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四十三話

 魔族に囲まれた首都をどうするのか?

 まずは一戦すべきだという意見と、カレドニアからの応援を待ち、それから戦うべきだとの意見に割れてるらしい。


 らしいと伝聞調で言ったのは、私が会議に出ないでシーザーから結果を聞いたからだ。

 いや、私は会議に出席するつもりだったんだよ。会議室に入ったら摘み出されたのよ。

 子供扱いしてくれちゃってさぁ。

 腹が立つよね?


 「仕方がありませんよ、先生。この国は、まだ先生の武勇を知りませんし」


 そおかなぁ?

 シーザーは、そう言って私を宥めるけどさ。武勇ってより、子供扱いされてる事が気になるんだよね。


 「とにかく母さんは暴れないでくれよな。余計に話がこじれるから」


 暴れるわけないだろ。

 知り合いもいない他所の国でさ。


 「母さんってば、知り合いがいたら暴れる気だったの!?」

 「国家権力を握る奴が友人・知人にいれば、無茶苦茶やっても逮捕されないし、されたとしても、すぐに釈放してもらえるからな。姉貴は、そういう部分は用心深いんだぜ」


 やめてよね、そういう腹黒いような言い方しないでよ。アリマは元々同一人物なんだから、他人事みたいに語らないでほしいわよ。


 とにかく会議に参加できるシーザーに言いたいのは、勝ち負けじゃないのよ。

 敵包囲を突破して首都に入る事。中の人間に援軍は来ると教えたい。そして不安を解消する為に、内功を教えたい。

 覚えた人間は魔族如き、一撃で粉砕できるものね。どうせ死ぬなら一匹を確実に道連れにしろと言ってやるのよ。


 「分かりました。先生の意向を必ず伝えて実行されるように説得してきます」


 シーザー、頼むわよ。


 ちなみにシーザーが他国の会議に参加させてもらえるのは、カレドニアの騎士だからだよ。

 シーザーが会議に出席してる間に、首都から魔族軍が攻めてきたので、私は防衛戦に喜んで参戦する。魔族の数は、およそ30体ほどで様子見といったところかな。

 会議してる連中に知らせたから、出てくるまで待てと言われたけど、待てるワケがないよ。私、アリマ、アレス、アリス、シード、サラ、ニコ、シーラ、シータの九人で迎撃に出た。

 シータの攻撃魔法で魔族が怯むところを見逃さないで、突撃を開始。私達が突っ込むのを見て冒険者達も参戦したので、かなり大規模な戦いになっちゃった。


 シーラには冒険者達を優先して回復するように伝えたので、私達の戦死者はゼロで、魔族は全滅。

 私達の大勝利だったわよ!


 戦果は私達が27体、6人のPTが3チーム参加して、それぞれ魔族を一体ずつ倒して、合計30体を殲滅。

 ちょろいもんだったわ!

 それなのに、会議してる連中が出てきて戦力が揃うまで、待たなきゃダメだとか色々と説教された。

 なんでだよ、もう。


 でもまぁ、私達の戦果を見た連中は、まず一戦する方向でまとまったので、良しとしましょうか。

 タイミング良く攻めて来た魔族のバカどもに感謝だね。

 フヒヒヒ


 冒険者達は、さすがに目ざといもので内力や内功を知りたがっていたので、教えてやる事にしたわ。シードとサラを指導教育の為に残していくの。他は当初の予定通りに首都へ入る事を目標にするんだ。



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