたり愛したり守ってほしい。そう、ワガママボディーを信じてほしいのだ。マラカス貴子のワガママボディーを本当に心からよろしくお願い致します!
黒電話のベルが切れた。その数60回だ。増えていた。マラカス貴子はワガママボディーを揺らしながら自分の部屋を出ようとした。
その時、突然、黒電話のベルが鳴り響いた。
☆続いちゃうん、続いちゃうん、続いちゃうんよー☆
(作画 七海 糸様)