5話 倒れても萌える桜
店に帰ってくる。からんからん。
はる「ただいまぁ。」
涼介「おかえり…っておい!」
くら「はるかちゃん!その腕どうしたの!はやくこっち来て!」
はる「あはは、だいじょうぶだよ。」
くら「ちっとも大丈夫じゃないじゃない!ほら、早く見せて!」
はる「う、うん。ごめん。」
くら「謝るくらいなら無茶しないで!」
ゲン「まぁ、大した事なない。ただの打ち身だ。」
くら「打ち身でもおおごとです!女の子なんだから…」
ゲン「…はい。」
涼介「小次郎。」
こじ「…何だ?」
涼介「ちょっと来い。」
店の奥へ。
涼介「で。何があった?」
こじ「…」
涼介「何か言え。一撃でもはるかに入れたヤツがいるんだ。何かあっただろ?」
こじ「…仇が見つかった。」
涼介「そうか。」
こじ「すぐ明日にでも出発する。」
涼介「バカかお前は。1人でどうする気だ?」
こじ「1人でも何とかなる。アイツをこの手で消すために俺は…」
涼介「んな事は分かってる。でも、自分の体、よく見てみろよ。」
こじ「自分の、体?」
涼介「気付いてないだろ。左腕、服の上からだけどかなり斬られてるの。」
こじ「えっ?…あ。」
涼介「ホラ、ケガしてるんだろ?さくらに治してもらえ。それからでも遅くはないぜ。」
こじ「でも。」
涼介「それに、向こうは逃げないぜ。俺も行こう。」
こじ「…すまん。」
涼介「いいって。さ、行くぞ。」
こじ「あぁ。」
OP歌はなし。
店。作戦会議(?)
こじ「ふぅ。」
くら「大丈夫ですか?まだ、どこか痛いんですか?」
こじ「いや、大丈夫だ。ありがとう。」
涼介「で、だ。まずは話を聞かせろ。」
こじ「今回の列車強盗の大ボスはカーズってヤツだった。」
はる「カードでいろんな人を召喚して襲わせる能力を持ってた。」
涼介「それはまた面倒だな。それで?」
こじ「ん。そのカーズの話によると瑠璃を消したヤツは確かに存在する。」
涼介「ほぅ。」
こじ「カーズの仲間のそいつがテンカワ家を滅亡させ、瑠璃の能力を奪って消し去ったそうだ。」
涼介「なるほどね。じゃ、そいつが仇ってわけだ。」
こじ「うん。ただ、名前とかは全然分からない。でも、場所は分かる。」
涼介「どこにいるんだ?」
こじ「テンカワ家の屋敷。」
涼介「へぇ~。そんな所にいたのか。」
こじ「あぁ。」
カランカラン。店のドアが開く。
ゲン「おーい。調べてきたぜ。」
涼介「調べる?何を?」
ゲン「列車強盗に行く前にお前が頼んだペンダントの事だ。」
こじ「で、どうだった?」
ゲン「こいつはヤバいな。世界最強の賞金首だ。」
はる「せかい、さいきょう…」
ゲン「あぁ。こいつの能力名はドレイン。そのまま能力を吸収しちまう。」
こじ「能力を、吸収?」
ゲン「あぁ。さらに、吸収された人間は消えてしまう。光になって。」
こじ「つじつまは合うな。そいつの名前は?」
ゲン「ダイスという。」
はる「だいす。。。」
涼介「カーズにダイスか。どこのカジノだよ全く。」
ゲン「なかなか洒落てはいるが、相手は洒落ではすまないぞ。」
涼介「だろうな。」
ゲン「で、どうする。ジョーカーの言葉もあるし。」
涼介「ジョーカー?」
こじ「カーズの切り札だ。」
ゲン「本当の名前はヴァイスリッター。俺のライバルだったヤツだ。」
涼介「へぇ。で、どんな事を言ってきたんだ?」
こじ「限定解除をしろ、と。つまり。。」
ゲン「銃の弾丸も作れる状態で来い、だとさ。」
涼介「ふ~ん。で、どうするんだ小次郎。お前次第だ。」
こじ「…地下でやってみる。明日までにはできるようにしておく。」
涼介「そうか。じゃ、出発は明後日だ。」
こじ「わかった。」
カランカラン。再びドアが開く。
カズ「こんばんは。…あれ?みなさんお揃いで何を?」
ゲン「おぅ。丁度いい所に来たな。お前、明後日ヒマか?」
