いつもより無表情
「ペペ、で、話って何だよ?」キャプテン・ミルクはペペと共に緑のトンネルの中へ入ると言った。
緑のトンネルの中は細長い部屋のような作りで至って普通の通路になっていた。肝試しに行くような殺伐とした何処にでもあるカビ臭いトンネルそのものだった。向こうの出口にも扉があった。トンネル内に外灯が天井に1つ設置されていた。
「キャプテン・ミルク、ジャム惑星のジャム将軍について何か聞いたことはあるかな?」ペペは防音だからと言っていたクセに声を小さくして話していた。
「ああ、聞いたことがある。ジャム将軍はジャム惑星の暴君、独裁者だろう? 頭のイカれたおっさんとだけは聞いたことがあるがね、他は知らない。あっ、宇宙船ムササビジュニア号に乗って略奪を繰り返している愚か者。姿は見たことがない。ペペ、ジャム将軍は確かに実際しているんだな」
「ああ、存在している。さすがキャプテン・ミルクだな。ごく一部の宇宙人や異星人にしか知らされていない極秘情報をだ、何故知っていたんだ?」曲角ペペはキャプテン・ミルクの情報網や情報源に驚いていた。
「以前、ある惑星で独りの老婆に出会ったんだよ。その老婆が詳しく教えてくれたんだ。老婆はジャム将軍に惑星を追われてしまい他の惑星の救世軍に無事に保護されて脱出したんだ」
「なるほどな。その老婆の情報源は確かだ」
「ペペ、何か新しい情報が入ったんだな」
「そうだ。実は先日『宇宙モッツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局 秘密特捜部第1エリートスパイ部』に届いたタレコミの極秘情報なんだ。どうやら、ジャム将軍一味が、ここ、ラルルラボン惑星に潜入しているらしい。ラルルラボン惑星を侵略するとの極めて恐るべき情報があったんだ」ペペの真剣な眼差しに焦りの色が見えた。
「な、なんだって!?」
「キャプテン・ミルク、これは確かな情報だよ」
「誰からの情報なんだよ?」
「匿名だから分からないが『宇宙モッツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局 秘密特捜部第1エリートスパイ部』の尖鋭スパイたちが証拠を掴む為に慎重に調べた結果、間違いない情報を入手している」
「ペペ、厄介な事になりそう、だな」
「キャプテン・ミルク、そうなりそうだ。既に僕たちの惑星『シャーベット惑星』のシャーベット宇宙軍もラルルラボン惑星に向かって進行している。あと2日で到着する。僕は、命令を受けて、しばらく住み着いて調べていたんだ」
「分かった。俺たち『宇宙ファンタジードラゴン戦隊』も力を貸すよ。ファンタジードラゴン号は常に準備万端だ。俺の行動の全ては『ブルー惑星』の王様から許可を得ている」(説明しよう。ブルー惑星はキャプテン・ミルクの生まれた惑星で出身地はブルースプラッシュ国が母国であるのだ。『宇宙ファンタジードラゴン戦隊』とは宇宙の平和を守るための素晴らしくて偉い組織なのだ。どうだい? カッコいいだろう? キャプテン・ミルクってさ、カッコいいだろう? キャプテン・ミルクってさぁ、超ナウいじゃんかよ~う!)
オープニングテーマソング
『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
宇宙に行こうよ
宇宙の果てにはさ
光の壁があるって話よ
ツルッと光よりも輝く
あんちくしょうに夢中よ
あたい月よりアイツ好きさ
あたい星よりアイツ好きさ
あたいナウい船長と
ナウい宇宙船の持ち主の
あんちくしょうがさ
とぅきでぇ~す(好きで~す)
痒い背中に孫の手が欲しい
痛いお尻に座薬と塗り薬よ
朝から晩まで歌っている鳥
お願いシャラップだい!
