新たなエネルギーと新たな計画。ここにきて壮大なビジョン
久しぶりです(照)
宜しくお願い致します!
「サスランポンチ巣がないとファンタジー・ドラゴン号は大宇宙空間さ迷う事になっちゃうんだよねー!」とキャプテン・ミルクは過酷なことを言った。
正直キャプテン・ミルクは久方ぶりに焦っていた。鼻先に汗を滲ませて垂らしながら焦った。ヤバイと顔に出したら仲間たちが動揺する。キャプテンという立場は仲間たちを路頭に迷わせたら絶対にダメなんだよねぇ。顔に出したら負けみたいなところもあるわけだしさ。敢えてキャプテン・ミルクは余裕をこいてみることにした。余裕のある男にならねばと思いつつ大人ぶる事にしたのだった。ちなみにキャプテン・ミルクは、とうの昔に成人式を終えています。更にちなみに50世紀の成人年齢は20歳です。32世紀に結局20歳に戻したんです。ティーンエイジャーをナメたらダメだよという理由からです。「20歳と18歳だと、色んな意味で、だいぶ違うじゃん」というのが戻した大きな理由です。
「トム! サスランポンチ巣を補給せよ!」とキャプテン・ミルクは命令した。
「キャプテン・ミルク、補給出来ないです! 既にサスランポンチ巣保存箱はスッカラカンです!」トムは悲痛に満ちた声を出して言うと涙ぐんだ。
「トム、スッカラカンかい? おい、月山コリー!」
「はい! キャプテン・ミルク!」
「月山コリーよ、サスランポンチ巣が補給出来る惑星は近場にあるかい?」
「ないですね」
「1番近い惑星は何処だ?」
「調べます。あっ、『サバの煮付けと大根おろしの味噌カツ定食惑星』にサスランポンチ巣が少しあるみたいですよ」
「ずいぶん、庶民の味方的な味わい深い名前の惑星だね。初めて聞いたわ。距離は?」
「キャプテン・ミルク、『サバの煮付けと大根おろしの味噌カツ定食惑星』は大体70億キロくらいですね」
「若干、遠い! もっと近場にすれよな!」
「キャプテン・ミルク、『裸婦デッサン惑星』がここからだと4900万キロにあります!」
「『裸婦デッサン惑星』? それも初めて聞いたわいな。どんな惑星なんだい? サスランポンチ巣はあるのかい?」
「キャプテン・ミルク、サスランポンチ巣はあるみたいですよう。大丈夫ですよう」月山コリーは『惑星・データセンター・コンピューター・専門データセンター・宇宙データベースセンター株式会社データ管理センター技術データセンター』というややこしい会社名のところから情報を調べて話していた。
「トム、4900万キロだと、70サスランポンチ巣で行けるかな?」キャプテン・ミルクは神妙な面持ちで言うと暗黒の大宇宙空間を見つめた。
「キャプテン・ミルク、ムズいです。せめて90サスランポンチ巣はないとね。ワープしなきゃいけないから」トムも神妙な面持ちでサスランポンチ巣データを見つめた。
「足りないのか。う~ん、あと20サスランポンチ巣があればな」キャプテン・ミルクはファンタジードラゴン号を作った天才、川本さすおに顔を向けた。
「川本さん、サスランポンチ巣、何とかならんかい?」
「キャプテン・ミルク、サスランポンチ巣がないとファンタジー・ドラゴン号は大宇宙空間で御陀仏です。サスランポンチ巣があればいいんだけどもね」川本さすおは苦しんでいた。サスランポンチ巣はなかなか手に出来ない。
「川本さん、これを機にファンタジー・ドラゴン号における、サスランポンチ巣とは別の動力源を新たに生み出してみてはどうかな? グッバイ、サスランポンチ巣、というイメージで新しいエネルギーを開発してみてはどうだろう?」キャプテン・ミルクは飛躍する男だ。新たなビジョンを持つ事の大切さを常に心に留めているのだ。
「キャプテン・ミルク、それは素晴らしいアイデアです。けれどもファンタジー・ドラゴン号はサスランポンチ巣だからこそ素晴らしい機能を果たせる事が可能なんです」川本さすおもキャプテン・ミルクの素晴らしいアイデアに喜び興奮していた。サスランポンチ巣に変わるエネルギー源の開発だなんて何て魅力的な仕事だろうとさえ思った。やるだけの価値はあるとも思っていた。
「勇気がないんじゃないのか? 川本さすおよ」キャプテン・ミルクはズバリ核心を着いてきた。
「えっ!?」
「新しい事にチャレンジする勇気を失くしちゃっているんじゃないのかい?」
「キャ、キャプテン・ミルク!?」
「まあ、まだ時間はあるポジティブに考えてみてくれよ」
