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心と体を裸にしちゃいたいのが本音さ!

  挿絵(By みてみん)

 

  挿絵(By みてみん)

 

 

 

 

 豆子は自らの足で階段を下りずに空中浮遊をして地下に降り立った。

 

 「豆子! 早く助けてくれ!」と目隠しされたトムが叫んだ。

 

 「トム、大丈夫?」豆子はトムの目隠しを外し、手錠を外し、体に巻き付けられたロープを外し、足に付けられた鎖を外した。

 

 「あらら、凄く顔が腫れ上がっていますね。それに視点が合わないのが気に掛かる」豆子はトムの定まらない視線に一抹の不安を感じていた。トムの額の発汗作用が著しく激しい。呼吸も荒い。唇が紫っぽくなっているし、目の充血と体の震えもあった。何らかの薬剤を投与された様だと確信した豆子はトムの両耳に手を当てて目を強く閉じると「マタダイ・マタ・アンチクショウメガ・ハミデタッポイ・カタキン・タンパンカラノ・カタキン・カテキンナラマダワカル・カタキンハダサイ・オシゲナクテ・ナサケナクテ・キマ・ヅ・イ・キマ・ヅ・イ・オシゲナクモカタキン!!」と魔法の呪文を唱えた!

 

 トムはケロッとして立ち上がると笑顔を浮かべた。

 

 「やったわい! 治ったなぁ! 歯は無いけど、すっかり治ったなぁ! やったね! ありがとう、豆子! 快調です! ありがとう、豆子!」と言って涙ながらに深く敬礼をした。

 

 「トム、敬礼をどうもであります! 恐縮であります!」と豆子は言って背筋を伸ばして顎を上げるとトムに敬礼を返した。

 

 「豆子、今回、本邦初公開の魔法を御披露目したけども、何て言う魔法なの?」

 

 「『オシゲナクモカタチキン』です! 自信を持って行動に移した魔法なのだ!」と豆子は自信満々で胸を張って言った。

 

 「ふーん、なるほどね。まさか豆子が癒し系、医療系の魔法を使えるなんて本当に驚いたよ。凄くシビアで退廃的なネーミングだよねぇ」とトムは感心して言った。マジでまさかまさかの胸山豆子。あるいは山胸豆子。凄いぞ豆子、豆子、あんたは偉いぞ!

 

 「どうもありがとうございます。オシゲナクモカタキンは毒素を取り出す極めて強力な魔法なんですよ。密かに練習をしていた魔法なんです。結果が出せて本当に良かったです。カタキン界の権威、あっちきゅんが発明した魔法なんです」豆子は何度もトムに頭を下げて嬉しそうに言った。

 

 「あっちきゅん?!」

 

 「赤玉あっちろう・モンテス。通称、あっちきゅんです」

 

 「あー、はいはい! 思い出したわ。聞いたことある。季節を問わずにカタキンを強く推進しているカタキン界のスーパースターで大御所の、赤玉あっちろう・モンテスさん。確か、364歳だったよね。まだ300歳代なんだね。若いねぇ~。1年中カタキンについて考え抜いていて、常にカタキンに思い巡らせている魔法使いなんだよね。カタキンは自由の象徴だからね。カタキンほど開放的なものはないよ」とトムは、感心しきりで真顔で言った。

 

 「若いですよね。まだ300歳代なんて、まだまだ若手、若造ですからね。カタキンは女には絶対に出来ないし、分からないので、とても憧れています」と豆子はトムの考えに同意した。

 

 「カタキンは特に小学生時代に多いんだ。カタキンは通気性が優れていて健康に良い優れものだからね。短パンから、はみ出たカタキンが1番理想的なカタキンなんだよ。締め付けによる強い負担が全く掛からないからカタキンは理想的なスタイルなんだ。最近、カタキンはスタイリッシュに広まりつつある今日この頃でもあるんだ。豆子、この事実は覚えておいて損はないよ。もし豆子が次に男子に生まれ変わったら、是非ともカタキンにトライして欲しいと思う」とトムは真面目な顔をして言った。

 

 「なるほど。勉強になります。男子に生まれ変わったら是非カタキンにトライしたいです」と豆子は真剣な顔をして言った。


 「豆子、ただし」


 「えっ!? ただし?」

 

 「豆子、男子に生まれ変わったら、カタキンは厳密には誰もいない場所でして欲しい」

 

 「な、何でですか? 自由を尊重しないのですか?」

 

 「豆子、自由を尊重しているからこそ誰もいない場所でカタキンをすることが大切なんだよ」

 

 「で、でも、外でカタキンをしないと意味が無いんじゃないですか?」

 

 「人目に触れたらカタキンは自由を失うんだ」

 

 「どういうことでしょうか? 私は男子に生まれ変わったら外でカタキンをしたいです。小学生の運動会の練習中とかで、疲れたりして休憩を取ろうとして、しゃがんだ瞬間に短パンからカタキンをハミ出したいんです」

 

 「豆子、わかるよ、よくわかる。分かるんだけどもね、外でカタキンをすると妬まれたり嫉妬されたりするんだ。誰しも心と体を自由に開放したいと願いながら生きるが、大抵の人は叶わぬままにLIFEを終えてくたばるのがほとんどなんだよ。誰かが先陣をきって外でカタキンをすると強い妬みに襲われるのは間違いないんだ。だからこそ、外でのカタキンは危険でもあるんだよ」

 

 「なるほど。勉強になります」


 「豆子、この話は、ここまでにしておこう。さて、豆子、直ぐにでも脱出しよう!」とトムが言うと豆子は血相を変えてトムの口許を押さえながらしゃがめと目配をせした。

 

 「トム、大変です! 誰かが来ます! 階段を下りてくる足音がしています!!」と豆子は体を強ばらせて緊張感を持った声で話した。

 

 

 

 

   ☆続いちゃうん☆

  

  

   挿絵(By みてみん)

  

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