緊急速報が入っちゃってる
「トム、1つだけ言っておくぞ」キャプテン・ミルクは腕を組んで目を閉じた。眉間のシワがあまりにも深すぎる。彫刻刀で掘ったみたいに深い溝のシワなのでありました。
「キャプテン・ミルク、何ですか? へっ、へっ、ガックション! ガックション!」トムは不安げに聞いた後にクシャミをした。
「トム、よく聞け。後で豆子にも伝えろよ。トムよ、カタキンはな、狙ってするものじゃないんだよ! 無意識で自然にカタキンになった時こそが尊いものなんだ。狙い済ましたズルのカタキンもダメだ。カタキンは自然に無意識に素直にチョロンと現れるのがカタキンなんだい。気取って見せつけるようにカタキンをしたら、わざとらしさが出てな、逆に嫌悪感を抱かれるんだい。カタキンはな、全然意味がないんだよ。カタキンはな、最初から全く意味がないんだ。それでも……、悲しいかな、宇宙に生きる全男子はカタキンを1度は経験しているんだ。『汚れなき無垢で純粋な子供が無意識にカタキンをするのは小さな一歩で許される話だが、大人になって意識的にカタキンをするのは愚かな一歩だ。直ぐに逮捕する案件になっちゃってる。単なる露出狂なんで、見つけ次第、すぐ確保!』と誰かが言っていたような、いないような。まっ、とにかくだ、カタキンは自然現象で発生するからこそ許されるものだと認識して謙虚に考えるべしだい! 間違っても意識的にカタキンしたらなぁ、すぐ破門だからな!!」とキャプテン・ミルクは机を叩いて大宇宙社会に生きるマナーを熱弁した。
「なるほど。カタキンは『自然に出ちゃったよお』という事なんですね? 狙ってするものじゃなくて」トムは学んだ。初めて道徳観を持った瞬間でもあったのだ。先ほど、豆子に『誰もいない場所でカタキンするなら大丈夫』とは伝えたが、言葉に力が足りなかったように思うのだった。キャプテン・ミルクの説得力で全てが納得したトムだった。
「そういうことだ! 狙ってしたら犯罪だい!」とキャプテン・ミルクは満足して言ってしまいました。
「よし、Sugar桜子ちゃんに再びテレぱしる。さっきは繋がらなかったからね。もしもし、Sugar桜子ちゃんかい?」とキャプテン・ミルクはテレパシーでSugar桜子ちゃんに話し掛けた。
「はい、キャプテン・ミルク。お疲れ様です。ぐすん」とSugar桜子ちゃん涙声で話した。
「Sugar桜子ちゃん、胸山豆子を救出してくれ」
「えっ!? どういうこと? キャプテン・ミルク、豆子、どうしたの?」
「白ピーマン基地という場所でトムが監禁拉致されていたんだが、豆子がトムの救出作戦に成功した後、行方が分からなくなったみたいなんだ」
「まあ、大変。ぐすん」
「おい、Sugar桜子ちゃん、どうしたの? 泣いているの?」
「いえ、泣いてませんから大丈夫です。ちょっと色々あって。大丈夫です。ぐすんぐすん」
「Sugar桜子ちゃん、とりあえず、直ぐにこちらに来てくれ」
「はい。キャプテン・ミルク。分かりました」
☆続いちゃうよお☆
☆☆☆☆☆☆☆緊急速報☆☆☆☆☆☆☆
「皆様、こんちわ! 久しぶり~! 愛星・サマー・えりかでぇす✨今、この小説を読んでいるファンの皆様だけしか私の居場所は知らない。皆様、しーっ、だよお。私の居場所は、しーっ、だよお。最近、私の携帯黒電話に非通知の黒電話が頻繁に掛かって来ちゃってね、私、こあい。とってもとってもこあい。1人でいるのもね、こあい。真夜中に掛かってくるの。どうしよう? こあいよー。私のファンの皆様、お願い。私を守ってね✨必ず、復帰するから待っててね!✨愛星・サマー・えりかでしたーぁ! 皆様、大好きだお!」




