久しぶりに呼ばれた
月山コリーと川本さすおと曲り角ペペ、山胸豆子&Sugar桜子ちゃんはファンタジードラゴン号での艦内業務をしている最中に、突然やって来たキャプテン・ミルクを見て驚いてしまった。
「キャプテン・ミルク、どうしましたか?」月山コリーはキャプテン・ミルクに駆け寄った。
「緊急事態発生だ。トムがランニング巾着沈坊という糞便野郎に襲われて拉致された。居場所は不明だがトムの『居場所通信サービス・システム・M3・フリー・厳密・局地的・テクニカル・メカニズム』が起動成功したのでファンタジー・ドラゴン号で詳しく調べる」
ざわめきと驚きの声が上がると一気に張りつめた空気へと変わった。
「コリー、『ダイナミックギャメンのララちゃん』を映し出せ。それと『ダイナミック人工ボイス機能』を起動させろ」(説明しよう。「ダイナミックギャメン・ララちゃん」はファンタジードラゴン号の運転席、操縦席の前面に映し出される特大中の特大画面の事だ)
「了解しました! ダイナミックギャメンのララちゃん、ダイナミック人工ボイス、スイッチオ~ン!!」月山コリーは月山コリー専用のコックピットに座って赤色のボタンを押した。
「ようこそ、ララだよ」ダイナミックギャメンからダイナミック人工ボイスが流れた。
「ララちゃん久しぶりだが、緊急事態が発生した。トムが拉致されたので大至急居場所の特定を頼むぞ」とキャプテン・ミルクは言って拳を振り上げた。
「トムの『居場所通信サービス・システム・M3・フリー・厳密・局地的・テクニカル・メカニズム』を検索するよ。『サルグス』という国にいるよ。ここから5000キロ離れた場所に『サルグス』はあるよ。戦艦ムササビジュニア号っぽいのが近くにあるみたいだなぁ~。でもトムはムササビジュニア号にはいないよ。地下のある建物があるなぁ。そこにトムはいるよ」ダイナミックギャメン・ララちゃんはあっさり1秒半でトムを見つけちゃった。
「ララちゃん、相変わらず素晴らしい高度な仕事ぶりだな。ありがとうね」キャプテン・ミルクはダイナミックギャメン・ララちゃんに投げキッスをした。
「私、キャプテン・ミルクのためだったら、なんだってするよ。いつでも良いから声を掛けてね。バイバーイ」ダイナミックギャメン・ララちゃんは、天才、川本さすおが制作したものだ。
「キャプテン・ミルク、トムを助けに行きましょう。ここはお願いいたします! コリーに行かせてください! トムよ、待ってろよ!! 必ずトムを助けるからな!! お前を傷つけた奴を殺してやるからな!! クッソッタレ野郎め!! 覚悟しやがれ!!」と月山コリーは虚空に向かって叫んだ。
月山コリーはキャプテン・ミルクの右腕的存在だ。一段レベルの高い重要な任務は月山コリーに任せてきた。月山コリーは優秀で頭脳明晰、柔軟性のある思考力。一旦、キレると何を仕出かすか分からない恐怖を秘めたヤバすぎる危険極まりない男でもあるのだ。
トムは常に月山コリーを意識していてライバル視をしてきたが、今まで月山コリーは全くトムに対して眼中すら無かったし、相手にもしていなかった。その月山コリーが自らトムを救出したいと志願してきたのだ。
仲間を思う強い気持ち、お互いに宇宙で戦ってきた長い歴史もあるだろう。弱気者を救うために手を差し伸べる勇気。月山コリーの見事な男っぷりは頼もしいものがあった。トムから必要以上にライバル視されたり、嫉妬されていた苦々しい思いもあったはずなのに。月山コリーよ、君は本物の男だ、本物の勇者だぞ。
「キャプテン・ミルク、コリーに任せてくれよ! コリーが必ず直ぐに救出してみせるからさぁ! 頼む、お願いいたします! キャプテン・ミルク!」月山コリーは頭を下げていた。