カズ「あさって?…特にする事もなかったのでヒマといえばヒマですよ。」
ゲン「よし。ちょっと付き合え。」
カズ「将棋ですか?」
ゲン「ちげぇーよ。運転手だ。」
カズ「運転手?まぁ、いいですけど。」
涼介「そういやカズさん、どうしたの?」
カズ「おお、そうでした。実はまたメジャーデビューのお話が来てまして。」
涼介「えぇ~。またぁ?適当にパスしといてよぉ。」
カズ「ですが、なかなか熱心な方でして。」
くら「お兄ちゃん、お話くらいは聞いてあげようよ。」
(このへんアドリブで。だんだん音小さくしていくから。)
地下。
こじ「…っ!」
弾をセット。引き金を引く。カチッ、と音だけ。
こじ「くそっ。やっぱり火薬か。弾丸そのものはできてるんだがな。。」
カチッ。
こじ「…瑠璃。お前、俺に本当に作れる力を与えてくれたのか?」
カチッ。
こじ「ええいくそっ!どうすりゃいいんだよっ!」
かちかちかち。
こじ「だぁーーっ!さっぱりわからーん!」
銃を投げ捨てる。
こじ「くそっ。銃だけが全てじゃないはずだ。銃にこだわる必要などないはずだ。」
こじ「でも、どうしてジョーカーはあんな事言ったんだろう?」
刀をつくる。
こじ「刃物は完璧なんだがな。。。」
涼介「小次郎。」
こじ「…なんだ?」
涼介「できたか?」
こじ「まだ。」
涼介「そうか。…ってうわっ!床が弾だらけじゃないか!」
こじ「あぁ。火薬が空の、だけどな。」
涼介「みたいだな。硝煙のにおいが全くしないな。」
こじ「なぁ涼介。」
涼介「ん~?」
こじ「俺、間違ってるのかなぁ?」
涼介「さぁね。」
こじ「なんだよ冷たいなぁ。」
涼介「正しいか間違ってるかなんて考えても仕方ないだろ?」
こじ「まぁ、そうなんだけど。」
涼介「とりあえず仇とってから考えろよ。正しかったかどうか、なんてのは」
こじ「…そうする。」
涼介「まだやるのか?」
こじ「あぁ。何とかやってみるよ。」
涼介「そうか。まぁ、ほどほどにしておけよ。」
こじ「あぁ。」
涼介「じゃ、がんばれよ。」
こじ「…涼介。」
涼介「ん?」
こじ「ありがとな。」
涼介「いいって。」
出発の朝。
ゲン「積み込むのはこんなもんか。」
カズ「ですね。」
ルリ「コレはいらニャいの?」
ゲン「ん?おぉ鏡かぁ。一応持っていくか。」
はる「私は…特に何もないな。」
くら「私も行くよ。」
はる「ええっ!?ケガするかもしれないよ?」
くら「だいじょうぶ。」
はる「で、でも!」
くら「お兄ちゃんが守ってくれるし、杖さんもいるし。」
はる「そ、そう?なら、いいけど…兄さんには言ったの?」
くら「うん。お前が決めたのなら何も言わない、って。」
はる「へぇ~。」
涼介「小次郎は?」
ゲン「まだ地下にいるんじゃねぇか?」
涼介「ちょっと呼んでくる。」
地下へ。
涼介「お~い小次郎。」
こじ「…ん?」
涼介「行くぞ。」
こじ「もう時間か。」
涼介「あぁ。で、できたのか?」
こじ「いや。」
涼介「どうするんだ?」
こじ「銃以外で闘う。何とかなるよ、きっと。」
涼介「そ、そうか。なら、いいんだが。」
こじ「これで最後なんだ。なんとかしてみせるさ。」
カズ「つきましたよ。」
ゲン「よし。皆、降りるぞ。」
こじ「…精製っ。ほら、はるか。」
はる「うん。」
はるか、天使モード。さくら、覚醒モードに。
涼介、バイクを出す。
涼介「よし、準備はいいな。」
こじ「あぁ。」
ゲン「誰かいるぜ。」
カー「ようこそ。我が根城へ。歓迎しますよ。」
こじ「ちっ。テメェか。」
カー「さぁ。パーティーの準備は出来てます。」
涼介「パーティー?」
カー「えぇ。楽しい楽しいダンスパーティー。」
こじ「悪いが踊ってるヒマはねぇ!」
カー「いいえ、踊ってもらいますよ。私のかわいい子たちと一緒に、ね。」
どばばばばばばーっっとワラワラと敵が出てくる。
ゲン「ちっ!なんて数だ!」
