表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/133

三十三話

 シーラとニコが私と共にクロヴィア王国へ行く事になった。個人の力なんて知れたもんだけど、やってやるんだ。


 ランスロー、ガレス、シーザーは、騎士なので、騎士団の命令に従うんだってさ。

 騎士達も民衆も勇者さえ現れたら、反撃開始だと鼻息が荒い。勇者の村が滅亡したのを知らないってのは幸せだよね。


 その時、2回戦を勝ち抜いた騎士の一人が、その姿を変え始めた。見ている間に人とは思えない程に巨大になった。

 肌の色も青く、それは、極めて冷たい氷を感じさせた。

 変異を終えた姿は、まさしく異形と呼ぶに相応しい爬虫類のような外見の魔族だった。

 民衆は王都にいるはずのない、その存在を目の当たりにしてパニックを起こして逃げ始める。

 私達の半分は王を護り、もう半分は剣を抜いて魔族へと向ける。


 「貴様は、いつエクターと入れ替わったのだ!!」


 ガレスの怒号が響き渡る。

 普段は口うるさいオッサンだけど、こういう時は頼もしいなぁ。なんてゆーか安心感があるよね。

 逃げ惑っていた観客達も落ち着いてきたよ。


 「素直に教えると思うのか?」


 魔族はガレスを相手にしない。まぁ内部事情をペラペラと喋る奴なんかいないよね。

 でもさ、こいつらバカっぽいし、何か工夫すりゃ喋るかも?


 「どうせ、魔王に命令されたんでしょう? この王国を護る騎士から魔族に変異する奴が多勢でたら面白い、なんて理由でさ」

 「貴様は何故、魔王様のお心が分かったのだ? 貴様も魔族なのか?」


 ちげえよ、このトカゲ野郎。

 弟子ども、笑ってんじゃねーよ。


 「せっかく魔王が、そんな楽しいサプライズを企画したのに変身を解いて、どうするのさ? 魔王の計画は失敗じゃんよ」

 「仕方がなかったのだ。人間が、あまりにも笑える事を言うものだから、つい変身が解けた」

 「ふ〜ん、魔族を笑わせる事が出来る愉快な事って何なのよ? それくらい教えなさいよ」


 魔族は思い出し笑いでもしてるのか、心底愉快で堪らないって感じで言った。


 「いいだろう、教えてやろう。勇者の一族は我々が滅ぼしたのだ! 有力な勇者の候補は首を切り取って、魔王様の城に飾ってある。それも知らずに勇者の登場を待ち望むなど、人間は笑わせてくれる」


 アルスの首が無かったのは、そういう理由だったのか。魔王をぶち殺す理由が増えたね。


 「人間は繁殖力が強いから、首を切り落としておかないと、すぐに増えてしまうのだ」


 この野郎、私達をゴキブリ扱いかよ。


 「それで、このサプライズ企画は続けるの?」

 「いや、引き上げよう。手品のタネが知られたら面白くないだろうからな」

 「最後に一つ、教えてくれない?」

 「なんだ?」

 「その勇者候補は首だけじゃなくて、腕も食い千切られてたのよね。誰が食べたの?」


 魔族の表情は、よく分からないけど、意外そうな顔をしてたように思う。何で知ってるの?って感じかな。


 「あれは私が食べた。腕を食い千切られた時の、奴の苦痛に歪む顔は忘れられない愉快な思い出だ。

 出血多量で動きが鈍くなるのを、仲間達が嬲り抜いた。最後に首を斬り飛ばした時の無念の表情は最高だった!」


 アレスとアリスは顔面蒼白になっているね。そりゃそうか、私を守って死んだとしか知らなかったんだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