七色の雲
深まる秋の山道を
とぼとぼ、とぼとぼ歩いていると、
あたりはどんより暗くなり
雨がしとしと降ってきた。
こんなこともあろうかと
折りたたみの傘をひろげ
重くなりがちな気持ちを
ダイジョブ、ダイジョブ
ふるい立たせる。
人生はいつも晴れとは限らない。
雨にぬれた紅葉も
たまにはいいじゃないか…
得したぞ。
見たくてみれるもんじゃない
そう思えれば、
濡れ歩くのもいいだろう…
この思いがけない時雨を
冷たい雨と思えば辛くなる
この思いがけない時雨を
褒美だと思えれば
得したぞ。
ゆっくり
楽しめばいいじゃないか
ゆっくり
歩けばいいじゃないか
自分のペースで、
一歩ずつ
自分のペースで、
一歩ずつ
いつのまにか空は晴れ、
知らないあいだに空は青。
下を向いてちゃ気がつかぬ
傘を差してて気がつかぬ
我が、頭上にも陽が射して
まさかと思った美しい虹が弧に
染まった七色のあの雲 渡ろう
首をあげて!