青い紙
「トメさん、トメさんの職業についてと、誰がウンコ爆弾をバイブレータもっちゃんに秘密裏に渡したのか? 詳しく教えてほしいんだ」とキャプテン・ミルクは言うと椅子に座り直して足を広げて前屈みになった。
「良いですよ。私が勤めている運送会社は『★青ネコちゃんだお(説明しよう。混浴温泉惑星には青い毛並みの可愛いネコちゃんが割かしいっぱい生息しちゃってる。混浴温泉惑星の天然記念物に指定されていて、凄く凄く可愛くてね、「にゃんにゃこ♪、にゃんにゃこ♪、にゃにゃにゃにゃ、にゃお~ん♪、にゃんにゃん♪」と鳴くのだ)配達組織株式会社★』って言いまして、そこそこ有名な会社なんですよ。『★青ネコちゃんだお 配達組織株式会社★』の敏腕女社長の玉蘭吉タマ子さん(278歳)が作った会社なんです。
ある昼下がり、私は187歳なんですけどもね、働きたくなっちゃってね、本屋でアルバイト雑誌を見ていたらね、『急募っちゃう。私んとこのカンパニー、アルバイト求めてるぅ。働けちゃう年齢はね、下は16歳からでね、上は250歳まで大丈夫なんですよう。良かったらさぁ、私、玉蘭吉タマ子に連絡してよ。待ってから。いつでも待ってからぁ。今のところはね、配達人、電話番を募集しちゃっている。そこんとこ、よろしくだお。待ってからぁ~!』っていう記事を見つけて、直ぐ様、社長にTELしたわけなんです。もちのろん、携帯黒電話で掛けましてね。テレパシーが、昔より出来なくなってしまってね。昔はジャンジャン、テレパシーをしていたんだけども」
「なるほど。年を重ねても意欲を持って働きたいというのは素敵なことです。『★青ネコちゃんだお 配達組織株式会社★』は俺も知っています。トメさん、話を続けてください」
「面接で初めて会った玉蘭吉タマ子社長は、実に若々しい方でねぇ、ポニーテールに白いワンピース姿でした。社長に『名前は?』と聞かれたので『金木トメです。187歳です』と言ったら『よし合格よ。なんだか貴女とは気が合いそう。早速だけど、今から働ける? 1時間の時給は8000ヘンドリモンドリです(説明しよう。ジャパンゴールデンウィークだと8000円と同じだい! 羨ましい! めちゃめちゃ羨ましい!)』と会って2秒で合格しちゃったんですよ。あまりにも早いので『社長、嬉しいですけども、私が合格した決め手は何ですか?』って尋ねたら『目よ。力強い目付きが気に入ったのよ。死んだ目をした連中には無理な話。目は心の窓でありやすよ。貴女の目を見て判断致しました。トメの瞳に乾杯』と社長から嬉しい御言葉を頂きまして。確かに私は人よりもアスタキサンチンを多く摂取してますから目には自信があります。視力両眼とも7・0ですからね。昔は8・5もあったけどもさ」
「えっ!? そんなに見えるんですか!? 俺は5・0しかないです。羨ましいなぁ~」キャプテン・ミルクは自分の目を触りながら言った。
「正直な話、私の祖父は視力が19・5もありましたから。さすがに、こればっかりは有難いことに遺伝でしょうかね。先祖に心から感謝しています。でね、社長から配達人兼電話番を任されまして。兼業ですからね、時給16000ヘンドリモンドリにもなってしまって。これだけヘンドリモンドリを頂けるのだから必死になって働きましたよ。187歳をナメたらダメだぞという気持ちでね。187歳だってやれば何でも可能だってね。187歳、ビバ187歳ってね。お陰様で仕事を始めてから9ヶ月になりました」
「年老いても気力が漲っていますね。CONGRATULATIONです」
「昨日の夜8時過ぎに、『山奥にあるアンティーク電話BOXにいる、バイブレータもっちゃんという男に、ある物を運んでくれないか?』と男から会社に黒電話がありましてねぇ」
「男の名前は?」
「守秘義務がありますが、こんな痛い目にあったから、キャプテン・ミルクに教えます。ランニング巾着沈坊という男です」
「ランニング巾着沈坊……。分かりました。トメさん、続けてください」
