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百十八話

 これより魔王の城へ進軍かって時に、『待て』と伝令が来たのよ。よほど無視しようかと思ったんだけどね。周囲が私を拝み倒すから、つい了承しちゃったの。


 「で? 何で進軍を止めたのよ?」

 

 と、私が聞くと使者は答えた。


 「アラディン殿より、新型の大砲が完成したので持っていけ、との事ですが、如何なさいますか?」


 いやぁ、話を聞いて正解だったわよ。もちろん、持っていくってば。だけど、ここまで来るのに、どれだけ日数が必要になるのかな? そう聞いてみたらね、こちらに味方すると宣言した巨人の一部族が手伝ってくれるらしくて、物凄い速度で接近中だそうだ。

 とりあえず、一週間以内の予定だってさ。


 それならランスローやニコ達に先に進軍してもらい、籠城中の魔王軍を牽制してもらおうかな。包囲するだけで構わないんだよね。中から出てきた奴だけ倒してもらって、あとは私達が来るまで待つだけの簡単なお仕事ってなわけよ。一応、魔王が直接出てきても困るから、ウチの子たちも連れてってもらおうかな。そしたら魔王も自重すんでしょ?


 たぶんね。


 二日ほどしてから、ニコの部下を主力とした部隊と、ランスロー達のカレドニアの精鋭部隊が出陣していったんだ。それを見送るのは私とヴァルキリーの名前を与えた女の子達ね。ウチの子供達はスレッジと、その部下の隠密が得意なシーフ達と、身軽な動きを得意とするコボルト達の混成部隊と共に出撃していったんだ。子供達は魔王の城の裏側から侵入できないかを探るワケよ。

 もしも見つけたなら、そこから侵入して魔王へ不意打ち攻撃を仕掛けてやるつもりなの。ただ、出来れば大砲を撃ち込んで混乱の極みに達してからの方が効果的よね。だから通路を見つけても、大砲が撃ち込まれるまでは待機してなって言ってあるんだ。


 大砲が届くまで暇だったんだけども、ヴァルキリーの子達が自分達に匹敵する強さだっていう娘達を連れてきたんだ。そういえば以前に連れておいでって言ったんだっけ? 

 私の前に並んだ娘は7人で、実力を見るために剣を交えたんだけども、全員が文句無く強かった。その強さに満足したので、私は7人にランドグリーズ、ラーズグリーズ、レギンレイヴ、エルルーン、ブリュンヒルデ、シグルドリーヴァ、シグルーンの名前をつけてあげたんだ。


 ランドグリーズとラーズグリーズは、双子みたいに似てるなって思ったら、やっぱり双子だったんだってさ。双子みたいって思ったのは印象が違うからなんだよ。二人ともツインテールで黒髪でね、同じ衣装を着てるのを見ると、好みとかセンスも似てるんだと思う。それなのに印象が違う最大の理由は目だと思うんだ。ランドグリーズはネコみたいなツリ目で、ラーズグリーズはタレ目なんだよ。そのくせ性格は印象とは真逆なんだよね。ランドグリーズはおっとりしてるけど、ラーズグリーズはキツイ感じ。武器は二人ともバスタードソードを使うけど、ランドグリーズは防御、ラーズグリーズは攻撃に光るものがあったね。


 そして、もう一組双子がいて、こっちは見分けができない正統派の双子ちゃん。シグルドリーヴァとシグルーンと名づけた娘達でね。深くて暗い緑色の髪の毛をサイドテールにしてるのよ。それでね右か左か、髪をどっちから垂らすかで二人を区別してんのかと思ったら違ってた。両目の目尻よりも、やや下の辺りに小さな刺青がしてあって、これが違うんだよね。ちなみに、その刺青は勇気とか正義とか、そんな言葉をイメージして作った紋章っていうか印っていうか、そういうものらしいよ。

 武器は二人ともやや短めの曲刀を使った二刀流で、技は変幻自在と言っても良いね。これで双子が連携したら、それを凌げる剣士は、果たして何人いるだろうか、と思うね。


 レギンレイブは腰まで届きそうな明るい茶色の長い髪を三つ編みにして垂らしていて、頭には大きな獣耳があって、いつもピクピク動かしているんだよ。ずいぶん遠くの音も聞こえるみたいで、その情報を絶えず周囲に告げてるんだ。元の世界で言うならレーダーみたいな子だね。武器は薙刀をつかっていて、遠い間合いから厄介な攻撃をしてくるんで、とても大変だったよ。


 エルルーンはグレートソードを軽々と振り回す娘で、鬼みたいなツノが生えてるんだよ。だからあんなに大きな両手剣を振り回せるのかもしれないね。両手剣を軽々と振り回す膂力だけでなく、足腰の力、瞬発力も凄いの一言でね。遠い間合いで届かないだろうと思うと、内力を上乗せした強大な力で飛び込んでくるんだ。巨大なダンプカーがスポーツカーの最高速で突っ込んでくるって言えばイメージしてもらえるかな。そのくせ本人は上品そうな雰囲気の美少女なんだから面白いよね。

 髪の毛は雪のように真っ白で、ロスヴァイセから聞いた話では、小さい頃に虐待を受けてなったらしいんだけどね。心に深い傷を負っただろうに、負けずに頑張ってるなんて強いね。


 最後のブリュンヒルデは輝くようなプラチナブロンドの美少女で、髪型はその時々で変えてるんだってさ。だからセミロングで応用が利くような長さにしてるみたいね。その光輝く髪が目立つので、どこにいても、どんな髪型にしても、すぐに本人だって分かっちゃう。ああいう綺麗な髪には憧れちゃうね。

 もう一つ特長として、背中から本人の意思で光の翼みたいなのが出てくるんだ。これは内力を鍛えた頃から現れたそうで、30秒くらいなら飛べるって。

 実際に手合わせした時は、その自在な飛翔能力に幻惑されたよ。お風呂に入った時に背中を見たら、凄いキズがあってね。子供の頃は背中に本物の翼があったそうなんだけど、それを魔族共の虐待で引き千切られたんだそうだよ。だから内力が光の翼となって出たのかもね。

 武器はエストックなんだけど、対魔族用の実戦を考えて作られた頑丈な剣で、これならどんな防御力を誇る皮膚だろうと、装甲だろうと打ち抜くだろうね。


 最初の5人と合わせて12人。キリの良い数字だよね。元の世界の仏教だと12神将とかあるしさ。ワルキューレは北欧神話の存在なのに、12神将で仏教ってどーよって思うけどさ。ほら、ここは異世界だからね。何でも有りって奴よ。どうせ、こっちの連中には分かんないし……


 ロスヴァイセにね、まだ強い子いるのって聞いたら、もういませんって答えたんでホッとしたよ。

 だってもう、ワルキューレの名前をこれ以上覚えてないし、13人とかになると、裏切り者が出そうな数字じゃない? これから強い子が出てきた時に備えて、他の褒美を考えておいたほうがいいかもね。


 次は褒美として、名前じゃなくて剣でもプレゼントしようかな?

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