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四十六話

 私達が魔族の群れを突破すると、城門が開いて私達を受け入れた。

 入るとクロヴィアの姫様と騎士達、そして町の住人達が大歓声で迎え入れてくれた。


 「よくぞ、あの魔族の群れを突破してきたものですね。その武勇に感服いたしました」


 姫様の言葉に私達は、頭を下げて感謝を述べる。

 横にいたニコが本当に小さな声で、「これが俺の嫁……」と呟いていた。

 シーザーはカレドニアの騎士として、本国からの増援は必ず出す事を伝える。


 「それは頼もしい。ですが、いつ到着するのか、それを知りたいのです」

 

 シーザーは困ったように私を見た。


 「姫様、先ほどは私達の武勇を賞賛して下さいましたが、あれは内力と内功を鍛えれば誰でも可能な技なのです」

 「私も些か武術を嗜みますが、それは知りませんね」

 「内力とは、身体の中で生まれる気の力だと思って下さい。内功とは、その内力を使いこなす為の技術なのです」

 「それは私達にも教えて頂けるのですか?」

 「勿論です。私達はその為に来たのです」


 カレドニアからの増援が必ず来る。それだけでも町の人たちには励みになったみたいだね。

 シーザーは姫様と共に行ったけど、他の面々は兵士や冒険者に内力について学ぶように勧めていった。

 最初は反応が鈍かったのよ。

 だけども、私が兵士から弓矢を借りて、気を込めて射て見せたんだ。

 矢は遠くの壁に深く刺さって抜けなかった。 


 「どうせ篭城で援軍が来るまでは暇なんだから内力を学びなさいよ。内力を高めて、それを使いこなす事さえ出来れば、住人でも恐ろしいほどの戦力になれるのよ。親を、子を、兄弟を、姉妹を、友を、仲間を、そして主君を守る為に学びなさい」


 内力を高める修行は、精神を安定させ落ち着かせる効果もあるのよね。

 だから、篭城で浮き足立つ事を防ぐ意味合いもあるっていうので、姫様も内力修行を推奨するようになったわけ。

 姫様も些か修行してるって言うだけあって気の運用と内功を教えてみたら、バターを切り裂くように城の外壁を斬り裂いていた。自分でも相当驚いたらしく、年齢相応に喜ぶ様は可愛らしかったわね。

 そんな姫様が魔族戦の大きな武器になるというので、自らも兵士達に内力を教え始めた。


 兵士達は姫様に直々に教えてもらえるっていうので、士気が向上して城内は明るい雰囲気に包まれている。ニコも美人の兵士に声をかけては内力の説明をして、その後は何やら口説いてもいるらしい。

 そうそう、私は町の中で下着を売ってる店を見つけたんで、早速購入したわよ。

 やっと落ち着いたわ、ホントにもう最悪だったよ。

 

 一ヶ月ほどが経過すると、私達が場内へ入った時の興奮も薄れてきた。

 内力の向上も地味な修行だし、飽きてやめる住人も出てきたので何とかしないといけない。

 ここでニコに任せると、またパンツがどうとかって話になるので先手を打つことにした。


 「私に賞金を出せというのですか?」

 「はい、お姫様主催で弓矢の大会を開きたく思います」


 姫様に賞金を出してもらう約束を取り付けて参加者の募集をしたのよ。

 兵士部門と民間部門。

 城門の上から魔族を目掛けて弓矢を射るの。

 勿論、皮膚の固い魔族は矢を通さないんだけど、そこは内力を使うわけよ。

 兵士部門で優勝した人は魔族を5体も倒してみせて大いに盛り上がったの。

 民間部門でも優勝者は3体を倒してた。

 そのうちの1体は鉄のように固い皮膚を持つ種族で、それを民間人が一発で倒してみせたのだから、大騒ぎになったわけ。

 これでまた内力を鍛えようって気風が盛んになって、場内が活気に満ちてきたのよ。


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