カー「さぁ、ここを突破できればダイスに会えますよ。奥でお待ちしております。」
カーズ、奥へ。
こじ「くそっ!ひとまずこいつらを片付けるぞ!」
はる「でも、すごい数だよ!」
ゲン「グダグダ言っても仕方ねぇ!やるぞ!」
王様「やらせはせん!」
涼介「な、何だ?」
魔女「我が部下たちよ!王の声を聞くのだ!」
こじ「誰だ?」
王様「我が名はアーサー!勝利を約束されし王なり!」
涼介「あ、アーサー王だと?んなバカな!」
はる「お話の世界の人間じゃない!」
王様「我が兵たちよ!この王の勝利のために闘い抜くのだ!」
兵士「おー。」
魔女「聞けッ!我等には神の加護があるッ!死を恐れてはならないっ!」
涼介「あの演説っぷりは。。」
魔女「我が偉大なる王に勝利をもたらすのだっ!」
くら「ジャンヌダルク。。。」
魔女「我に続けぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!」
兵士「うおー」
ゲン「ちっ!指揮官が優秀じゃねぇか!志気がとんでもなく上がってやがる!」
こじ「関係ねぇ!ぶっ飛ばすだけだ!」
交戦中。
カー「予想どおり来ましたね。」
ダイ「ふっ。」
カー「いかがいたします?」
ダイ「ここまで来れぬのならそれまでだ。放っておけ。」
カー「かしこまりました。あぁ、お前も行って闘って来い。」
ジョ「…ちっ。」
カー「おや、いいのかい?ダイヤがどうなっても?」
ジョ「…わかった。」
ラト「じょーかー…」
ジョ「心配するな。行ってくる。」
カー「素直でいいねぇ。」
ジョ「くそっ!」
こじ「くそっ!何人いやがる!」
はる「きりがないよぉ!」
涼介「小次郎!上に乗れ!」
こじ「おう!」
バイクの上に乗る。
涼介「いくぞぉっ!フライングモード、起動!」
こじ「いでよ、我が漆黒の斬馬刀ッ!」
涼介「リミッタ-解除!ツインジェットエンジン、フルドライブッ!」
こじ「唸れ刃よ、天に轟く雷のごとくっ!」
涼介「オーバーブースト!臨界点突破!行けッ小次郎!」
こじ「くらえぇっ!漆黒斬馬刀、雷神斬りぃっ!!」
涼介「うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!!!」
こじ「チェストォォォォォォォォッ!!!」
どかーん。
涼介「フライモード解除。着陸、っと。」
こじ「在るべき世界へ還れ!」
ゲン「な、なんて無茶しやがる。」
兵士「うぉー。おー。」
ゲン「ちっ。減らねぇな。」
王様「今だ!我が兵たちよ!一気にたたみかけるのだ!」
魔女「敵はひるんだ!今こそ勝利を手にする時!」
こじ「ちっ!」
涼介「どうすれば…ん?さくら!!後ろっ!」
くら「えっ?きゃぁっ!」
涼介「まずい!ここからじゃ間に合わない!」
はる「さくらぁっ!」
くら「いやぁぁぁっ!」
どかーん。気合いが飛んでくる。
くら「…えっ?」
カズ「危ないですよ、さくらさん。」
くら「か、カズさん?あっ!後ろ!まだ来ますよ!」
カズ「ん?…ちっ!」
ぼこぼこぼこ。
涼介「えぇ~~っ!?」
こじ「つ、つよい。。。」
はる「な、なんであんなに強いの?」
ゲン「おーおー。ブランクは全く関係ないってか。」
カズ「ふん!…久々ですからね。手加減はできませんよ。」
ゲン「手加減なんざいらねぇよ。」
カズ「そうですか。では遠慮なく。」
こじ「か、か、か…」
ゲン「おい小次郎!ここは俺らにまかせな。」
カズ「そうです。この程度なら2人で何とかなります。」
こじ「何とか、って数じゃないですよ?」
カズ「じゃ、何とかって数にしますね。」
こじ「デンプシーロール?こんなに距離が離れてると意味ないんじゃ?」
カズ「こんなもんですかね。いきます。気合い弾、クロスハンマーッ!」
気合い弾一発で4割消滅。
カズ「さ、どうぞ。」
