ビバ木っ端微塵
「ウイングス子よ、その辺で北海盆踊りとやらはストップだい。なかなか近未来な雰囲気もある伝統的な歌に踊りで御座いました。ウイングス子よ、機会があったら俺にも北海盆踊りとやらを教えてくれよな。とりあえず今は金木トメさんとラベンダー遥ちゃんのケアをヨロシク頼むぞ」とキャプテン・ミルクは優しくて温かい声で青空ウイングス子に指示を出した。
「はい、キャプテン・ミルク」と青空ウイングス子は言って敬礼をすると金木トメさんとラベンダー遥ちゃんの肩を抱き寄せて3階に用意してくれた医務室代わりの座敷に向かった。
「よし、ユズキちゃん」
「へい」
「愛星・サマー・えりかちゃんとブルーバードAYAさんの様子を見に行ってくれ。他の仲間たちにはね、えりかちゃんが宿泊していることは秘密だよ」
「へい、がってんだよ」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言って飛び出さんばかりに非常階段を駆け上がろうとした時だった。
チンチロリンリン
チンチロリンリン
チンチロリンリン
チンチロリンリン
チンチロリンリン
チン
フロントにある黒電話が5回鳴って切れた。
「ユズキちゃん、また黒電話が鳴ったら受け付けに成り済まして出てくれ」とキャプテン・ミルクは言って黒電話を黙って見つめた。
「ふぁい、分かりました」と眠気と格闘中でもある14歳の女の子、椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言ってフロントの中に入っていった。
チンチロリンリン
チン
今度は黒電話のベルが1回鳴って切れた。
「ユズキちゃん、次に鳴ったら直ぐに出てね」
「うん」
チンチロリンリン
チンチロリンリン
チンチロリンリン
ガチャンペリン!!
「はい、お電話ありがとうございます。安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館です」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは14歳にも関わらず丁寧な応対をした。
「……」
「もしもし? こちら安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館ですけどもね!」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはイラついた。
「……」
「おいコラ、無言電話とはナメた真似しやがるじゃんかよ。あっ!」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはキレた。キレたけどね、戻って来た女将のピンク・ゆきあかり@温泉・夢子が『電話を代わってちょ』と書いたメモ用紙を椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキに手渡した。
「もしもし、御客様、お電話を代わりました。わたくし当旅館の女将でありますピンク・ゆきあかり@温泉・夢子と申します」
「あのう……」
「はい?」
「あのう……」
「御客様、御予約でしょうか?」
「いや……あれっ?」
「御客様、御用件は?」
「女将さん、ちょっと聞きたいんだけど……」
「はい、何でしょうか?」
「ここの旅館ってアレですか?」
「アレ? アレって何で御座いましょうか?」
「まだあるんですかね?」
「はい?」
「いやだから、旅館はあるんですかね?」
「ありますよ」
「嘘でしょう?」
「ちょっと御用件の内容が無いように見受けられますが。あんたは何ですか? クレーマーとか何かですか?」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子もキレた。
「いやいや女将さん、旅館って無いですよねぇ?」
「テメェコラ、クレーマーだな! やんのかコラ!」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子はキレて口が悪くなってきちゃったんです。
「旅館は無いはずだ!! 無いはずだ!! 無いはずだー!!」と相手の声が絶叫したので耳から受話器を離して電話口を押さえたピンク・ゆきあかり@温泉・夢子はキャプテン・ミルクに向かって「めちゃめちゃイカれています」と言った。
「よし、俺に代わってよ」とキャプテン・ミルクは言って受話器を取った。
「もしもし? 安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館です」とキャプテン・ミルクは言って相手の出方を待った。
「旅館は消えたろ?」
「はい?」
「だから、旅館は木っ端微塵だよなぁ~?」
キャプテン・ミルクの目付きが変わった。
「御客様、木っ端微塵って何の事ですかね?」
