僕の前では恥ずかしがるなよ
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
「なにーっ!?」とトイレのドアに設置されている小型テレビラリン・チュラララリンを見て叫んだキャプテン・ミルクは、一旦立ち上がったが、ウンコした、お尻を洗うために便座に座り直すと「冷たし・生ぬるい・熱め・激熱・激励・激辛・お湯による洗浄は痔を未然に防ぎます。お尻エチケット洗浄ボタン」の開始ボタンを押してみた。
「うん? 何だこれは!? 激励!? 激励ってボタンなんかあったっけ? とりあえず、押してみるかな」とキャプテン・ミルクは首を捻りながら目を細めちゃって疑わしそうに激励の洗浄ボタンを押してみた。
『よっ、そこの貴方。ウンコ頑張ったね。本当にお疲れ様でした。立派なウンコでした。貴方の肛門を拝見しましたけれどもね、痔の要素は全く無しでした。悪性、または良性の腫瘍も無し。良かった良かった。痔になるとね、生きるのが億劫になってくるからね。痔主だと落ち込みが激しくもなるし。そこの貴方、ウンコすると疲れるでしょう? 本当にお疲れ様です。不純物、老廃物、水分、今の嫌な気分を排出するのがウンコの役割だからさ。そこは頑張らないといけないのさ。ウンコをするのは一大事業に等しいんだよ。ある意味、ウンコは命懸けだからね。ウンコ中に落命した方も結構いたりするんだからね。特に便秘には気を付けろよ。便秘で力の限り踏ん張って頭の血管が切れちゃって家の爺ちゃんは御陀仏になったんだからね。知る限り踏ん張って御陀仏になった知人が20人もいる。警告も兼ねて言うけど便秘は踏ん張ってするなよ。便秘になったら、ゆっくりゆっくりウンコをしてくれよな。ちなみに長いこと便秘になってしまうと口臭がウンコ臭くなるんだぜ。だからこそ、便秘改善するには野菜をたくさん食べないといけないんだよ。肉ばかり食うなよ。肉ばかり食うと体臭がキツくなる。肉食による汗体臭は要注意だよ。この前さ、バスで隣に座っていた女子高生の口臭がウンコ臭かったんだよ。まったく、あの時は本当に参ったよ。目的地に着く前に急いで降りたさ。可愛い顔をしていたのに口からウンコの臭いがするだなんて、ショックだったし凄く悲しくて参ったよ。とにかくね、貴方の肛門には疾患はありませんから御安心を。これからも頑張ってウンコをしてくださいね。応援していますし、激励していきます。頑張れ頑張れ、貴方の肛門、頑張れ頑張れ貴方の肛門、貴方の肛門、が~んばれ! 貴方の肛門、が~んばれ! これからも貴方の肛門を心より深く慈しむように見守っていきます! ありがとうございました!』とキャプテン・ミルクはトイレから熱く激励された。
「初めてだ。トイレから、こんなに温かく激励されるなんて経験。泣けてきちゃった。とても嬉しいな、ありがとう。知らなかった。ファンタジー・ドラゴン号のトイレが巧みに喋れるなんてね」キャプテン・ミルクはファンタジー・ドラゴン号のトイレが話せるとは知らなかったのだ。トイレは23世紀辺りから喋れるようになったのだ。トイレの研究家、田辺金田一山村さんという名字だらけような名前の方が作ったのだ。
「トイレする時って淋しさを堪えて黄昏るじゃん。結構、黄昏ながらウンコするもんじゃん。あの切ない黄昏時の気持ちをさ、どうにかして、はち切れんばかりにしたいし、甘酸っぱくしたくてさ。人は皆、黄昏ながらウンコをする優しい生き物だから、初々しくしたくてさ。赤ちゃんが初めてオマルでウンコをする喜びや気持ちを取り戻したくてね」と田辺金田一山村さんは言い残して便秘で踏ん張って頭の血管が切れてdieになってしまった悲劇の歴史上の人物でもあった。