好きなあいつに付きまとい
好きなあいつに睨まれて
好きなあいつにドキドキ
ラブレターをあげちゃった
偶然のフリして
無理矢理鉢合わせたのさ
恥ずかしいけどもさぁ
あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆
「ペペ、他に何かあるのか?」
「ジャム将軍の写真を手に入れた」曲角ペペは黒いレザースーツのチャックを胸元まで下ろすと1枚の写真を取り出した。
「キャプテン・ミルク、確認しろ」
「お、おい、こ、こ、コイツがジャム将軍なのか!? えっ、ペペ!? コイツなのかよ!?」キャプテン・ミルクはペペから写真を取り上げると睨み付ける様に写真を見た。
「ああ、そいつがジャム将軍だ。宇宙で初めて姿を捉えた貴重な写真だ。うちの仲間が撮ったんだよ。何故、ジャム将軍は両手にオレンジを握っているのかは不明だ。ずっとオレンジを握り締めていたそうだ」ペペは納得いかない顔をしていた。オレンジに深い意味があるのか思案しているようだった。
「ペペ、実はさ、さっきコイツに会って揉めたんだ!」キャプテン・ミルクは緑のトンネルから出ようとした。
「待て、キャプテン・ミルク。どういう事だよ?」ペペはキャプテン・ミルクを羽交い締めして引き留めた。
キャプテン・ミルクは先ほどの事情を説明した。
「なるほど。キャプテン・ミルク、ジャム将軍は、まだ近くにいるのかもしれないぞ」ペペは悩みながら言った。出来ればジャム将軍がムササビジュニア号に乗っていない独りの時を狙って身柄を確保するのが目標であり任務でもあるからだ。
「ペペ、シャーベット惑星のシャーベット宇宙軍が来るまで待つしかない。宇宙モッツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局 秘密特捜部第1エリートスパイ部が、こちらに来る予定はないのか?」
「今のところはないね。シャーベット宇宙軍が出動している間にシャーベット惑星に危険が迫るとマズイから待機しているんだよ」
「なるほど」キャプテン・ミルクと曲角ペペは慌てて密着状態から体を離すと扉を開けようとした。
扉を開けた瞬間に大きな爆発音が鳴り響いてきた。
キャプテン・ミルクと曲角ペペが最初に目にしたのは、5名の宇宙人とレッド明凜が激しい交戦をしている厳しい状況だった。宇宙人たちは手に小型のレーザー銃を持ちレッド明凜を狙って撃ちまくっていた。
レッド明凜はオッパイレーザービームで応戦していた。レッド明凜のオッパイレーザービームはとてつもなく強力な性能を誇っていて短時間で3名の宇宙人のお尻を狙い撃ちして撃退した。レッド明凜は残りのしつこい2名に手こずっていた。かなり手強い宇宙人のようだ。
宇宙人たちがレッド明凜に5メートル近くまで迫った時だった。
レッド明凜は足の裏からロケットエンジンを出して空を飛んだのだ。
キャプテン・ミルクと曲角ペペは空を見上げてレッド明凜を見ていたが、宇宙人たちは飛んだことに気付いていないようだった。辺りを探して首を動かし狼狽えていた。
空中で停止して宇宙人たちを観察しているレッド明凜は、オッパイレーザービームの威力が増す胸元のダイヤル型スイッチを迷わずに10段階うちの7を押した。レッド明凜の顔は相変わらず無表情のままだった。
「ビュュューン!!」
レッド明凜のオッパイレーザービームが宇宙人たちのお尻を射抜いた。
ボォーーーン!!!!
「マズイ。ケツガフタツニワレチマッタヨ! タイヒセヨ」
残り2名の宇宙人は走って逃げてしまった。(説明しよう。レッド明凜のオッパイレーザービームは凄いのだ! レッド明凜のオッパイは強いのだ! レッド明凜のオッパイはカッコいいのだ! 皆、凄いだろう? レッド明凜のオッパイって凄いだろう? レッド明凜のオッパイってナウいじゃん!)
☆続いちゃう☆
エンディングテーマソング
『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
気持ちを抑えて
貴方を見つめると
涙が溢れてたまらんわ
好きな気持ちを隠して
辛くてもう嫌になるわ
お月さん
お月さん
応答願います
お星さま
お星さま
寂しくて参っちゃってさ
ねぇねぇ
私の話を聞いてくれる?
お願いします
やけ食いしたら負けよ
夜食を我慢して
ダイエットしようかな?
ダイエットしてさぁ
絶対に綺麗になるからね
綺麗になってウホホホホ
負けてたまるかやったるで
甘いお菓子なんかにさ
こっちからバイバイキーン
本当にバイバイキーン
バイバイキーンのバイバイキーン
好きな人を想いたいの
毎日抱きしめていたいの
貴方の笑顔を守りたいの
私は貴方が好きなのよ
ねぇ本気になってよ
こんにくしょう
私に振り向け振り向け
こんにくしょう
夜更かしばかりして
本当に困っちゃう~
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
それがあたいよ
あたいの姿なのよ
好きでぇ~す
エヘヘヘヘ
好きでぇ~す
ウフフフフ
好きでぇ~す
"LOVe"
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~
☆速報☆
レコーディングも終盤を迎えた愛星・サマー・えりかちゃんにファンからの温かい応援のメッセージが届いています。
「えりかちゃん、ちゅきです」(山本舞子ちゃん5歳)
「えりかちゃん、今度サインください」(佐々木浩二郎くん10歳)
「えりかちゃんの歌が好きです。デビューアルバム期待して待っています」(安達由美子さん15歳)
「えりかちゃん、いつか一緒にスキー場に行きませんか?」(江村真佐子さん20歳)
「えりかちゃん、ジャパンゴールデンウィークの歴史本を手に入れたので送りますね!」(長谷部マルジェロンさん89歳)
ファンからの温かい応援のお陰で愛星・サマー・えりかちゃんは元気いっぱいになりました。ありがとうございました!
今回、レコーディングの為にえりかちゃんのコメントはお休みです。




