ライトレ三題噺
今部屋にいるのは俺と1番上の兄。
お互い特に何をする訳でもなくダラダラと過ごしていた。
「あれ」
そんな中声を発したのは兄。どうかしたのかと俺はそちらを見やる。
「リモコンがない」
今からお天気のおねーさん見ようと思ってたのにと残念そうな顔をしていた。
「お前知らない?」
「いや、知らない」
兄に問われるが俺が最後に触ったのは一昨日だ。俺が原因では無いのは明白だ。
だがさすがに困るので探すことにした。
まずひとつ考えられるのは誰かが片付けた。あまり使われてないが一応リモコンを入れる箱がある。その箱を覗いて見たが出てきたのはクーラーのリモコンだけ。
「ここには無いや」
そう兄につげ、もうひとつ心当たりがある場所へと向かう。
テレビのリモコンもそうだが、クーラーのリモコンも普段あの箱には片付けないのだ。つまり、いつもクーラーのリモコンが置いてある場所にテレビのリモコンを置いている。そう、入れ違いの可能性があるのだ。
「あれ、違ったか」
どうやらここにもないようだ。なら一体どこに…。
「ねぇ、どこにもないんだけど……」
兄の方に振り返ると、ニヤニヤと目を細めている。そいつの右手にはリモコンが握られていた。
「持ってんじゃん」
「いやぁでもまさかそんな必死になってくれるとは」
俺で遊んでやがった。そう理解するが早いか俺は兄の脳天に一発ぶち込んでやった。