ホワイトチョコレートマン
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
白いブリーフを履いたオッサンは東方面の宇宙空間を飛んでいた。
「それとなく、湯タンポ銀河にあるチンティン惑星のマンゲリラ・チンゲリラ大王の暗殺に成功しちゃたよな。さてさて次のバカを暗殺しにいくべか」と白いブリーフを履いたオッサンは宇宙空間を回転しながら陽気に飛行していた。
突然、白いブリーフを履いたオッサンにテレパシーが届いた。
「はい」と白いブリーフを履いたオッサンは自分の名前を言わずにテレパシーに出た。
「あ、あのう、もしもし?」
「はい?」
「ホワイトチョコレートマンさんですか?」
「はい、そうです」どうやら白いブリーフを履いたオッサンはホワイトチョコレートマンと言うらしい。
「すみません、ホワイトチョコレートマンさん、こんな夜分遅くに」
「いえいえ」
「すみません、あのう、ホワイトチョコレートマンさん」
「はい、何ですか?」
「暗殺して欲しい奴がいるんですけども」
「お客様の名前は?」
「すみませんすみません。申し遅れました。わたす、ワキガ・エモーションです」
「ワキガ・エモーションさん、お話を聞きます」
「夜行性惑星の魔王、パチ凛太助です」
ホワイトチョコレートマンの顔色が一瞬で変わった。パチ凛太助は悪の魔王と言われているほど悪い奴だ。あのジャム将軍と同じくらいイカれている。話に聞いたところ、パチ凛太助は頻繁にスーパーで漬け物を万引きしてはスーパーの店長に捕まってしまい、別室で処分されている時に店長を洗脳して万引きをチャラにするといった離れ業を楽しむという酷い事をしているのだった。
洗脳された店長は次にパチ凛太助がスーパーに来て万引きをしたとしても「ありがとうございましたぁ~」と気持ちの良い挨拶をしてパチ凛太助をスーパーから送り出すそうな。つまりだ、スーパーでの万引きが店長の公認、店長のお墨付きという形で認定されちゃってしまうのだった。洗脳されたスーパーの店長は合計800人。パチ凛太助は腹が減っても食に困らないという事になるのであった。
「で、ワキガ・エモーションさん、あなたの事について2つ質問したい」とホワイトチョコレートマンは深みのあるジェントルマンな声で話したが、まさか白いブリーフ一丁の姿だとは思うまい。
「何ですか?」
「ワキガ・エモーションさんのご職業は?」
「スーパー『満開』の店員です」
「分かりました。もう1つは、ワキガ・エモーションさんが悪の魔王と言われるパチ凛太助を暗殺したいという思いについて詳しく伺いたい」
「はい。スーパー『満開』は奥様方に愛される清く正しく美しくをモットーにした素晴らしいスーパーでした。今から3年前の夕方。フラりとやって来たパチ凛太助に気付きました。悪の魔王と言われる奴が変装もせずに素顔をさらしてです。私は慌ててスーパー『満開』の店長、渡辺7万個さんに「パチ凛太助が来店しています!」と言いました。「よし、分かった。私が万引きGメンとして自ら監視をする。他の店員も集めろ。一斉に監視せよと伝えろ。これは命令だ。急げよ」と店長の渡辺7万個さんは言いました。私は全店員80名にテレパシーをしまして『ただちに食品売場に集合してパチ凛太助を監視せよ』と伝えました」ワキガ・エモーションは唾を飲み込んだ。
「それで?」ホワイトチョコレートマンは冷静に話を促した。
「パチ凛太助は店長と私と全店員の合わせて82名の視線をものともせずに、漬け物、白滝、梅干し、アジの開き、サツマイモ、ザクロジュースを次々と持っていたビニール袋に入れていくではありませんか! 私はパチ凛太助の後ろから飛び掛かると床に捩じ伏せました。全店員80名も一気に駆け寄ってきてパチ凛太助の手と足をロープで固く結び、猿ぐつわをさせて、アイマスクをつけました。何とか無事にパチ凛太助を捕獲したのでした。私たちは興奮の坩堝でした。あの悪の魔王と言われるパチ凛太助を捕まえてしまったのですから。私たちは身動きできないパチ凛太助を事務室まで連れていきました。「よし、俺とワキガ・エモーションだけで応対するから、他は仕事に戻れ」と店長の渡辺7万個さんは言いました。テーブルを挟んで対峙し合う渡辺7万個店長、私、そして悪の魔王ことパチ凛太助。事務室は静まり返っていました。渡辺7万個店長がパチ凛太助のアイマスクを取ると「お前、万引きしたな! この野郎!」と渡辺7万個店長は怒鳴って机を叩きました。パチ凛太助の全く動じない冷徹な視線が今となっては、です。「知らねーな」とパチ凛太助は言って静かに笑いました。「ナメんな! ウンコ野郎!」と渡辺7万個店長は言って掃除箱から木刀を取り出しました。「何が悪の魔王だよ。単なる万引き犯じゃねーかよ!」と渡辺7万個店長が嘲笑うとパチ凛太助は渡辺7万個店長を黙って睨み付けました。すると、渡辺7万個店長は目を丸くして棒立ちになり、木刀を掃除箱に戻して大人しく椅子に座ったんです」
「それで?」とホワイトチョコレートマン言うと、宇宙空間を飛びながらブリーフの中に手を入れて激しく股間を掻きまくった。ブリーフの中から手を出すと鼻先に持ってきて匂いを嗅いだ。ホワイトチョコレートマンは心の中で『臭ちゃい。うふん』と言った。
「渡辺7万個店長は「おい、ワキガ・エモーションくん、私のロッカーにある店内トランシーバーを持ってきてくれ」と言われたんです。御存じの通り、店内トランシーバーは店長と私と他の店員80名だけに使用可能な連絡用のトランシーバーなんですよ。今必要ないでしょうと思いながら隣の部屋にあるロッカールームに行きまして、店長のロッカーを開けて店内トランシーバーを持って事務室に戻ったんです。そしたら……」
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)
ありがとうございました。




