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宇宙最強ファンタジー・ドラゴン号

　「よし！　皆の衆、行くぞ！　ファンタジー・ドラゴン号、出発進行！！」キャプテン・ミルクはヤル気満々だった。恐れ知らずのミラクル・ボーイ。

　今までキャプテン・ミルクは宇宙の平和を守るために日夜奮闘して頑張ってエンジョイしてきたのだい。睡眠だって１日２時間という噂だしさ。もっと短いショートスリーパーでもあるという噂みたいだしさ。

キャプテン・ミルクが悪を倒す為の基本的なモットーは「鉄は早いうちに打ちなさいよ～ん」だ。言葉に救いを求めてきたキャプテン・ミルクは、「一家団欒」、「一致団結」、「一日一善」、「焼肉定食」、「温故知新」、「森羅万象」、「公明正大」、「百花繚乱」、「夢を追いかけつつ、いつ死んでもいいように生きろ」の教えを忠実に守ろうとする偉い子ちゃんなのだ。そう、それが我らのヒーロー、キャプテン・ミルクなのだい。

　あのさぁ、これが真実の１つだけどもさぁ、ジャム将軍を見ても分かると思うけど悪い奴は直らん。絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に直らん。悪い奴がのさばる大宇宙にしちゃダメなんだよ。めっ！　絶対にダメだい。ほらっ、よくいるでしょう？　どっかのバカな隊長が金に物を言わせて若い女を囲ったり愛人にしたり意味不明なパーティーをしたりね。バカな隊長っていつか必ず破滅する。本当にさ、不思議でならないんだけどもさ、なぜ人は金持ちになると人格も様子も変になって、おかしくなる奴が多くなるのはなぜなんだろうかね？　むくんだ顔にラバー感丸出しみたいな厚みのある肌の張り具合いになるのも本当に不思議なんだよな。

　悪を倒すには、何事も早め早め、小まめ小まめの水分補給と同じようにしなくちゃならないのだい。先を読んでの判断力なんだい。熱中症、熱帯夜、夏バテしないように気を付けて過ごすには先手必勝なんだよね。何事も早めの決断、迅速な判断、これが良い結果を生むのだい。

　目移りせずにジャム将軍こと鼻くそ大統領を遂にとらえたキャプテン・ミルクを褒めてやってくださいな。偉い子ちゃんだお、と褒めてやってくださいませ。皆様、宜しくお願い致します。キャプテン・ミルクを褒めて褒めて褒めまくってください。キャプテン・ミルクは煽てても木に登りませんから。安心して褒め称えて頂けたら幸いです。

　「ここでブレーキングニュースだお。マラカス貴子でぇす。ここから期間限定のキャプテン・ミルク応援ソングを紹介します！　この夏のイチオシの魅惑的でアバンチュールなロマンティックSUMMER SONGです。一般宇宙船で行くワンダラーズ惑星旅行のテーマソングにも選ばれています。マラカス貴子でした」

