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東方神裂録  作者: 黒曜緋芭
5/11

✝-歴史の記録屋との出会い そして何気ない一日-✝









詩「さて、次はどうしようか?」



霊「ん~詩音が、まだ疲れてないなら、もうひとりのほうも紹介したいのだけれど……」



詩「よし、なら行こうか。それが終わったら買い物だな」



俺は先に歩き出す。



いやぁ、買い物が楽しみだな。



霊「詩音、向かう場所は正反対よ?」



詩「……案内を頼む」



霊「ふふ、任されたわ」




畜生……先に歩くんじゃなかった。








-歴史の記録-



詩「歴史の記録?」



霊「そ、ここには幻想郷全ての歴史。つまり、事件や出来事とかが全て記録されている場所なのよ」




幻想郷全ての歴史を記録している……か



詩「一体何人いるんだか……」



霊「一人よ」



詩「ひと…り?」




一体どうやって……あぁ、なるほど。



詩「これも、能力ってわけだな?」



霊「そうね、それもあるけど……」



霊夢微かに笑う。



霊「本人は楽しそうに幻想郷の歴史を書き記してるわよ?」



詩「能力はおまけで、元々書き手ってことか……天性の書記士だな。尊敬するよ」



霊「それは本人の前で言ってあげなさい?本人はとても喜ぶと思うわよ」



詩「あぁ、そうさせてもらうよ」



そして、俺たちは中の建物へと入っていった。





-稗田阿求邸-






詩「稗田阿求ひえだのあきゅう……で読みは合ってるのか?」



霊「へぇ?やっぱり詩音は博識ね。意外と難しい呼び名らしいのだけれど」



詩「いや、なんとなくだな」



霊「ほんと、あなたって不思議な人ね」



俺たちは奥へと進んでいく。



予想はしていたが……



詩「すごい本の数だな。まさに圧巻ってやつか?」



壁という壁には、本がびっっっしりと詰まっていた。



それこそ、地震が来たらどうするのかというくらいに



霊「これでも少ないほうよ。地下は更に沢山の目録本が一杯あるわよ?」



詩「……言葉も出ないな」




霊夢は一つの部屋の前で止まった。



霊「着いたわよ、この家の当主の部屋にね?」



詩「……早くいけよ」



霊夢は何故か部屋の前で立ち止まっていた。



霊「詩音こそ何してるのよ、早く行きなさいよ」



詩「俺か!?また俺にあの悲劇を巻き起こせと!?」



霊「っぷ…っく!?いいから早くいきなさい!!」



くそっ!絶対に遊んでやがる。



詩「ま、別にいいさ。どうせ何も起こらないだろうしな?」



俺は意を消して、霊夢の前に出た。



そして、襖に手を掛ける。








詩「おっじゃま~~…………!!!???」








稗「へ?」着替え中









霊「あっははははははは!!」








現在全力の土下座中




詩「ほんっっっとに申し訳ありませんでしたァァァ!!!!」




稗「だからもういいですってばぁぁぁぁ!!!」




霊「あっははははは!!」






30分後





詩「落ち着きましたか?」



稗「あなたのせいでしょうが!!」



霊「コヒューコヒュー」←過呼吸状態




俺は真面目になり、挨拶を始める。



詩「それでは改めまして、俺の名前は神裂詩音。記憶が抜け、身体能力が若干高い人間です」




稗「……まぁ、いいでしょう。私の名前は稗田阿求。ここ……いえ、幻想郷全ての歴史を書き記してきた人間です。ちなみに、私は九代目の稗田になります」



詩「へぇ、随分と由緒正しい家系なんだなぁ」



霊「それは違うわよ?」




詩「……それは、稗田さんの家系は危ない家」

稗「断じて違いますからね!!?」



霊「まぁ簡単に説明すると、稗田阿求自身が九代目を迎えている、というわけよ」



詩「…転生を繰り返している。ということか?」



稗「凄いですね……それだけで理解してしまうとは」



霊「詩音は策略家なのよ」



詩「否、断じて否と答えておこうか」



俺が策略家とか、マジで笑い話だわ。




詩「しかし、九回目の転生か……束のことを聞いてしまうが、百年を一回とすると、稗田さんは九百歳ということに」


稗「いえ、そこまで年を取っていませんよ、しかも転生ですから、歳は重ねたりは普通しませんよ」



それもそうか。



稗「それに……」



稗田さんは儚げな微笑みを浮かべる。



稗「確かに私は人間ですけど、普通の人達と比べると、大分短い寿命なんですよ?」



詩「……済みません、出過ぎた質問でした。」



俺は丁寧に頭を下げた。



稗「うふふ、さっきとは全然違う謝り方ですね?」



詩「公私はきちんと分ける。ただ、それだけです」



霊「こういう奴なのよ」




稗「素晴らしいお方のようですね」



霊「どちらかというと、面白い分類の人間にはいるわよ?」



詩「俺にはよくわからんがな」




俺は辺りを見渡す。



詩「本当に色々な本があるんだな……」



稗「そうですね。主に幻想郷の歴史などが多いかと」



霊「私は見てるだけで十分だわ」




詩「少しだけ、幻想郷の歴史を見ていってもいいか霊夢?」



霊「ん?そう、なら異変とか載ってる物にしたほうがいいわよ」



詩「異変?」



稗「この幻想郷に起きた事件などのことです。様々な異変は、霊夢さんが解決しているんですよ?」



霊「めんどくさいけどね」




詩「ふむ、それは興味があるな。どれが異変の乗っている本なんだ?」



稗「えぇと……これですね。今までの異変が載っていますよ」




俺はそれを手に取ると、パラパラと読んでいく。




稗「す、すごい勢いですね……」


霊「え、えぇ、私も始めて見たわ」



ん?そんなに早いか?




