十九話
シーザーと一緒にシーラも帰ってきた。この子は回復魔法に非常に才能があって魔法学校へ行ったんだよ。そして神殿で貧しい人を相手に無料か、格安で治療をしていたらしい。
いまや、その能力は千切れた手足も再生させるんだとか、死んでなきゃ元通りに回復させるとか、凄い事になってるらしい。
シーラが勇者の村にいたら、もしかして人間が勝ったんじゃないかな?
そんな風に思わされる才能だ。
シーザーが故郷へ帰るのに合わせてシーラも帰ってきた。
こちらの寺院で治療の仕事をやるそうだ。
この町の最高司祭となって赴任という話だったそうだが、寺院のトップになってしまうと治療の時間が減るので辞退したらしい。
「先生、私も仕事の合間に手伝いますね」
「ありがとう、教え子が二人も戻ってきてくれて嬉しいよ。しかも世俗の地位より人助けがしたいなんて、シーラは私の誇りだよ」
「先生の教えに従ってるだけですよ」
いつか、勇者の証が現れたら協力してもらおう。この娘は信頼できるもんね。
シーラが戻ってきて、シータとシードも喜んでいたのだけど、一番喜んだのはニコだった。
神官のゆったりした服装だったから、私も気がつかなかったんだけどね。
一緒に風呂に入ったら、大きかったよ。
もう巨乳にして美乳。
こんな胸して、よく神殿のスケベ司祭に目をつけられなかったもんだよね。
ちょっと揉んでみたら、何とも気持ちの良い柔らかさだった。
男が夢中になるのが分かるね。
そういや、この世界に来るまでは私も男だったんだ。久しぶりにあの頃の情熱が蘇るぜ!
てな事もなく、肌の張りがピッチピチなのが羨ましいな~とか考えてた。
水をはじくんだよ。
「先生、あのニコって子は、どうにかなりませんか?」
「どうしたのよ?」
「私の胸を触るんですよ」
「ここか? ここがエエのんか?俺が大事に育てて大きくしてやるから。な、な、いいだろ?少しだけ、少しだけ触らせて? 先っちょだけでもいいから! 口に含んで吸ってもいい?」
「先生、見てたんですか!? だったら止めて下さっても」
「いや見てないよ。シーラが来る前は私がやられてたんだよ」
「そうだったんですか」
「構わないからぶっ飛ばしちまいな!」
「先生、私は護身術はもう忘れてしまいました」
「そうなの?まぁ回復魔法一筋に頑張ってきたんだから仕方ないけどね。じゃあ今からでも覚えるかい?」
「お願いします。貞操の危機を感じるのは気のせいだと思いたいのですけどね」
「ニコは、そこまではやんないよ。せいぜい揉むか、しゃぶるくらいかな」
「しゃぶられるのはイヤですよ、先生」
「分かってるよ。素手の技なんだけどね……」
私は素手の護身術を教えてやった。手が触れた状態から撃てる技でまともに食らったら失神するかもって技だ。死ぬ心配は……ニコに限ってはないだろうね。
シーラは驚異的な集中力と物覚えのよさを発揮して技を覚えてしまった。
「シーラ、あんたは天才だわ!」
「いえもう、今回は貞操の危機を感じてましたので特別ですよ」
ニコと同世代の子は、この技の天才的な使い手が増えそうな予感がするよ。