『貴方への恋は覚めないままなの』

作詞　蒼井真ノ介

作曲　蒼井真ノ介

歌　愛星・サマー・えりか

彼ったらね

「イカれた夏だからさ、こちらだって負けずに海パン履いて水中メガネを掛けて海帽子を被って会社に出社したいんだ。あははは！」と言い出したの

なかなか

キテレツな発想だわ

なかなか

面白い発言だわ

「海パン履いてお外を出歩きたいだけなのさ。アホみたいに暑いからね。もう暑くてたまんな～い」と彼は付け足したわ

いやん

ワイルドでエキゾチックな彼だわ

彼は頻繁に乾布摩擦はしてたけど

ここまで唯我独尊だとタフだと思うわ

「アイスクリームやソフトクリームが食べたいよう」と私がだだっ子みたいにしたらね

「わかったよん！　今から買ってくるよん！　お留守番を頼むぜよん！」って彼にお留守番任されちゃったぁっ

私ったら彼の優しさに惚れ直したので「行ってきなさいよ～！　海パン一丁で出社してもいいよ～！」って背中をトンと押してあげたの

「海パン一丁なら爽やかに過ごせます。ありがとう」と彼は言って海パン一丁で出社したの

彼は「仕事が終わったら、海までドライブしよう」って、誘うから、誘うから、誘うから、海までドライブしたよ～う

彼は海パン一丁で海に向かって「ヤッホー！」と叫んで耳を澄まして待ったけど声は戻って来ず

「ヤッホー！　ヤッホー！　ヤッホー！」ってね、彼は何回も海に向かって叫んだけど声は戻って来ずでちた

どんな姿でもカッコいい彼

どんな姿でも愛してるう

貴方への恋は覚めないままなのよ～

貴方への愛は覚めないままなのよ～　

　月山コリーは焦っていた。

『いつになったら、僕はキャプテン・ミルクに頼られる男になれるのかなぁ～。確かに僕が今よりも若い頃は「危険な男」、「ヤバイ奴」、「デンジャラス・ボーイ」、「不吉な男」、「頭がイカれた男」と言われていたさ。でも昔のことさ。今はキャプテン・ミルクの力になりたいだけなのに。手を上げたら直ぐ様却下されちゃってるんだよな。何でだよ、キャプテン・ミルク！？　何で何で僕に任せてくれないんだよ。ただキャプテン・ミルクの力になりたいだけなのにさ。うわーんうわーん』と月山コリーは泣きながらコックピットに座っていた。

　キャプテン・ミルクの右腕と呼ばれて恐れられている危険な男、月山コリー。一度キレると何を仕出かすか分からない怖さがあるためにキャプテン・ミルクも躊躇っているらしい。

「再びマラカス貴子でぇす。月山コリーの応援ラップ・ミュージック・ソングです。数ある流行り廃りの音楽がありますが、このラップ・ミュージック・ソングは確実に廃りの部類に入る音楽だと思いまっす。マラカス貴子でした」

『危険な男と呼ばないで』

作詞　蒼井真ノ介

作曲　蒼井真ノ介

歌　愛星・サマー・えりかちゃん

もうやめてくれよ　

確かに若い頃イカれていた

めっちゃ悪いこともした

近所に住む竜巻効果さんの家に毎朝３年間もピンポンダッシュをしたり

近所に住む竜巻効果さんの家に勝手に３年間も屋根裏で住んでみたり

近所に住む竜巻効果さんの家に３年間も犬のウンコを投げつけたり

近所に住む竜巻効果さんの家の前に売家の看板置いたり

近所に住む竜巻効果さんの家に毎晩出前を頼んだりしたよ

僕がしてきたことは良くないよ良くない良くない良くないよ

見ず知らずの人にカンチョーをしたこともあるさ

見ず知らずの人にデコピンだってしたさ

見ず知らずの人の鼻の穴に人差し指を入れた事だってあるよ

僕は僕でありたくて僕は僕でありたかっただけさ

許してください

ごめんなさい

竜巻効果さん　ごめんなさい

見ず知らずの人たち　ごめんなさい

　トムは危機的状況にあった自分をキャプテン・ミルクと胸山豆子が助けてくれた事に深く感謝していた。

「ありがとう、キャプテン・ミルク。ありがとう、胸山豆子。２度と僕は油断しないぞ！　これからは油断しない！　絶対に油断しないから！　おちょぼ口になってもトムはトムです」とトムはぶつぶつとおちょぼ口で小さく呟きながら言った。

「マラカス貴子です。トムはおちょぼ口になっちゃってるからネガティブだと思われるかもしれないけど、トムはポジティブです。おちょぼ口だからってナメた態度でトムに接するとギャフンと言われるよお。トムは２度と油断しない油断しないって思っているから温かく見守ってね！　トムが歌う『おちょぼ口で愛したい』という書き下ろしの曲を紹介します。マラカス貴子でした」

『おちょぼ口で愛したい』

作詞　蒼井真ノ介

作曲　蒼井真ノ介

歌　愛星・サマー・えりか

おちょぼ口の口づけ

おちょぼ口のキッス

おちょぼ口で囁く

おちょぼ口で叫ぶ

おちょぼ口だって愛

新しい口づけおちょぼ口で

好きなんだわ

好きなんだや

好きなんだよ

好きなんだぜ

好きなんだでよ

好きなんだわーん

おちょぼ口が好き

おちょぼ口の形が好き

おちょぼ口で密告

おちょぼ口で告白

おちょぼ口が好きだ！

ビバ　おちょぼ口のキス

おちょぼ口　

ほら　おちょぼ口

あら　おちょぼ口

どっこいさ　おちょぼ口～　

ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子はワクワクドキドキしてコックピットに座っていた。

『なぜだか知らんけどもね、私はファンタジー・ドラゴン号に乗ってる。青空ウイングス子さんに「あんたもキャプテン・ミルクと冒険しようよ。女将の仕事は続けて良いから仲間になってよ」ってスカウトされちゃった。高校生の頃に道端を歩いていたらモデルにスカウトされたことがある。他に着物のモデルになってくれだとか、腹巻きのモデルになってくれだとか、新型宇宙船のキャンペーンガールになってくれと言われた事もある。スカウトだらけの人生だわねぇ。なんで私はスカウトされるのかな？　スカウトのお陰様で人生は豊かになったわ。ありがとうスカウトマンさんたち。わたしキャプテン・ミルクと冒険したい。日常的生活から飛び出したい。水を操る魔法使いは、ここら辺じゃ私だけみたいなもんだし。キャプテン・ミルクと冒険しまーす。女将とキャプテン・ミルクの仲間の二足のわらじで生きていきまーす』とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子はエンジョイしながら特製コックピットに座ってニヤけていた。