詩「よし、ありがとな」



稗「え?あ、そうですか。」



霊「詩音あなた、本当に理解できたの?」



詩「あぁ、紅魔館が起こした赤い霧の異変や白玉楼が起こした春の異変。太陽の花畑や霧の湖。地霊殿や永遠亭などの地理とかも覚えたぞ」




霊「……感嘆の溜息しかでないわ」



稗「いいなぁ、それくらいの速度があったら私の作業もはかどりそうなんだけどな」




詩「俺にとっては早いとかは分からないな」





詩「っと、長居しちゃ悪いしな、そろそろ帰るよ」



稗「そんなに経ってはいないとは思いますが……そちらにも用事がお有りのようですしね?」



霊「まぁね、後は買い物をして終わりよ」



その買い物が楽しみだ。



詩「それじゃ、また」



稗「はい、今度はゆっくりと遊んでいってくださいね?」



霊「私は遠慮しておくわ」



詩「はは、そうするよ」




俺たちは、その場で立ち上がる。



詩「あ!そうそう」



稗「?なんですか?」



俺は言葉を稗田さんに掛ける。





詩「あなたは天性の書記士みたいですね。尊敬します。みんなの歴史の為にこれからも頑張ってください」




稗「……はい!!」




霊「……詩音は凄い人間になりそうだわ」





-町里周辺-





さてと、服屋らしき所はどこかなぁ、と




霊「呉服屋なら、あっちにある角に位置よ」



詩「呉服屋?浴衣だけなのか?」



霊「そんな事もないけど、浴衣が全般ね」




詩「うーむ、色々な物を見てみたかったんだが……」




霊「まぁ、その件はまた今度の機会ね。」



詩「ん?何かオススメな店があるのか?」



霊「まぁね、-香霖堂-っていう店で、魔法の森の手前に建っているのよ。」




詩「魔法の森か……時間が足りないな。俺が飛べたらまた別なんだが…」




俺の能力は左手の防御手段のみ。




それも進化型の能力。



しかも……



詩「まだ、隠された能力が存在する。幾つあるのかも分からないと来たもんだ……めんどくさい」




霊「なぁにブツブツ言ってるのよ?行くなら行くわよ?」



詩「ま、今回はあるものだけで我慢だな」





-呉服屋-




中は意外と纏まりがある雰囲気で、結構な種類がある。




詩「ふむ、中々…だな」



俺は辺りを見渡す。



俺はすぐに考えを纏めると、霊夢に意見を聞く。




詩「さて霊夢、聞きたいことがある」




霊「な、何よ?」



詩「ビジュアル系と癒し系、もしくはロリータ系やゴシック系。ロック系やカジュアルなど、様々な種類が存在するわけだが……」




霊「い、意外とあるのね?」




詩「どれがいい?」



霊「え?」



詩「いや、一応な、本人の意見も聞いて置かないと、選択しづらいというか、断られたら嫌だなぁとか思ったり……」



霊「……はぁ、ま、私は詩音の好みに合わせるわ。詩音ならハズレはないでしょうし」




詩「いや、そんなにハードルを挙げられても……だが、期待に応えたいな」



俺は早速選び始める。







詩「よし、これでいいな。」



俺は必要な物を持って、霊夢の所にたどり着く。



霊「あら?意外と早かったわね?」



詩「ん~?結構悩んでた気がするが……ま、いいだろう」



俺は手元の衣類を手渡そうとする。



だが、霊夢は少し渋っていた。



詩「どうした?ちゃんと選んで決めたと思っているんだが…?」



霊「え、と、その、」モジモジ



霊夢は指と指を合わせながら話す。



霊「は、恥ずかしい///」



詩「……な、なんで?」




何か、こっちまで恥ずかしくなってくるな。




霊「その、巫女服以外を着るのは……久しぶりだから、緊張というか、なんというか」




