平凡以下の高校生活
季節は立夏。桜は散り落ち、暑くもなく寒くもない過ごしやすい季節。
中学を卒業し、高校に新しく入学した人達にとってはその生活に慣れずバタバタすることも多いだろう。だが入学して1ヶ月も経てばだいたい一日の流れは把握でき、さらに1人くらいは友達がいても不思議ではない。早い子なら初日で友達を作り休日は遊びに行くなど高校生活を満喫していると思う。
だが生活には慣れたものの、友達は出来ずあまり目立つ様な人格でもなかった為クラスに馴染むこともなく、いつしか ぼっちになってしまった男が1人。それが俺、進藤 翔。
去年までは中学生であり、今年の4月から結上高校に入学した高校1年生だ。
そして今は6限目。これが終わると担任から終礼があり、生徒達は放課後の活動に移る。部活に所属している人達は部室へ向かい、無所属、つまり帰宅部はそのまま下校となる。俺は帰宅部なので帰る準備をしていた。
「ふぁ〜〜〜…今日の授業もつんないのばっかだったな…」
あくびをかいた後、そう呟き教室を後にする。
帰宅部といえど友達がいれば一緒に帰ることもあると思うが俺は友達がいないので無論ぼっちで下校である。
今日は公園にいこうかなぁ…と、寄り道する予定を立てる。
俺は毎日下校する時に今日はここに寄ろうと、決まって寄り道をする。それは家に帰っても特にやることもないし、単純に広い場所で1人でいるのが好きなのだ。だから寄り道する場所はあまり人けがない所がほとんど。この公園も近くに別の大きな公園があるので来る人がいないから、ほぼ俺の独占場と化している。
そして公園に着いた俺は大きな樹の下にあるベンチに腰を下ろし静かに目を閉じる…
気持ちのいいそよ風…小鳥のさえずり…
…大きく深呼吸をする…あぁなんていい気分なんだろう…
この時間が永遠に続けばいいのにな…
((ブォン))
そう、ブォンって音もずっと………
ん?なんだ??
目を開けてみると上空には奇妙な物体が浮遊していた…
「なんだ…あれ……」
ブラックホール…?なのか…いやそんなもの現実にあり得るはずがない…
目を丸くしてそれじっと見ているとそのブラックホールの様なものから突如何かが出てきた。
思わずビビり、ベンチの後ろに隠れ縮こまった。
警戒心MAXで様子を伺っているとそこから現れたのは……
1人の女の子でした。