「マラカス貴子です。ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子をイメージした書き下ろしロックナンバー、『水をくれ　今すぐ水をくれ』をお届けします。彼女なら二足のわらじは上手くいくと思うわ。だって凄くがんばり屋さんですもの。ポジティブな女の子だから上手くいくはずです。マラカス貴子でした」

『水をくれ　今すぐ水をくれ』

作詞　蒼井真ノ介

作曲　蒼井真ノ介

歌　愛星・サマー・えりか

暑いわ　水をくれ

暑いんだよ　水をくれ

こんなに暑いとカラカラさ

太陽が燃え尽きる前に

踊っちゃおうよ

熱風を浴びて踊っちゃおう

すき焼きなんかいらない

焼き肉なんかいらないよ

こんなクソ暑いと苛つくわ

手当たり次第に八つ当たり

暑い中　お疲れ様です

いつも感謝しています

水をくれ　今すぐ水をくれ

意識が微妙に遠ざかる

あの人が三人に見える

水をくれ　今すぐ水をくれ

熱帯夜に熱中症はいやん

コックピットに座る椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは、携帯黒電話で密かに愛星・サマー・えりかの動画を見てニヤニヤしていた。

『グフフ。LOVE、愛星・サマー・えりかちゃん。グフフ。可愛い可愛い。えりかちゃんが１番きゃわゆい。グフフ。私は既にキャプテン・ミルクの仲間です。嬉ちー。グフフ。えりかちゃん、可愛い～っ。すぐ傍にいるなんて、私とキャプテン・ミルクとブルーバードAYAちゃんの３人しか知らないでやんの。ブフフフフッ。嬉ちー。あそこの旅館にいるなんて、皆、知らないでやんの。ブフフフッ。嬉ちー』と独りで興奮しながらコックピットに座っていた。さすが愛星・サマー・えりかちゃんのファンクラブ会員No.１の女だ。

「マラカス貴子でぇす。ユズキちゃんはすっかり最年少の乗組員です。これからもマイペースなユズキちゃんを応援してね。愛星・サマー・えりかちゃんと仲良しになっているなんて素敵すぎます！　ユズキちゃんのために作られたポップ・ミュージックを本邦初公開します！　ではでは、マラカス貴子でしたっ！」

　『１４歳の乙女』

作詞　蒼井真ノ介

作曲　蒼井真ノ介

歌　愛星・サマー・えりか

可愛いから好きだ！

好きだから好きだ！

好きなものは好き！

好き好き好き好き！

私は１４歳の女の子よ

恋におちまくる１４歳

思春期前の１４歳

反抗期前の１４歳

年頃の乙女よ１４歳

ティーンエイジャー

輝き放つティーンエイジャー

１番美しいティーンエイジャー

戻れるなら戻りたいティーンエイジャー

私は１４歳

私は夢見る女の子

私は１４歳

私は夢見る女の子

毎日　恋に憧れて

毎日　恋に夢中なの

ティーンエイジャー

そう　ビバ　１４歳の乙女

輝き放つティーンエイジャー

１番美しいティーンエイジャー

戻れるなら戻りたいティーンエイジャー

「キャプテン・ミルク！！　大変です！！」トムが叫んだ！

「どうした、トム！？」キャプテン・ミルクは立ち上がりトムの顔を探したが最初は見つけにくかった。トムは以前と人相が変わり、おちょぼ口だからだ。『おちょぼ口のトムに慣れなきゃな』とキャプテン・ミルクは思いながらトムのおちょぼ口を見ていた。

「キャプテン・ミルク、サスランポンチ巣がサスランポンチ巣が！！」トムはおちょぼ口からヨダレが垂れた。

「サスランポンチ巣がなんだい？」

「あと、な、な、な、な、な、な、な、７０しかないです」

「な、な、な、なに！？」

　　☆続いちゃう☆

サスランポンチ巣が足らない！！

こりゃヤバいです！！

最低限１０００サスランポンチ巣がないと！！

どうしたら、どうしたら良いのかなぁ✨