涼介「す、すごすぎる…」
こじ「わ、わかりました。じゃ、せめてコレを。ナックルガードです。」
カズ「おぉ、ありがとう。ありがたく使わせてもらいます。」
ゲン「早く行け!」
涼介「あぁ。小次郎、行くぞ。はるか、さくら!ついて来い!」
はる「うん。」
くら「はい。」
4人、屋敷の中へ。
ゲン「さて、と。残りは約200。どこから攻めようか。」
カズ「それはもちろん、男らしく…」
2人「真ん中から行くか!」
奥へ進む。
涼介「大広間、か。バイクはここまでだな。」
こじ「出て来いダイス!貴様の首、頂きに来た!」
はる「…誰もいないみたい。」
くら「そうみたい。」
涼介「…いる。そこの柱の後ろ!誰だっ!」
ジョ「ほぅ。いい読みをしているな。」
ジョーカー、出てくる。
こじ「ジョーカー。」
はる「あっ。あの時の。」
ジョ「ようこそ、と言いたい所だが…」
涼介「だが?」
ジョ「正直、俺は今日闘うのは乗り気じゃない。」
こじ「へっ?」
ジョ「それよりも、だ、武蔵の息子よ。」
こじ「な、何だよ。」
ジョ「限定解除はできたのか?」
こじ「まだだよ。第一、んなモンに頼らなくとも仇は取る!」
ジョ「無理だといったはずだ。」
こじ「なんでだよ?」
ジョ「それは…」
館内放送(?)みたいなの。
カー「ジョーカー。何してるんだい?ダイヤがどうなってもいいんだね。」
ジョ「…くっ!」
こじ「…お前、もしかして人質としてダイヤを取られてるのか?」
カー「ちゃんと働かないと、ダイヤをカードにしちまうよ?」
ジョ「やめろ!」
カー「ならとっとと闘いな!」
ジョ「…わかった。」
こじ「お前…」
ジョ「聞いての通りだ。さあ、俺と戦え!」
こじ「…くそっ!」
涼介「待て小次郎。」
こじ「何だよ。」
涼介「おいジョーカーとやら。少し待ってくれ。」
ジョ「何だ?遺書でも書くのか?そのくらいなら待ってやる。」
涼介「そういう事にしておいてくれ。」
ひそひそボイス。
こじ「何だよ。」
涼介「無駄に闘って体力を消耗したくない。」
はる「?闘わないで済む策があるの、兄さん?」
涼介「あぁ。小次郎と俺があのジョーカーの相手をする。」
こじ「ふんふん。」
涼介「で、その間にさくらとはるかはダイヤをさらって来い。」
くら「えぇっ!?」
涼介「声がでかい。いいか、この部屋には監視カメラはひとつしかない。」
こじ「ってことは…」
涼介「あぁ。天井付近を飛べばカメラには写らない。で、そこから部屋を抜けて。」
くら「ダイヤ、って人を見つければいいんだね。」
涼介「そうだ。できるな?」
はる「でも、どこにいるかわかんないよ。」
涼介「それは、本人に聞くのさ。」
ジョ「もうそろそろいいか?」
こじ「あぁ。待たせたな。」
ジョ「この世に別れを告げるんだ。思い残す事のないようにな。」
こじ「お優しい事で。」
涼介「んじゃ、ちょっくらがんばりますか。」
銃を取り出し、撃つ。
ジョ「どこを撃ってる?」
涼介「いやぁ、試し撃ち。弾、入ってたかなぁ~、と思って。」
ジョ「そんなものは闘う前に済ませるモンだ!」
斬り掛かってくる。
涼介「そうだな。おかげでカメラのケーブル打ち抜いちまったなぁ。」
ジョ「カメラ、だと?…まさか!」
涼介「おぉっと!そっち向くんじゃねぇ!いいか、打ち抜いたのは音声のケーブルだけだ。」
ジョ「映像は途切れてない、のか。」
涼介「そういうわけだ。怪しまれないようにしな。」
ジョ「…では、いくぞ!」
こじ「おぉっと。」
涼介「そう、そうだ。怪しまれないように闘うんだ。」
ジョ「何が目的だ?いや、何をさせたいんだ!」
こじ「ダイヤの救出。」
ジョ「な、なに!?」
はる「そのために、ダイヤさんがいる部屋を教えて!」
ジョ「なんだと?」
涼介「俺たちの標的ははあくまでダイスだ。そこまで戦力は消耗したくない」
