赤いレザースーツの女
おはようさん。
キャプテン・ミルクは全身が埋まるほどの真っ赤なレザースーツを着た女の側に近付いた。
「やあ、こんにちは。赤いレザースーツは珍しい。大変ですね。暑い日に着てこそ、オシャレさんの真骨頂が発揮されますね」とキャプテン・ミルクはスタイル抜群の女性に言った。
「あたし、あなたを待ってぇたの~ぅ」赤いレザースーツの女は無表情で言った。
「はいっ?」
「あたし、あなたを待ってぇたの~ぅ」赤いレザースーツの女は髪を掻き上げながら、たわわな胸元が見える所までチャックを下げた。
「はっ!?」
「あたし、あなたを待ってぇたの~ぅ」赤いレザースーツの女はウインクをしながら言った。
「あのう、初対面ですよね? 勘違いされてると思います」キャプテン・ミルクは2、3歩後ろに下がった。
「あたし、あなたを待ってぇたの~ぅ」赤いレザースーツの女は歩み寄りながら言った。
「あっ、そうだ。そろそろ行かなくちゃ。失礼しますね」キャプテン・ミルクは一礼してその場を後にしようとした。
「待ってよん、待ってよん、貴方に大事な話があるんだわ。私と貴方は仲良しこよし」赤いレザースーツの女はキャプテン・ミルクの手を握り強引に握手してきた。
「初対面でしょ? 無邪気に来られても困るんです。俺は初対面の人には人見知りなんです」
「私は初対面の人に対しては常に全身像から人物像におきまして、幅広くインプット計測を実施しています」と赤いレザースーツの女は分かりにくい言い方をした。
「話が見えない。失礼しますよ」キャプテン・ミルクは手を振りほどこうした。
「待ってよん、待ってよん、貴方に大事な話があるんだわ、私と貴方は仲良しこよし」
「それはさっきも聞きました」キャプテン・ミルクはなかなか離そうとしない女の握力に戸惑っていた。
「あなたはキャプテン・ミルクですよね。私はペペからの使者です」と赤いレザースーツの女は低い声で言ってキャプテン・ミルクを草むらの中に引っ張っていった。
「ペペ!? 曲角ペペの事か?」
「そう、曲角ペペからの使者です」赤いレザースーツの女はウインクをした。
「何でペペが!? あなたはペペとどんな関係なんですか?」
「普段からペペとは思いの外仲良しこよしです」
「いやいや、そういう事ではなくて。あなたとペペとの繋がりについて詳しく教えて欲しい」
「ペペはペペらしく、私は私らしく」
「はぐらかさないでください。本当にペペの知り合いですか? 何でペペは俺がラルルラボン惑星にいることを知っているんですか? あなたの名前は?」
「私の事を根掘り葉掘り聞きたがるのは私に好意を持っているからかしら? それとも、恋におちたの?」
「いやいや、あなた、何を言ってるの?」
「ペペはあなたの傍に、近くにいます」
「何処にいるの?」
「会いたい時には会えなくて、会いたくない時には会えちゃって。複雑なヒューマン社会。ペペはペペのペペによるペペのためのペペであり、ペペの思いを尊重してから私の事を尊重してみてね」と赤いレザースーツの女は自分の名を名乗らずに深呼吸をすると、ナゼかスクワットを50回始めた。
女は四つん這いになって腕立て伏せを300回を2セットすると「筋肉が喜んでます」と言って仰向けになってキャプテン・ミルクに会釈すると腹筋を始めた。
キャプテン・ミルクは訳が分からないまま黙って見ていた。
オープニングテーマソング
『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
宇宙に行こうよ
宇宙の果てにはさ
光の壁があるって話よ
ツルッと光よりも輝く
あんちくしょうに夢中よ
あたい月よりアイツ好きさ
あたい星よりアイツ好きさ
あたいナウい船長と
ナウい宇宙船の持ち主の
あんちくしょうがさ
とぅきでぇ~す(好きで~す)
痒い背中に孫の手が欲しい
痛いお尻に座薬と塗り薬よ
朝から晩まで歌っている鳥
お願いシャラップだい!