「キャプテン・ミルクさん、このランニング巾着沈坊って男がしつこいんですよ。『お姉さんは20歳くらいかな? ずいぶん可愛い声をしているね。この頼みの配達が終わったらさ、僕とアバンチュールしない?』って仕事中にですよ、全く不愉快な事を言ってきたんですよ。『お姉さんじゃないです。困ります』と言ったら、『君は可愛い声をしたお姉さんさ。僕が怖いのかい? まだ若いんだから女の子は恋に怯えたらいけないんだよ』と抜かしてきたのでね『本当に迷惑です』と冷たくあしらったら『とりあえず、僕の連絡先を教えるからメモって。さぁ、いいかい? @54321-12345-54321-12345-ハンサム沈坊-生暖かい-ハンサム沈坊-やる気あり』だよ』で、これがその時に書いたメモなんですよ」と金木トメは言ってキャプテン・ミルクに青い紙を手渡した。
「よし、今から連絡先に掛けましょう。トメさん、申し訳ないけれども、ランニング巾着沈坊を誘惑して旅館の近くに誘き寄せましょう」とキャプテン・ミルクは言って立ち上がるとフロントにある黒電話を引っ張ってきた。
「えっ!? なんか嫌だなぁ」
「トメさん、ここは1つ力を貸してください」
「は、はい、分かりました」
金木トメは緊張しながら黒電話のベルを回していった。電話口の相手の声が周りにも鮮明に聞こえるボタンも押した。
ちなみに旅館の黒電話には、漢字、ひらがな、片仮名、人文字まで押せる優れた機能がある黒電話なのだ。やはりだ、やはり、安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館の美人女将である、ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子さんとジャパンゴールデンウィークとの深い縁、繋がりが伺える話だよな。
『誰だ?』
『★青ネコちゃんだお 配達組織株式会社★です』
『あっ! そ、その声は!? 可愛い声をしたお姉さん!!』
『先ほどバイブレータもっちゃん様に無事に配達を終わらせてきました』
『そうかそうか。お姉さん、バイブレータもっちゃんの様子はどうだった?』
『凄く喜んでいました』
『そうかそうか。じゃあ、お姉さんの仕事が終わったようだし、今から僕とアバンチュールしないか?』
『はい、喜んで』
『えっ!? えっ!? えっ!? マジで!?』
『はい、是非』
『嬉しいなぁ。僕に心を開いてくれだんだね。お姉さんの名前は?』
『会ってからのお楽しみにしたいです』
『そうかそうか。じゃあ、お姉さん、年齢はいくつ? ピチピチの18歳か20歳かな?』
『それも同じく』
『あはは。そうかそうか。わかったよ。それにしても、本当にお姉さんは可愛い声をしているね~。もう1つ聞いてもいいかな?』
『はい、どうぞ』
『今さぁ、お姉さんが履いているパンティーって何色なの? 白だと嬉しいなぁ。黒も良いけどね。お姉さんなら赤も似合いそうだな。別にイヤらしい気持ちやスケベな気持ちでね、パンティーの色を聞いているんじゃないから』
『それも、会ってからの、お・た・の・し・み・に・ね!』
『おーっ、そうかそうか。嬉しいね。ちなみに僕はブランド物の黄色い柄パンを穿いているんだよ。黄色いパンツだとさ、ウンコ付いても大丈夫なんだよ。お姉さんもパンティーにウンコが付いたことってあるのかい? 別にイヤらしい気持ちで聞いていないからね』
『ノーコメントですが、色々と勉強になります。ありがとうございます』
『おーっ、そうかそうか。お姉さん、いつ会えるの?』
『今すぐに会いたいです。場所は……』金木トメはキャプテン・ミルクを見た。
キャプテン・ミルクは『ゆきあかり@温泉噴水公園です』と書いた紙をトメに手渡した。
『ゆきあかり@温泉噴水公園に10分後にどうですか?』
『おーっ、そうかそうか。了解です。じゃあ後でね。お姉さん、僕はお姉さんの事が好きになったかも。お姉さん、会ったら必ずパンティーの色を教えてくれよっ! 僕は別にパンティーの色を知ったからって興奮するタイプじゃないから。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。あっ、鼻血だ。ちょっとタイムタイム。のぼせただけだから大丈夫。パンティーに興奮するつもりはサラサラないから。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。僕は興奮しないタイプの男なんだよ。はぁ、はぁ。はぁ、はぁ』
『はい』
『お姉さん、じゃあね。はぁ、はぁ。はぁ、はぁ。本当にパンティーの色を教えてよ』
『はい』
☆続いちゃう☆