こじ「アンタとはいずれケリはつけたい。が、それはあくまでフェアに、だ。」
くら「だから、教えてください。」
ジョ「お前ら…」
こじ「さぁ、どこにいるんだ?」
ジョ「…カーズの部屋だ。ダイヤとバラが描かれているドアだ。」
涼介「2人とも聞いたな!行けッ!」
妹「「はい」」
ひゅるりぃ~、と飛んでいく。
こじ「さて、演技ででも闘わなければいけないのか。」
ジョ「そうなるな。」
涼介「なに、適当な所でカメラも打ち抜くさ。」
こじ「…お前が味方で本当によかったよ。」
涼介「何か言ったか?」
こじ「別にぃ。」
ジョ「…では、しばらく戦闘訓練といくか!」
2人「おう!」
入り口の2人。
ゲン「だぁっ!やっぱ多いなコノヤロウ!でも、あと少しだ!」
カズ「くっ!流石にきついですね。」
兵士「ごはっ!」
ゲン「これでラストだっ!」
カズ「せいやぁっ!」
魔女「くっ!兵士たちよ…もはやこれまでなのか…」
ゲン「あとはそこの2人だな!こい、大ボス!」
王様「よかろう!余が直々に相手をしようではないか!剣を持てぃ!」
魔女「はっ。」
カズ「黄金の剣、ですか。趣味が丸出しですね。」
ゲン「金なんて材質、剣には向かないぜ。」
王様「うなれ、風よ!精励たちよ!我に力を与えたまえ!」
魔女「我等に勝利は約束された!今こそ立ち向かう時ぞ!」
カズ「ん?風?」
ゲン「なんなんだ?ただの前口上じゃねぇのか?」
王様「最初はサービスだ。その目に刻め!」
ゲン「まずい!離れろ!」
王様「えくすかりばぁぁーーーーー」
ぼーん。
カズ「ちぃっ!」
ゲン「…なんなんだ?周りがふきとんじまったぜ!?」
王様「我が力はエクスカリバー。周囲を跡形もなく吹き飛ばす!!
ゲン「ちっ!やっかいだぜ!踏み込めねぇな。」
魔女「今だっ!」
ゲン「ん?お前、役に立ってねぇな。そろそろ退場だ。消えな。」
どきゅぅん。
魔女「な…一撃だと…」
ゲン「お前は完全な指揮官タイプ。個人の力は大した事ねぇ。」
魔女「そ、そんな。。王よ…」
王様「よく闘った。後はまかせるがよい。」
魔女「はい。。。」
消える。
王様「いざ、弔い合戦よ!来るがいい!」
カズ「…どうしましょうかね。」
ゲン「攻撃させねぇ、って手だな。弾幕張るから何とか踏み込んでくれ。」
カズ「わかりました。」
王様「これで終わりだっ!!エクス…」
ゲン「やらせねぇ!!フルバースト!!」
妹。
くら「そういえば、ダイヤさんって見た事あるの?」
はる「うん。見た目は10歳くらいのかわいい女の子。」
くら「へぇ~っ。」
はる「…あった!ドア!」
くら「吹き飛ばして開けるよ?」
はる「うん。」
どかん。
くら「…誰もいないよ?」
はる「…いた!」
くら「どこ?」
はる「ベッド!眠らされてるみたい。」
くら「ほ、ホントだ。」
はる「とりあえず、連れ出そう。」
くら「うん。」
みず「オイタはダメよ、お嬢ちゃんたち。」
はる「えっ?」
くら「誰っ?」
みず「ん~。ナイショ。でも、味方じゃないわよ。」
はる「…敵っ!」
みず「せいかーい。んじゃ、この子は返してもらうわね。」
はる「イ~ヤ。」
みず「イ~ヤ、と言われてもねぇ。それが私の仕事だし…。」
くら「この声どこかで聞いた事あるような。。。」
はる「さくら、何ボォ~っとしてるの?」
くら「えっ!?いや、何か、知ってる人っぽいなぁ~、って。」
みず「ん~?私の事知ってるの?…あら?」
くら「あっ!」
みず「あららら。さくらちゃんじゃない。。。」
くら「そ、そんな。。。」
はる「誰?知り合い?」
くら「こ、この人、小次郎さんのおかあさんだよ。。。」
はる「えぇっ!?」
小次郎のトコ。
ジョ「甘い!」
こじ「くっ!訓練とはいえキツイ。。。」
涼介「消えるのは反則だな、これは。」
ジョ「まだまだだな。武蔵の息子よ!」
こじ「くっ!なめるなぁっ!」