好きなあいつに付きまとい
好きなあいつに睨まれて
好きなあいつにドキドキ
ラブレターをあげちゃった
偶然のフリして
無理矢理鉢合わせたのさ
恥ずかしいけどもさぁ
あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆
「はい、終わったのでペペの居場所まで案内致します」赤いレザースーツの女は汗だくになっていた。暑苦しそうに呼吸を乱していたが暑くない顔を必死に作っていた。
「案内してください。あのう、あなたの名前は?」キャプテン・ミルクは、なかなか動けないで座っている赤いレザースーツの女に言った。
「私の名前? フフフッ、どうして知りたいのよ? 次は私の連絡先を聞くんじゃないでしょうね? フフフッ。私に恋しちゃったんじゃないの?」
「いやいや、誤解です」
「私は夢子。独身です」
「夢子さん、それじゃペペの居場所ま……」
「ウソ。フフフッ」
「えっ!?」
「本当は、茜色アカネです」
「はあ。じゃ、じゃあ、アカネさん、ペペの居場所ま……」
「これもウソ。フフフッ」
「はあっ!?」
「本当はレッド明凜よ。明凜と呼んでね。この名前が私の名前。これ以上は秘密」
「なんで、俺をからかうの?」
「別にからかってませんよ」
「からかったじゃない」
「全然からかってません」
「じゃあ、何なの? 明凜さん、俺は忍耐強いから怒らない方だけどもね、場合によっては怒って握りっ屁するタイプではあるんだよ」
「キャプテン・ミルクさん、私はね、秘密主義のクールな女になりたいの。秘密主義のまま誰かと出逢って、秘密主義のまま恋して結婚して、秘密主義のまま子供を生んで、秘密主義のまま老後を迎えるのが私の夢なのよ」
「了解。反発も意見も述べません。曲角ペペの居場所までお願いします」(説明しよう。キャプテン・ミルクは忍耐強い、非常に忍耐強い男なのだ。そうでなければキャプテンになれないし、キャプテンとしての素質も問われかねないし、ファンタジードラゴン号も任せられないのだ。キャプテンとは全てを受け止めて相手を理解する立場にならないといかんのだ。相手が矛盾していても遮る事なく受け止める立場、それがキャプテン、それこそがキャプテン・ミルクの男らしく逞しい姿なのだよう。おい、秘密主義を気取るそこの姉ちゃんことレッド明凜よ、キャプテン・ミルクをナメるなよ。キャプテン・ミルクをナメるでねぇよ。レッド明凜よ、キャプテン・ミルクをナメたらダメ。甘くみるのもダメだ。気まぐれにたぶらかすのが何らかの自己主張だとしてもだ、君は曲角ペペの使者であることを忘れないように)
キャプテン・ミルクはレッド明凜に連れられて草むらの中をどんどん進んでいった。
☆続いちゃう☆
エンディングテーマソング
『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
気持ちを抑えて
貴方を見つめると
涙が溢れてたまらんわ
好きな気持ちを隠して
辛くてもう嫌になるわ
お月さん
お月さん
応答願います
お星さま
お星さま
寂しくて参っちゃってさ
ねぇねぇ
私の話を聞いてくれる?
お願いします
やけ食いしたら負けよ
夜食を我慢して
ダイエットしようかな?
ダイエットしてさぁ
絶対に綺麗になるからね
綺麗になってウホホホホ
負けてたまるかやったるで
甘いお菓子なんかにさ
こっちからバイバイキーン
本当にバイバイキーン
バイバイキーンのバイバイキーン
好きな人を想いたいの
毎日抱きしめていたいの
貴方の笑顔を守りたいの
私は貴方が好きなのよ
ねぇ本気になってよ
こんにくしょう
私に振り向け振り向け
こんにくしょう
夜更かしばかりして
本当に困っちゃう~
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
それがあたいよ
あたいの姿なのよ
好きでぇ~す
エヘヘヘヘ
好きでぇ~す
ウフフフフ
好きでぇ~す
"LOVe"
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~
☆速報☆
赤星・サマー・えりかちゃんの初のトークショー『えりかの夢』が2週間後の金曜日に開催されます。観客数10人までの小規模スタイルのアットホームなトークショーになります。赤星・サマー・えりかちゃんのファンは現在986万人も居ますので募集は大変混雑が予想されます。今回、ハガキによる先着10名様という形を取らせて頂きたいと思います。ハガキの締め切りは残念ながら明後日までです。当日消印有効です。宜しくお願い致します。
今回、赤星・サマー・えりかちゃんは写真撮影のためコメントはありません。
ありがとうございます!