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五十一話

 城に撤退したのは、私達が最後だったよ。まぁ寄り道したし、仕方ないんだけどね。

 でも、有望な戦力を連れて帰ったんだから良いのよ、うん。

 

 深夜、私は身内を全員集めて会議をしたの。勇者に覚醒する為にはって議題でね。


 「従来は勇者の血筋をひく者に、勇者の証が現れるのを待つしかなかったわけよね? でも、王国一つが滅びて二十年も経過してるし、座して待つのはダメだと思うのよ」

 「勇者の証が現れるように、私達から働きかけようって言うの?」

 「けど、それはどうやるのか、皆目見当もつかないぞ」


 アレスとアリスがピーチクパーチク五月蝿いったらないわね。


 「勇者の血筋をひく人間の中で誰に任せるのか、いつ証を授けるのか、それを決めるのは神様でしょ?」


 そう言ってからシーラを見ると、シーラは頷いてみせる。


 「神は確かに実在する。その神様と直接対話できる場所か、あるいは神の代理を務める妖精なり精霊なりがいる洞窟か建造物か、そんなのがどっかにあるんじゃないかな?」

 「精霊の洞窟、古の神々の塔、妖精の森、混沌の海、怪しい場所は、今思いつくだけでも、かなりありますね」


 シーラが次から次へと妙な場所の名前を言ったけど、ホントに結構あるんだね。


 「母さん、シーラさんが言った場所は世界中に散らばってんだよ。全部回ったら数年かかるよ!?」

 「それがどうしたの? もう一刻の猶予もないのよ」

 「その神様と直談判するメンバーは誰にするんだ?」


 アリマが私とアレスの口論を抑えるように続きを促した。


 「まず当事者たるアレスとアリス、どうせシーザーとシータも一緒に行くでしょ? あとシーラ。神官職だし神様の事には詳しいよね。で、アリマ。アンタも護衛で行きなさい」

 

 ニコはカップル三組の中へ紛れるなんて絶対に嫌がるだろうから、除外しとこうかしらね。


 「それだと、この城の防備が大幅に低下しますよ?」


 シーザーが心配するけど、さっき見た限りじゃ内力を鍛えた奴は多い。だから多分大丈夫だと思うんだ。万が一、ここが落ちても人類にとって致命的なダメージになるわけでもないし。


 「ここは大丈夫だよ。もうすぐカレドニアからも援軍が来るよ」


 アリマが腕組みをして天井を見上げてるので、なんか不満があるのか聞いてみた。


 「不満はないよ。ただ、この城に撤退してきただろ? 城は魔族が囲んでやがるし、どうやって脱出したもんかな?」


 言われてみれば、確かにそうだよね。

 もっと前に話し合って行かせるべきだったわね。失敗したなぁ。


 「とりあえず、勇者に覚醒する為の方法を調べる。これは決定な? その為のメンバーも決まった。あとは如何にして魔族に知られないように脱出するか。それを各々で考えよう」


 次の会議は五日後だ。そうアリマが締めて会議は終わった。

 

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