「ちょっとトイレくん。今から緊急記者会見の続きを見ちゃうからトイレに籠るよ」とキャプテン・ミルクは言って便座に座ると小型テレビラリン・チュラララリンのボリュームを上げた。
「遠慮なくどうぞ。既にウンコの臭いは籠っていないので、ごゆっくり」とトイレは言って役目を終えた。
「愛星・サマー・えりかの所属する事務所『LOVEセクシャル』の新社長のわたくし、アンダーグラウンド種本から2つほど皆様に発表したいことが御座います。1つ目は、愛星・サマー・えりかの居場所を特定したことを、ここに発表したいと思います。今から愛星・サマー・えりかから皆様に対して謝罪会見を開きたいと思います。居場所はプライバシーの侵害にあたるので伏せさせて頂きますが、えりか本人とこちらの会場に中継が繋がっています。私の後ろにある大きいなスクリーンを御覧ください」とアンダーグラウンド種本新社長が言うと、会場にいる800人の記者たちが一気にざわめきだした。カメラのフラッシュがたかれると同時に記者たちはスクリーンのある前の方へと移動し始めた。
「えりか、聞こえるかい? アンダーグラウンド種本だ」
「はい、えりかでぇ~す。キャハ。社長さん、聞こえていますよ~ん。キャハ」巨大スクリーンに写された愛星・サマー・えりかはガラスケースの中にいてパイプ椅子に座っていたが磨りガラスと全身がモザイクに掛けられていて姿は本人かどうか全く分からなかった。
「えりか、皆様に対して謝罪会見をお願い致します」とアンダーグラウンド種本新社長は言って巨大スクリーンを見上げた。
「はいは~い、分かりましたぁ~よ~ん。キャハ。ウフン。宇宙の皆様ぁ~っ、お久さー。スーパーアイドルの愛星・サマー・えりかだお。久しぶりだお。皆様、言わなくちゃならない事があるんだお。実は私ね、うんとね……」モザイク姿の愛星・サマー・えりかが喋ろうとしたら急にアンダーグラウンド種本新社長がさえぎって止めた。
「会場にいる記者の皆様、ここからは有料の記者会見となります。見る場合は、記者の皆様、5万ヘンドリモンドリを頂戴します。テレビラリン・チュラララリンを見ている視聴も有料となります。視聴者の皆様の場合は、全テレビラリン・チュラララリン配信・課金システムから強制的に支払って貰います」
「今ヘンドリモンドリなんて無いよ! 俺たちをなめんなよな!」
「そうだそうだ!」
「このボッタクリ社長!」
「この抱き合わせ販売社長めが!」
「この闇企業の社長めが!」
「この、いんきんた虫野郎めが!!」
「この頭とアソコが全く役立たずのアホ社長めが!」
「この脂汗野郎めが!」
「このパワハラ社長! ガキのくせによう!」
「この社長は、汗体臭だ。生臭い汗体臭野郎だ!」
「詐欺師だって故人のモンテスキューに言ってやるからな!」
「この詐欺師! 必ずな、人間に近いオリバー君の墓前に言ってやるからな! 絶対に憧れの友人となりえた今は亡きオリバー君に告げ口したる! ああん、オリバー君に会いたいなぁ!」
「ペテン師社長めが! 口裂け女と雪女にあんたの個人情報を教えたろうかいな!」
「詐欺師社長め、前立腺みたいな顔しやがってよ!」
「ふざけた顔しやがってよう! 詐欺師社長めが! 陰毛みたいなヘアスタイルしちゃってさ! 縮れ毛野郎めが! 健気な陰毛に謝れ!! お前の陰毛にストレートパーマを当てたるぞい! お前のヘアスタイル自体がセクシャルセクシャルだ! このセクシャルセクシャル野郎めが!」とそれぞれに記者たちは口悪く糾弾し続けた。