「ダメだい!」とキャプテン・ミルクは月山コリーに一言だけ怒鳴るように言った。
「はいっ!」と月山コリーは敬礼して、あっさり引き下がってダイナミックギャメン・ララちゃんのメンテナンスをするフリをした。
「山胸豆子、どうだ? 救出にいけるか?」とキャプテン・ミルクは予想だにしない名前を上げた。
「ようござんしょ。よき判断をされたキャプテン・ミルクに感謝します」山胸豆子は一礼するとファンタジードラゴン号から飛び出した。
「豆子なら大丈夫だ」とキャプテン・ミルクは言って飛び去っていく山胸豆子を見送った。
山胸豆子をナメたらダメだ。確かに山胸豆子は真面目すぎるほど真面目だ。真面目すぎるがゆえに誤解されるタイプの真面目すぎる女の子だ。真面目だからこそ冷静に判断出来るのが山胸豆子の良いところでもある。ちなみに山胸豆子のバストは88センチのEカップもある。とても立派な事だと思う。
「よし、川本さすお、ファンタジー・ドラゴン号はいつでも飛べるよな?」キャプテン・ミルクは川本さすおに言った。
「ああ、と言いたいが、あと2時間くれないか? 改造中なんだよね」と川本さすおは言って自信ありげな笑顔を見せた。
「分かった。任せる。2時間以内にトムは救出される見通しだ。ファンタジードラゴン号をジャム将軍がいる『サルグス』に向かわせる」ついにキャプテン・ミルクは動いた。動いてしまった。
「待ってよ待ってよ、キャプテン・ミルク」突然、ダイナミックギャメン・ララちゃんが話し掛けた。
「どうしたララちゃん?」キャプテン・ミルクはダイナミックギャメン・ララちゃんの大きな画面を見上げた。
「『サルグス』にはね、戦艦ムササビジュニア号と、宇宙船、乳サワリスギルカラ号と、宇宙戦闘機カラマッス24の他に宇宙戦闘機が7機もあってね、戦闘態勢をしていますよ。敵機は合計10機になってます」
「なに!?」
「今はよした方が良い感じです」
「俺は昔、広場で1対300人の宇宙人と喧嘩して勝ったことがある。だがな宇宙船ともなれば、そう上手い具合にはいくまいな」とキャプテン・ミルクは言って遠い目で宇宙空間を見つめた。
「キャプテン・ミルク?」
「どうした、曲り角ペペ?」
「心配無用だよ」曲り角ペペはキャプテン・ミルクの肩を叩いた。
「どういうことだ? 曲り角ペペよ?」キャプテン・ミルクは不思議そうに曲り角ペペを見た。
「1時間後に宇宙・モッツァレラ・すっぱい・スパイス・スパイ局の宇宙旗艦『銀紙噛み合わせ号』が助太刀に来るそうだ」曲り角ペペは嬉しそうに言った。
宇宙・モッツァレラ・すっぱい・スパイス・スパイ局の旗艦『銀紙噛み合わせ号』は『スーパー銀紙ビーム』を搭載している攻撃力の高い宇宙爆撃船だ。心強い援軍の知らせにキャプテン・ミルクは頷きながら目頭を押さえた。
「曲り角ペペ、『銀紙噛み合わせ号』の船長、銀紙シラッバックレさんに宜しく伝えてください」キャプテン・ミルクは曲り角ペペと握手した。
「キャプテン・ミルク、分かりました」曲り角ペペは力強く答えた。
バラリロリン
バラリロリン
バラリロリン
キャプテン・ミルクの携帯黒電話が鳴った。
「もしもしキャプテン・ミルクだ」
「メロンクリームソーダかい?」
「えっ?」
「メロンクリームソーダかい?」
キャプテン・ミルクは久しぶりにキャプテン・ミルク以外の名前で呼ばれたので、めちゃめちゃ戸惑ってしまった。
「か、か、母さん?」
「そうだよ」
☆続いちゃう☆
「良い子の皆は絶対に銀紙を噛んだらダメだぞ」
キャプテン・ミルクより
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蒼井真ノ介