ジョ「近接戦闘は苦手、か。なぜ飛び道具を使わない?」
こじ「弾がもったいねぇからだ!」
涼介「作れればいいのにな。」
ジョ「だから解除しろ、と言ったのに。」
こじ「うるせぇ!」
涼介「さて、そろそろ頃合だな。カメラ、打ち抜くぞ。」
こじ「そうしてくれ。」
どきゅぅん。
こじ「ふぅ。ちょ、ちょっと休憩。。。」
涼介「なんだよ、もうヘバったのか?」
こじ「何が訓練だよ。思いっきりマジでやりやがって。」
ジョ「死ぬ気でやらねば意味などなかろう。」
涼介「さて、あの2人がうまくやってくれればいいが…」
武蔵「残念だったな。うまくはいかないぜ。」
涼介「誰だ!?」
武蔵「ダイヤの所には見張りがいる。そう簡単には救えない。」
こじ「何だって!?」
カー「そう。そんな作戦なんてお見通しさ。」
ジョ「カーズ…!」
カー「残念だよ、ジョーカー。少しは役に立つかと思ったのに。」
ジョ「くっ…」
涼介「さくらたちが危ない…」
武蔵「人の心配する前にテメェの心配しな!…んん?」
涼介「!?あ、あんたは…」
こじ「と、とうさん!?」
武蔵「こ、小次郎に…涼介くんか!?」
ジョ「む、武蔵!」
武蔵「おいおいヴァイスじゃねぇか。どうなってんだ一体!?」
カー「どうもこうもないよ。こいつらが侵入者で敵だ。」
武蔵「そうか。」
こじ「父さん!生きてたのか!?」
カー「残念ながら、生きてはいないよ。」
こじ「!?」
カー「私がカードに封印したのさ。だから必要に応じて召喚できる、ってわけ。」
こじ「なら、お前が父さんの仇。。。」
カー「まぁ、そういう事になるかな。どう?親子の感動の再開、っのは。」
こじ「…ふっふっふ。俺は運がいい。今日で全てにケリがつくとはな!」
カー「そううまくいくかな。後はまかせたよ。」
武蔵「あぁ。まかせな。」
カー「無事に勝てたら相手をしてやるよ。じゃあね。」
こじ「首を洗って待ってやがれ!」
武蔵「…来い、小次郎。相手をしてやる。」
こじ「かつて、最強のハンターだった父さんが相手…」
涼介「か、勝てるのか?」
こじ「勝つしかねぇ!絶対に!」
入り口のふたり。
ゲン「全弾発射ぁっ!」
王様「くっ!」
ゲン「今だ、踏み込め!!」
カズ「うぉおぉぉぉぉぉぉっっっ!!」
王様「させぬ!でいっ!!」
カズ「くっ!2mまでが精一杯か!」
ゲン「ならば、コレでどうだっ!!」
ぼむっ。
王様「発煙筒?!」
ゲン「くらえっ!!」
王様「くっ!出所がわからぬ!えぇい!仕方ない!」
ゲン「下がれ!」
王様「エクスカリバー!!」
ゲン「くっ!煙が…」
王様「これで見える…って、何!?」
カズ「デンプシーロール、チャージ完了!」
ゲン「いけぇっ!!打ち込めぇっ!!」
カズ「ゼロ距離で倒れなかったヤツはいねぇ!これで終わりだ!!」
王様「し、しまっ…」
カズ「フック!ガゼルアッパー!!とどめだぁっ!!」
ゲン「倒れろぉぉぉっ!!」
ばこばこばこばこ。
王様「だはぁっ!!」
カズ「…っし!!」
王様「…見事なり。」
ゲン「アンタもなかなかだぜ。」
王様「…っふっふっ。なかなか楽しかったぞ、お前たち。」
カズ「それはどうも。」
王様「冥土の土産に、持っていかせてもうらよ。…では、さらばだ。」
消える。
ゲン「ふぅ~。終わったぁっ。」
カズ「なかなかキツかったですね。」
ゲン「全くだ。…ちっ。タバコ切れてらぁ。おい、一本くれ。」
カズ「はいはい。…どうぞ。」
ゲン「さんきゅう。…はぁ~っ。うめぇ~。」
カズ「…あれ?ライターがない。ちょっとゲンさん、火を貸してください。」
ゲン「おぉ。…ほい。」
カズ「どうも。…ふぅ~っ。」
ゲン「さて、後は…」
カズ「中の4人ですね。どうします?」
ゲン「お前はここに残って車の見張りをしててくれ。俺は行ってくる。」
カズ「わかりました。では。」
ゲン「あぁ。行ってくる。」