母の日
母親からの電話を終えたキャプテン・ミルクは部屋を出ようとしたら、またまたまたまたまた、携帯黒電話が鳴り響きました。
キャプテン・ミルクは、またまたまたまたまた、母親から携帯黒電話だと思いましたので携帯黒電話の電源を切ろうとしましたらですね、掛けてきた相手が表示されましたのでね、仕方なくですね、掛けてきた相手をですね、御確認をしましたところですね、なんと久方ぶりの実姉からだったのでした。
キャプテン・ミルクは迷いました。『姉貴は母親に似て、やかましいから寧ろ無視すべしだべ』とね。
キャプテン・ミルクは息を止めて、じーっと携帯黒電話を見て動かずにいました。
『仕方ねぇ、出るしかないべ』キャプテン・ミルクは男気を出して携帯黒電話を出ました。
「はい」
「メロンクリームソーダ?」
「何?」
「メロンクリームソーダよ、久しぶりぶり、ぶりりり、りーん。やっほーい、姉ちゃんだよお!」
「姉ちゃん、何よ?」
「今ね、お母さんから聞いてさ、『久しぶりに話せたからララバイも話せば?』って言われたのよ」(説明しよう。キャプテン・ミルクの一番上の姉、お姉ちゃんの名前は「アスタキサンチン・ホワイトチョコレート・オレンジアイス・エレキギター・アコギ・コスモス・レインボー・ララバイ・愛のぬくもり・裸婦デッサン・エンジェル・パラダイス・薔薇スミレ美子ちゃん」と言うのだ。初登場です。ヨロピク!)
「忙しいから切るよ」
「メロンクリームソーダよ、ちょっちぃ待ってよ! ちょびっと待ってよ!」
「姉ちゃん、忙しいんだって! 大宇宙が大変なんだわ!」
「どう大変なのよ?」
「今は言えん」
「胃炎?」
「違う! 今は言えない」
「メロンクリームソーダよ、隠すな! 言いなさいよーん!」
「極秘だから言えん!」
「胃炎?」
「違うって!! 切るからね。バイバイキーン!」
「メロンクリームソーダよ、何それ? バイバイキーンって何よ?」
「かつてのナウい別れの挨拶だよ」
「ナウいって何よ? 何処の言葉よ? あんたね、バイバイキーンだとかナウいだとか、いちいち難しい漢字で物事を伝えるなよな!」
「漢字じゃない」
「じゃあ難しい英語で伝えるなよな!」
「英語でもない」
「メロンクリームソーダよ、じゃあ何よ?」
「教えない。めんどい。切るよ」
「待て、弟よ。お母さんから話を聞いたかい?」
「聞いたよ」
「凄い話だべ?」
「何も教えてくれなかったよ」
「ふ~ん。そっか」
「姉ちゃん、代わりに教えてくれよ」
「お母さんから直接聞きなよ」
「めんどい。今、姉ちゃん教えてくれよ」
「お母さんから聞いた方が良いよ。と、お姉ちゃんは思うのだな」
「何かあったのかい?」
「う~ん。あったよ」
「何があったの?」
「う~ん。何かがあったのよ。凄い事がね」
「俺以外、家族全員、知っている話なの?」
「まあ、そうなるね」
「出し惜しみしないで教えてくれよ」
「う~ん。ごめん黒電話にキャッチホン入ったから切るね。メロンクリームソーダよ、バイバイ」
「姉ちゃん、いい歳こいて逃げるのかよ? 仕方ない。俺も凄い話を教えてあげようと思っていたのになぁ」
「えっ!? 何よ?」
「切るわ。姉ちゃん、またな。バイバイ」
「メロンクリームソーダよ、待てよ、どんな話なの?」
「スキャンダルかな。大宇宙を揺るがす話だけども、切るね。姉ちゃん、バイバイ」
「わかったわかった。先にスキャンダルを教えてくれたら、お母さんの話を話すかもしれないとだけ匂わせて、はぐらかしながら言わせてもらう」
「『話すかも?』だって? 気にくわない言い方だね。先にお姉ちゃんが話せばスキャンダルを話してあげるよ」
「ごめん、本当に黒電話にキャッチホンなんだわ。じゃあね」とキャプテン・ミルクの姉貴、アスタキサンチン・ホワイトチョコレート・オレンジアイス・エレキギター・アコギ・コスモス・レインボー・ララバイ・愛のぬくもり・裸婦デッサン・エンジェル・パラダイス・薔薇スミレ美子ちゃんは言って勝手に携帯黒電話を掛けてきて勝手に携帯黒電話を切った。
「一体なんなんだよ、話ってよ」キャプテン・ミルクはソファーに座り直して携帯黒電話を投げた。
携帯黒電話は空中で停止するとキャプテン・ミルクの元にもどっていった。
まただ。また携帯黒電話が鳴り響いた。
「はい」
「メロンクリームソーダ?」
「はい」
「お母さんです」
「何よ?」
「そろそろ年に20回もある母の日じゃない?」
「そうだね」
「お母さん、母の日にさ、混浴温泉惑星に行きたいんだよね~」
「今は無理」
「何でよ!? メロンクリームソーダ? お母さん、混浴温泉惑星に行きたい」
「今の混浴温泉惑星は無理。ダメ」
「何でよって!? メロンクリームソーダよ、あんた混浴温泉惑星に行ったこともないクセに、惑星旅行評論家にでもなったつもりなんじゃないの?」
「違うって。混浴温泉惑星は人気スポットだから混雑していて無理だって」
「ほら、惑星旅行評論家みたいな事言っちゃって! 人気スポットだから混雑しているの当たり前じゃん。多少の混雑なら大丈夫だって!」
「俺は凄く違うニュアンスで言っているんだよ。今は危険だから行けない」
「メロンクリームソーダよ、どう危険なのよ?」
「今は言えん」
「何でよ、何で言えんのよ?」
「今の混浴温泉惑星は危険な状況にあるんだよ!」
「メロンクリームソーダよ、ちょっと、電話代わるから。待ってな。ハイ」
「もしもし? メロンクリームソーダかい?」
「うん」
「爺ちゃんです」
「うん」
「お母さんが混浴温泉惑星に行きたいって言っているんだから行かせなさいよ。うるさいから」
「無理だって!」
「何で無理なのか爺ちゃんだけに言ってごらん?」
「爺ちゃんでも無理。危険だから」
「わかった。まだ、お母さんから、お母さんの大事な話を聞いていないんだろう? そうだろう?」
「うん」
「あのね、実はね、お前のお母さんね、こ……、あたたたたた! 痛い痛い痛い! すみません。ハイ、ハイ。ごめんなさい、ごめんなさい。メロンクリームソーダよ、ちょっとハプニング。携帯黒電話、代わります……」
「なんだ!? どうした爺ちゃん!?」
「達者でな」
「もしもし、メロンクリームソーダ?」
「何? お母さん? 俺は忙しい。切るよ」
キャプテン・ミルクは携帯黒電話を切った。
『ちょっと、携帯黒電話を一方的に切るなよ!!』キャプテン・ミルクの母親から御家族専用化テレパシーが届いた。
『お母さん、マジで忙しい。御家族専用化テレパシーも切らせてもらうよ』キャプテン・ミルクは御家族専用化テレパシーを遮断した。
☆続いちゃう☆
母の日。
世界中のお母さん、
ありがとうね✨