「キャプテン・ミルク、分かりました。しばらく考えてみます」と川本さすおは言って頭を下げると自室に戻って行った。
「キャプテン・ミルク、ちょっと様子見てくるわ。僕も力になりたい」と異才の曲り角ペペはレッド明凜と共に川本さすおの部屋に向かった。天才・川本さすおと異才・曲り角ペペ。この二人が組めば何かが起こるだろう。
「Sugar桜子ちゃん、ファンタジー・ドラゴン号の改造計画を今から直ぐに進めてくれ。サスランポンチ巣が無い緊急事態だから新たなエネルギー源を作り出そうというコンセプトでよろしく頼む」
「キャプテン・ミルク、了解しました。私、以前からサスランポンチ巣よりもエネルギーが集約される『ポンチ・グランプリ・エネルギー光線』というエネルギー源を密かに研究をしています。『ポンチ・グランプリ・エネルギー光線』だとリーズナブルです」Sugar桜子ちゃんは涙声で言うとハンカチーフで目を拭いた。
「よ~し、でかしたぞ! 『ポンチ・グランプリ・エネルギー光線』の研究を許可する。どれくらいで出来そうなんだ?」
「キャプテン・ミルク、こんな事もあろうかと思って既に出来てます」
「えっ!? あ、本当? じゃあ早速、ファンタジードラゴン号に『ポンチ・グランプリ・エネルギー光線』を注入してみてくれ」
「出来ません」
「何でさ?」
「キャプテン・ミルク、私の頭の中で完成しているという意味なんです。作るとなれば、早くても1週間ないと出来ません」とSugar桜子ちゃんは泣きながら言うとハンカチーフで鼻くそを取った。
「分かった。時間は掛かっても良いから、今から『ポンチ・グランプリ・エネルギー光線』を作れ」
「はい、キャプテン・ミルク!」とSugar桜子ちゃんは泣きながら言うと自室に向かった。
キャプテン・ミルクは思った。
『サスランポンチ巣に代わるエネルギー源にしないと先が思いやられる。どうにかしないとヤバイだけだ』
「うん?」キャプテン・ミルクは携帯黒電話を見た。
「はい?」
「メロンクリームソーダ?」とキャプテン・ミルクの母親から再び電話が来た。
「皆の衆、俺は一旦、部屋に戻るが、そのまま目的地に行ける範囲までファンタジー・ドラゴン号を進めろ」
「ウィース」と月山コリーは妙な挨拶をした。
「うん」とトムはタメ口で返事した。
「はいよ~」と青空ウイングス子は軽めに返事した。
「はーい、わかりやした」と工藤・サンセット・まなみは手を上げて明るく言った。
「いいよーう」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはお菓子を食べながら言った。
「承りました」とピンク・雪あかり温泉・夢子は女将らしく美しい返事をした。
キャプテン・ミルクは急いで部屋に戻って鍵を閉めた。
「何よ?」
「メロンクリームソーダ、あんた、今さっき、テレビラリン・チュララララリンに出てジャム将軍と話していたでしょう? あんた何やってんのよ! 危ないから関わるんでないよ!」
「もうとっくの昔から関わっちゃってる」
「メロンクリームソーダ、何かあったら大変だから家に戻ってきな」
「無理だって。今からジャム将軍を木っ端微塵にしてくるから」
「あんた何やってんのよ!! 危ないでしょ!」
「危ないも何もないから」
「良いから戻ってきな」
「無理だって言ってんべ!」
「無理でも戻ってきなさい!」
「それよりさ、前から言っている大事な話って何よ!」
「メロンクリームソーダよ、携帯黒電話じゃ無理」
「お互い様じゃないかよ!」
「そうだね。ウフフフ」
「あっ、お母さん、サスランポンチ巣が無くて危機なんだわ」
「残りはいくらあんのよ?」
「70サスランポンチ巣」
「それじゃ何処にも行けないじゃん」
「うん。あっ、そうだ! 姉ちゃんにサンスランポンチ巣を買って持ってきてと頼んでくんない? 1000サスランポンチ巣あれば足りるから」
「お母さんが持って行こうか?」
「それでも良いよ」
「あっ、ごめん。午後から予定あるんだわ。分かった、あんたのお姉ちゃんに頼んでみるよ。メロンクリームソーダよ、今、何処にいるのよ?」
「混浴温泉惑星の近くで停船中ですよ」
「じゃあ、そこで待ってな」とキャプテン・ミルクの母親は黒電話を切った。
黒電話を切った直後だった。
ドガガガガガガーン
という大きな音がしてファンタジー・ドラゴン号は激しく揺れた。
キャプテン・ミルクは立っていられなくてソファーに座り込んだ。
☆続いちゃうのよ☆
ありがとうございました(照)
(///ω///)♪