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ホワイトチョコレートマンは行く

挿絵(By みてみん)

 (作画 ひだまりのねこ様)

  挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

  挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)




ホワイトチョコレートマンはワキガ・エモーションの入金を待った。


テレパシーを終えた5分後に宇宙銀行伝書鳩協会から無敵すぎる強力なセキュリティを誇るスーパー伝書鳩のチロちゃん(2歳)がホワイトチョコレートマン宛に光高速で送られた。


「ホロッホ」と声がしたと思ったらホワイトチョコレートマンの肩に何かが止まった。

 

「君は確か伝書鳩のチロちゃんだったかな。お疲れ様です」とホワイトチョコレートマンは魔法で防御されたスーパー伝書鳩のチロちゃんに言った。

 

「ホロッホ、ホロッホ」とチロちゃんは得意気に挨拶をした。

 

ホワイトチョコレートマンはチロちゃんの左足に付いている紙をほどいて中身読んだ。

 

「確かにあなた様の口座文章番号に2千万ヘンドリモンドリが入金されてますよう。良かったね。大金だから大事に使いなさいよう」と書かれていた。


「よし、さっそく仕事の開始だな」とホワイトチョコレートマンは言うと西に進路を変えて、たて笛惑星に向かうことにした。『酸素のさぁちゃん』はあと67時間も酸素が吸える。


ホワイトチョコレートマンは愛星・サマー・えりかちゃんの復帰記者会見に行く予定を止める事に少し躊躇したが、悪の化身とまで言われているパチ凛太助と手合せできる喜びが生まれていた。


「チロちゃん、お腹は空いていないかい?」

 

「ホロッホ」

 

「チロちゃん、玄米パンがあるから食べるかい?」

 

「ホロッホ」

 

ホワイトチョコレートマンは白いブリーフパンツの中に手を入れるとビニール袋に6枚入った玄米パンを出した。袋の中から半分にちぎった玄米パンを手にするとスーパー伝書鳩のチロちゃんに差し出した。


「チロちゃん、ジャパンゴールデンウィーク産の玄米を使用した玄米パンなんだ。さあ、お食べ」

 

「ホロッホ」チロちゃんは嬉しそうに玄米パンを食べた。


「ははは。チロちゃん、玄米パン美味しいかい?」


「ホロッホ」


その時、北の方向にピンクの浮き輪に乗った1匹の宇宙野良犬が現れた。宇宙野良犬とは、犬を飼いきれなくなったという飼い主の勝手な理由で宇宙に捨てられた犬を意味するのだ。


ホワイトチョコレートマンは黙ってピンクの浮き輪に乗った宇宙野良犬を見つめた。見たところ、酸素魔法を掛けられているし、宇宙線予防の魔法や、紫外線予防の魔法や、赤外線予防の魔法が掛けられている宇宙野良犬だった。ピンクの浮き輪の横には自動的にえさと水が出るコンパクトな機械が装着されていた。

 

「ホロッホ」とスーパー伝書鳩のチロちゃんもピンクの浮き輪に乗った宇宙野良犬を見つめた。

 

「あのピンクの浮き輪は宇宙船や宇宙戦闘機でも使用されている素材で作られた浮き輪だな。確か『パファレミン・ダミスカム・ユナミジリン超合金』だな」とホワイトチョコレートマンは言ってピンクの浮き輪を見ていた。

 

「チロちゃんよ、どうする? あの野良犬にも玄米パンをあげてもいいかい?」とホワイトチョコレートマンはスーパー伝書鳩のチロちゃんに相談した。


「ホロッホ、ホロッホ」とチロちゃんは言って羽を動かすと東の宇宙に飛んでいった。


「どうもありがとう、チロちゃん」とホワイトチョコレートマンは言ってスーパー伝書鳩のチロちゃんに手を振り続けた。

 

「おい、君、こっちにおいでよ。玄米パンを食べないかい? ジャパンゴールデンウィーク産の玄米を使用した玄米パンなんだ」

 

「わん」

 

ピンクの浮き輪に乗った宇宙野良犬はしっぽを振ってホワイトチョコレートマンに近付いてきた。

 

「なんだコレは!?」ホワイトチョコレートマンは宇宙野良犬の首輪に付いてある紙を手にして広げた。


『この犬はオスです。まだ2歳です。名前は「ありさ」です。オスなのにメスみたいな名前です。ありさの好きな食べ物はジャパンゴールデンウィーク産の『梅干し』です。特に塩分6%未満の梅干しを好みます。犬に梅干しはダメって言うけれどダメと言われたらやってしまうタイプの性格をしています。夜更かしとか、夜遊びもする犬です。責任を持って最後まで飼いたかったのですが、一身上の都合により、ありさと一緒に同居が出来なくなりました。私の彼氏がドメスティック・バイオレンスの覇者というか、ドメスティック・バイオレンスのスペース・ワールド・チャンピオンというか、本当に直ぐに手を出す手グセの悪い、頭の足りない男なんですけれども、その男が私とありさにドメスティック・バイオレンスをしています。彼氏の名前を晒します。ビエオです。課題ビエオと言います。私の姉と妹にも手を出そうとしています。どうにかして課題ビエオと別れたいです。この紙を見てくださった、そこのあなた様。私を助けてください。先ずは、ありさを先に逃がします。しばらくの間だけ、ありさを匿ってくださいませ。私の名前は山本乳首子です。左よりも右の乳首が大きくて黒ずんでいます。触りすぎが原因です。だって人間だから。私は人間だからです。私の携帯黒電話番号は272-86981475800-236999666です。私は子供の頃から乳首子って名前で呼ばれています。是非とも乳首子と読んでくださいね! 山本乳首子より』

 

紙を読み終えたホワイトチョコレートマンは黙ってありさを見つめた。


「良かったな、ありさくん。捨てられたんじゃなかったんだよ」とホワイトチョコレートマンは言ってありさくんの頭を撫でた。


「わん。はっはっはっは」とありさくんはしっぽを振り続けた。





    ☆続いちゃう☆




挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

 

ホワイトチョコレートマンはスペシャリストの殺し屋でありながらも、分別をわきまえた男なのかもしれないね。

 

読んでくれてありがとうございました。

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