詩「お前……可愛い奴だな?」



霊「んな!!?///」



霊夢は一気に顔が赤くなった。




霊「///あぁもう!恥ずかしいったらありゃしない!貸しなさい!着替えてくるわ」



霊夢は俺からひったくるように衣服を取ると、更衣室に入っていく。



俺は一応、更衣室の近くまでは寄って行くが、3m離れて後ろを向いていた。



霊「……恒例の言葉は必要かしら?」



詩「いや、要らない、俺は自分から覗くような輩ではないと思っているからな」




霊「そういうことなら、信じとくわ」





霊夢はそう言い残すと、着替え始める。




何か、人の着替えの音を聞くのは初めてだからなのかは分からないが……



……罪悪感しか感じない。



やばい……逃げたいな。



俺が今すぐ出ていこうか迷っていると、着替えの音が止んだ。



後ろから声が掛かる。



霊「……終わったわよ」



詩「お、おう」



俺はゆっくりと更衣室を見る。



まだ、カーテンは開いて居なかった。



詩「開けていいのか?」



霊「……人に見られたくないから、詩音、貴方自身が覗いてくれない?」




俺があの更衣室に顔を突っ込んで、霊夢の私服を観察しろと?




傍から見たら、変態に見られないだろうか?



そんなことを考えながら、更衣室に近づく。



詩「見てもいいのか?」



霊「い、良いわよ?ていうか、早くして頂戴。恥ずかしいから」




俺は意を消して、カーテンを少し開けて顔を突っ込んだ。




詩「……お、おお~!!」




そこには、可愛らしい姿の霊夢がいた。



上は青のTシャツに下は黒と赤のラインが入っているスカート。



手首には白と黒のブレスレットをつけさせており、髪型はポニーテールにしてもらった。




詩「いいじゃん、活発そうな女の子って雰囲気を感じるよ」



霊「ていうか、このスカート短くない?」



詩「普通はそんなもんだよ。少し跳ね上がるスカートが好感度を上げるんだぞ?」




霊「そ、そんなものなのかしら?」



詩「知らんがな?」





そんなこんなで、俺たちん買い物は終わった。



勿論、三日分の食材も買った。



霊「それにしても、悪かったわね。服や材料のお金出してもらって……」



詩「いいさいいさ、霊夢の私服姿が見れただけで俺は満足だよ」



実際、どれくらいお金持ってるのか、自分でも把握できていないからな。



財布には50万のお金があったが、ポーチの中には幾ら入っているんだか……




多分、入っていない……という可能性はないだろうな。




どんなに軽く見積もっても……100万はあるだろうな。



俺はこのポーチを持っている事自体不審に感じていたが、諦めた。




詩「さて、と……これからどうするかな」



霊「あら?何かやりたいことでも見つかったの?」



詩「家だよ、一応金はあるんだ。いつまでも霊夢の所にお世話になるってのもな?」



霊「……そのことなんだけど、いいかしら?」



詩「……なんだ?」



霊「その、あんたの家は……もう決まってるからいらないわよ」



詩「は?」



霊「だから!!あんたの家はあたしの場所、博麗神社ってことよ!」



詩「……その、なんだ……いいのか?」



霊「私は二度も同じことは言わない!恥ずかしいのを我慢して言ったのよ?詩音はどんな返事を返してくれるのかしら?」







詩「じゃあ、お世話になるよ……いや、違うな……これからもよろしくな霊夢?」



霊「ふふ、わかってるじゃない?」




俺たちはこれからの事も決まったので、俺の行動について話し合いをしながら帰っていった。





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