ドラゴンちゃんは普通になりたい!
送ったものの選ばれなかった作品です。
僕には幼馴染がいます。
とても強くて、格好良くて。
それでいてドジなところも時々垣間見える……黄田竜子という幼馴染が。
彼女は僕の地元では〝ドラゴン〟と呼ばれ、とても恐れられています。
敵なしなくらい喧嘩が強く、そして喧嘩っ早く、いつからか髪を金色に染めて、そして右肩から胸元にかけて……彼女のお母さんの影響で竜の入れ墨を入れているからです。もちろん、シールの入れ墨だけど。
でもだからといって地元のみんなの印象は変わりません。それどころか反社会的組織に目をつけられ……返り討ちにしたとかいう伝説まで生まれました。
どこまで本当かは分かりませんが……とにかく一度、目をつけられました。
でも僕は知っています。彼女が本当は優しい事を。学校でイジメられていた僕を助けてくれるくらい正義感がある事を。そして誰よりも……普通になりたい事を。
「ワシは……ワシはいい加減、普通になりたいんじゃぁぁぁぁぁーーーーーーッッッッ!!!!」
「いやだから言葉遣いからして普通じゃないんだってば!!」
彼女はただ、普通の基準が分かっていないだけなんだ……………………たぶん。
これは僕が、竜子ちゃんを普通の女性にデビューさせるまでを描いた――バイオレンスアクションラブコメディーだ。