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メクロ討伐

森を歩いていると

灰色の金属の球形にカメラアイがついたものが、空中に浮かんでいたのを見つけた。


あれが、メクロか?


人の胴体ほどある大きさだが、そこまで脅威には感じられない


今まで討伐したラプターとかのモンスターのほうがまだ怖いくらいだ。


思案する。

メクロの討伐ランクは、G


ラプターはI


その差は二段階近く。


現在の俺のランクはGランクだが、それでもラプターは手ごわかった。

生身だと武器によっては、恐竜のような皮膚のせいで中々攻撃が通らないし、頭がいいから

大抵群れで行動する。


単体だとなんとか倒せても、群れだとランクは一気に2、3段階上がるため、駆け出し冒険者にとっての難敵ともいえた。

その厄介さは、実際舐めてかかった1人のFランク冒険者でも殺されてしまうことがあるほど


一体でも倒すのに苦労するのに、それが群れだと当然の話ではある。


油断していると俺もそいつらと同じ目に合う。


とはいえ、外殻装甲ばかり使っていては上がる実力も上がらない。


俺はふわふわと浮いているメクロの背後へ回り込むように動いた。


遠くから慎重に回り込み、丁度背後の木が俺の身を隠してくれる位置まで移動した俺は、手にしていたブロートソードを構え、踏み込んだ。



「な!?」

驚きは二つ

振りかぶられた俺の剣は、直前で振り返ったメクロに回避されていた。

「……」

静寂は一瞬

すうっと素早く真横に移動したメクロの目が光る。


やば……


剣を振り下ろしたままのため、体勢を立て直す時間も横に飛びのく時間もない。

身体にどでかい穴が開くのを想像した。


「仕方ないな……」

なんら慌てることなく、

意識を切り替える。

自らの身体が冷たい装甲に覆われていくのが分かる。

生身ではしょせん俺はこの程度ということか


なら、仕方ない。


俺の頭を狙った光が、白の装甲に弾かれる。


既に全身が、外殻装甲に覆われていることだろう。

インテグラル


この世界に召還され、俺が神に望んだ機械能力


鋼鉄の身体


ゴウッ!!


握り締めた鋼の拳が、空気を砕く勢いで、そのままメクロを捉える。


メクロの目が再度発光した気がするが、もう関係ない。

一番装甲の薄い頭を狙っても無傷だった時点で俺の勝利は確定している。


俺の鋼鉄の拳は、メクロの身体をそのまま木にぶつける。

弾き飛ばしたメクロがぎしりぎしりと軋むような音をたてた。


「ギガガ……」


奇妙な音を発した後、メクロは動きを止め、地面にがちゃりと落ちた。

俺はメクロに近づき、完全に機能停止したことを確認すると、そのままメクロを持ち上げた。


……軽い


金属の塊なら相当重いはずなのに、野球ボール程度の重さしか感じない。


ギルドから聞いたメクロの討伐証明部位は、ピンポンボールほどの大きさのカメラアイ。

だが、それ以外の部位も売れる可能性があった。


この世界には、機械と魔法がある。

機械なら全部壊れていても、パーツとして売れるし、魔石なら多少の衝撃でもつかえる。


できることならモンスター丸ごとのほうが、儲けになる。


「きゃああああああああッ!?」

前のほうから女性の悲鳴が聞こえてきた。

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