キャプテン・ミルクは受話器にコツコツと指を当てた。
「爆発して木っ端微塵のはずだろう?」
「御客様、爆発してません」
「いやいや爆発してる」
「してません。びんびんに旅館は存在しております」
「今、臭いだろう?」
「御客様、何がですか?」
「ウンコ臭いだろう?」
「御客様、先ほどはウンコ臭かったですが今はびんびんにクリアーな状態で落ち着いています」
「『宿便No.5大ミサイル』というウンコ爆弾3発分が続けて旅館に撃ち込まれるから覚悟しろ!」
「御客様、覚悟はしません」
「しろよ! 30分以内に『宿便No.5大ミサイル』は発射される。今度こそ旅館は木っ端微塵だ!」
「爆弾は壊れましたよ。あんたはランニング巾着沈坊さんですかね?」
「え、えっ!?」
「バイブレータもっちゃんの上官であるランニング巾着沈坊さんですよね?」
「ち、ち、ち、違うよ」
「『宿便No.5大ミサイル』3発分と『鼻空想Markシックス』を5発分と『アンダー・ヘアー・カット・イン・TSUYOSHI』を10発分の高価な兵器をバイブレータもっちゃんに渡したランニング巾着沈坊さんですよね?」
「あひゃー! 何で知ってるの?」
「たまたまバイブレータもっちゃんに会って聞きました。先ほど全ての爆弾が壊れましたよ」
「バイブレータもっちゃんは?」
「バイブレータもっちゃんは全裸で亀甲縛りされてますね」
「何処でさ?」
「アンティーク電話BOX辺りかな?」
「ふ、ふ~ん。ところであんたは誰?」
「安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館に来て頂ければ分かりますよ」
「旅館は本当に健在?」
「びんびんに健在です」
「本当にびんびん?」
「びんびんもびんびん。本当に旅館はびんびんに健在しております。ところでランニング巾着沈坊さん、愚かで馬鹿な独裁者のジャム将軍は何処にいますかね? 会いたいのですがね、取り次いでくれませんかね?」
「なん、なん、なん、なんだと!! 今、何つった!?」
「愚かで馬鹿で裸の王様で頭の弱いズル賢い嘘つきな独裁者のジャム将軍です」
「ボスを悪く言ったらあんたの命は木っ端微塵だよ!!」
「悪く言っていません。事実を言っているだけです。あんたの馬鹿なボスの独裁者に会わせてよ」
「テメェコラ! ボスをナメるなよな!!」
「ナメてません。ジャム将軍は、愚かで馬鹿で、頭がイカれていて、ウソばかりついていて、頭が極端に弱くて、常にイカれていて、バカだから疑り深くて、猜疑心の塊で、ウンコより価値の無い宇宙人で、鼻毛よりも価値の無い命で、ケツ毛混じりのウンコ、ウンコ、ウンコ、ウンコみたいな宇宙人で、早く暗殺されたらいいのになぁ~と誰もが願って止まない宇宙人でもあり、とにかく早く牢屋にブチ込みたい宇宙人でもあり、早く消えてくれ、いや早く木っ端微塵で消えてくれと誰もが祈っている宇宙人でもあるんです」キャプテン・ミルクはスカッと爽やか晴れ晴れルンルンな気持ちになっていた。
「あひゃー! それがナメていると言うんだよ!!」
「ランニング巾着沈坊さん、貴方のボスをナメてはいません。ただ、早くジャム将軍よ消え去れ、頼むから死んでくれと言っているだけの簡単な話なんです。大宇宙を混乱に導く愚か者、大体ね、昔から独裁者って確実に木っ端微塵になる運命なんだからさ、今すぐにジャム将軍が木っ端微塵になって欲しいってだけの温かな話なんです。ビバ木っ端微塵、ジャム将軍よ、あんたは盛大にビバ木っ端微塵。ジャム将軍よ、砕け散れ、ビバ木っ端微塵!」キャプテン・ミルクはスカッと爽やかな晴れ晴れルンルンランランキュンキュラキュンキュンだった。
「あんたは恐れを知らないんだな。ジャム将軍はキチガイだぞ」
「ランニング巾着沈坊さん、自分のボスをキチガイ呼ばわりして大丈夫なんですか? 一応、この会話は防犯のために録音されているんですけども、キチガイ呼ばわりした部分をジャム将軍に聞かせてもいいですかね? ヘタすりゃランニング巾着沈坊さんも木っ端微塵ですけども」
「アハン、アハン、ウッフン、や、止めて。それだけは止めて」
「じゃあ、ジャム将軍に会わせてよ」
「簡単に出来るかよ! おんどりゃナメてるのか! そんな事よりあんたは誰なんだよ?」ランニング巾着沈坊はイラつきまくっていた。
「俺はキャプテン・ミルクだ。逆探知成功したよ。ランニング巾着沈坊よ、そこはルナーアスの洞窟だな? ランニング巾着沈坊の電話番号は4949―4649―9494―4280だな? 「よくよく、よろしく、クヨクヨ、しちゃう」って覚えると便利だな。バカみたいな電話番号だな」ってキャプテン・ミルクは余裕綽々でありますです。
「ガチャン、プーップーップーップーップーッ」ランニング巾着沈坊は急いで電話を切ってしまった。
☆続いちゃう☆
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