「分かりました。今回だけ、ヘンドリモンドリは後日お支払いするという形で宜しくお願いします。テレビラリン・チュラララリンを見ている視聴者もです」アンダーグラウンド種本新社長は記者たちから陰毛みたいなヘアスタイルと言われて大変なショックを受けていた。
「記者の皆様、私のヘアスタイルって陰毛ですか?」
「陰毛だね。ほとんど完璧に陰毛と同じだね。何処に目をやればいいのかわからんのだよ!」とある記者が席から立ち上がって怒鳴った。
「父方の遺伝なんですよ。私は男の8人兄弟なんですが、7人の兄たちは母に似てサラサラのストレートヘアなんです。私だけ陰毛みたいになってしまって。父方の遺伝なんです。父方の遺伝で陰毛みたいになってしまって。父方のせいなんです。私の父親も陰毛みたいなヘアスタイルなんです。死んだお爺ちゃんの頭も陰毛ヘアスタイルでした。エーン、エーン」とアンダーグラウンド種本新社長は言って机に突っ伏して泣き出した。
「ストレートパーマを当てなよ」と他の記者から声が飛んだ。
「今度やってみます。おい、えりか、引き続き謝罪会見をしてください」アンダーグラウンド種本はケロッとして大型スクリーンを見上げた。
「はぁーい。ではでは。宇宙の皆様に対して謝罪をしたいと思うんだお。キャハ。宇宙の皆様さまさまさま、ごめんだお。えりかを許してクレヨン。イャン。てへへへへへ」
「ワレ、なめとんのかいな!!」
「本当にえりかちゃんか!?」
「話し方が別れた妻に似ている!」
「えりかちゃん、顔を見せろよ!」
「なめた真似しやがる小娘だったのかよ!!」
「えりかちゃん、顔を出した方がいいっすよ!」
「ごめりんこんこん。キャハ。あたし、すっぴん中でぇーす。キャハ。すっぴんは無理無理ギャルでぇーす。見せられないないギャルでぇーす。キャハ」
「えええええりかちゃん!? あ、ん、あーん、あーん、あーん、あーん、いゃん、あーん、あーん、あーん、あばばばば、あんた、なめなめなめとんのかいな!!」記者歴300年の老舗な記者、仮面乱視漏さんが巨大スクリーンに向かって鉛筆を投げたが届かなかった。
「なめてないワン。ピチピチな乙女のすっぴんは無理やり危険ゾーン。無理やり危険ゾーンに侵入は無理だワン。キャハ。すっぴん中は、いやん。キャハ」
「えりかちゃん、あんたね、その態度がナメてんだよ!!」と暴れ馬の記者、木訥麺汁さんが怒鳴った後、アンダーグラウンド種本新社長の元に行って至近距離から陰毛ヘアスタイルを激写し出した。
「ちょっと、や、止めてください!!」アンダーグラウンド種本新社長は必死に頭を隠した。
「隠すな!! 僕は記者だ。僕の前では恥ずかしがるなよ!!」と暴れ馬の記者、木訥麺汁記者は激写し続けた。
「止めてください、止めてください!」
「いいじゃん、いいじゃん」
「本当に止めてください!!」
「ナイーブなヘアスタイルしやがってよ」
「止めてください、止めてください!!」
「アンダーグラウンド種本新社長さんよ、僕の前では恥ずかしがるなよな。今は陰毛ヘアスタイルしか撮れるものはないんだよ!! ある意味、スクープだ!」
「止めてください!! 怒りますよ!!」
「アンダーグラウンド種本新社長さんよ、その角度、まさにお風呂上がりの陰毛そのものだ!! 誰にだって陰毛はあるものなんだよ。それが自然の摂理なんだよ。陰毛みたいに生えた髪の毛があったっていいじゃんかよ。変に自分を隠すなよな。父方の遺伝を悪く言うのは間違っていると思う。僕はそこに怒っているんだよ」暴れ馬の記者、木訥麺汁記者はアンダーグラウンド種本新社長に断られても拒絶されても激写し続けた。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




