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可愛いあの娘にメロメロさ

  挿絵(By みてみん)

 (作画 ひだまりのねこ様)

  挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

  挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)





 その時でござんしたよ。キャプテン・ミルクの携帯黒電話が鳴りましたな。こんな感じの音であった。

 

チリ、リリ~ン、リャン


チリ、ン、リャンリャン


チリ、ン、リョロリョロ

 

チンチロリン。ポンポコチコン。

 

なんとも弱々しくて物悲しい呼び出し音であったのであった。

 

「あらっ!? 何だよ、この淋しげなセンチメンタルで木綿のパンツ一丁みたいな携帯黒電話の音わよ? 壊れたか?」とキャプテン・ミルクはぶつくさ言ってから「少し部屋に戻る」と乗組員たちに言ってから部屋に戻ったのであった。


キャプテン・ミルクは本当は携帯黒電話を出たくないのに仕方なく取ってみたのであった。

 

「はい、キャプテン・ミルクだい」

 

「あんたのお母さんです」

 

「またかいなっ!? なんだよ! 今度は何よ?」

 

「今、忙しい?」

 

「めちゃめちゃ忙しい」

 

「メロンクリームソーダよ、見てないの?」

 

「ああ、緊急記者会見の事かい? 見てたよ。ドンチャン騒ぎみたいにワチャワチャして楽しいけれども、アホっぽくて、くだらない記者会見にもなってきて、めちゃくちゃ面白いね!」

 

「面白いね。本当に愛星・サマー・えりかちゃんは何処にいるんだろうねぇ? メロンクリームソーダよ、あんた、えりかちゃんについて何か知らないの?」

 

「知らないねぇ……」とキャプテン・ミルクは動揺しまくっていた。母親というものは異常なまでに勘が鋭い。特に自分の息子に対しての勘はめちゃめちゃ鋭いものなのだ。現在、キャプテン・ミルクはジャム将軍を追い詰めてはいるが弄んでもいる状況だ。正直に言ってジャム将軍が面倒臭くなってきてもいた。『直ぐにでもジャム将軍を抹殺しないとなと思い初めていたが、まあ、どうにかなるから別に気にしないでもいいやという気持ちも生まれてた事実を尊重したいのだ』とも思ってもいたのであった。とにかくだ、とにかくキャプテン・ミルクは母親に勘づかれたらマズイという気持ちに強めに支配されてもいたのであった。キャプテン・ミルクは様子を見ることにして、のらりくらりと、適当にはぐらかすことにするしかないと思ったのであった。

 

「ちょっと、あんた、お母さんに何か言いたい事があるんでないのかい?」

 

「何が?」

 

「何かお母さんに隠してないかい?」

 

「何もないね。それじゃ切るよ」

 

「何か臭う。怪しい」

 

「切るよ」

 

「ちょっと・ちょっと・ちょっと! なんで切るのよぉ? お母さんはずっと息子と話していたいのにん! 話そうよ。お母さんと話そうよん。ムフッ」

 

「めんどい! バタバタしてきたから切るよ!」

 

「待って、お爺ちゃんがね、メロンクリームソーダと話したいってさ。代わるから、はい、お爺ちゃん」

 

「よう! 孫」

 

「爺ちゃん、久しぶり」

 

ファンタスティック・金銀多魔王きんぎんたまおう爺ちゃんはまだ180歳だがキャプテン・ミルクのお爺ちゃんであったのだった。昔々はヤバイ奴だったらしいのであったのだった。

 

「爺ちゃん、久しぶり」

 

「龍神よ、久しぶりも何も音信不通すぎないかい? 生きていたから良かったけどもよ、音信不通すぎるってばよ! ナメんなよ!」

 

「あっ、ごめん、ごめん」

 

「龍神、あっ、ごめん、ごめんで済むなら、納豆を300回もかき混ぜたり、石焼きイモをフーフーしないで飲み込んだり、一生懸命に頑張ってウンコを気張ったりしないわい!」

 

「爺ちゃん、何をいってんの? 切るよ?」

 

「待て待て。龍神はおせち料理って知ってるかい?」

 

「知ってるよ。ジャパン・ゴールデンウィークの伝統的な食べ物の事だろう?」

 

「龍神、食べてみたいから買ってきて家に持ってきて」

 

「忙しいんだって! 自分で買いに行けよ!」

 

「そこを何とか!」

 

「無理」

 

「龍神、EARTHに行って買ってきてとは言ってないじゃん。御駄賃惑星で開催されているジャパン・ゴールデンウィーク展におせち料理があるらしいんだよね。買ってきて。煌めいていてメカニック的な姿したおせち料理を食べてみたいんだよ」

 

「無理だな。切るよ!」


「龍神、待て! ペットのワンちゃん、メスの『キキちゃん』に代わるから」

 

「いいってば! 爺ちゃん! もうまったく。マジで困ったな」

 

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、キューンキューン、ワンワンワンワンワンワンワンワン、ウォーンウォーン、キューンキューン、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ、ワンワンワンワンワンワンワンワンワン。ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン」

 

「キキちゃん、元気でちゅか?」

 

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン。キューンキューンキューンキューンキューン、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ、バウ」

 

「あらまっ、元気でちゅねー。キキちゃん、偉い子たんにしてまちゅか?」

 

「ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン。ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン。キューンキューンキューン。ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン。ワンワン。キューンキューン。ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン? ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン」

 

「キキちゃん、元気でちゅねー。ちょっちゅねー、携帯黒電話をお爺ちゃんに代わってくだちゃい」

 

「ワンワン。モンテスキュー、モンテスキュー、モンテスキュー、モンテスキュー、モンテスキュー、モンテスキュー、キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン」

 

「キキちゃん、ちゃんとお留守番していなさいよ。今度、散歩に連れて行ってあげまちゅからねっ。キキちゃん、電話をお爺ちゃんに代わってくだちゃ~い」

 

「ワンワン。キューンキューン。ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン、ワンワンワンワンワンワンワン」

 

「キキちゃん、ねっ、もう分かったからね、お爺ちゃんに代わってくだちゃいな」

 

「うん。いいよ、分かった」

 

「ハッ!? えっ!? キキちゃん、今、何つった?」

 

「ワン」

 

「聞き間違いか……」

 

「龍神、久しぶりのキキちゃんでした。ということです。おせち料理の件は後日相談させてくださいな」


「分かった」

 

「龍神よ、愛星・サマー・えりかちゃんは何処に行ったんだべな?」

 

「知らないよ」

 

「まだキキちゃんと話足りないかい?」

 

「もういいって!! 忙しいんだよ!! 切るよ!!」

 

「待て龍神よ、お母さんに代わるよ」

 

「お母さんです。メロンクリームソーダ、また掛けるから」


「はいはい」

 

「メロンクリームソーダ、じゃあね、バイバイキーン!」

 

「はいはい」

 




    ☆続いちゃう☆

 

 

 

 挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

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