その6
クラウスの馬は、クラウスが呼ぶとすぐに顔を出した。
馬具を取り付け、並んで進み始めると、クラウスの馬が時折、サーレスの馬に興味を示したように、鼻先でつついていた。
「……そちらの馬を離してもらえないか。こちらの馬が、怯えてる」
言われたクラウスは、なにを指しての言葉なのかちゃんと読み取ったらしい。読み取りはしたが、止める気もないようだった。
「気に入ってるようなので、私でも止められる確証はありませんが」
「無責任だな」
「そちらの馬は、お若いですよね」
「まだ2歳だ」
「だそうだから、ディモン、やめなさい」
ディモン、と言うのがこの馬の名前らしい。
ちらりと主人の顔を見て、フン、とひとつ鼻息を出した。
「せめて4歳くらいにならないと、花嫁にはなってくれないぞ?」
まじめに自分の馬に話しかけているクラウスに、サーレスは首をかしげた。
「その馬は、人の言葉が理解できるのか?」
「概ね、理解していると思います。ただし、理解したからと言って、聞いてくれるとは限りませんが」
「……不思議な馬なんだな」
「これは、私の住んでいた離宮近くにある森にいた、野生馬たちの長です。地元では、そこは妖精の森と呼ばれていて、その野生馬たちは妖精馬と呼ばれています。人に慣れるどころか、姿を見せることもあまりないので、私がこれに乗って帰ったときは驚かれました」
「どうやって見つけたんだ?」
「城が息苦しいと感じた時、逃げ場所にしていたのが、森の中にある花畑だったんです。いつも自分が休憩場所にしているところに、これが居ました」
「それで、乗って帰った?」
「いえ、その時は、まだ六つくらいの時で、とりあえずどいてもらって、そこで休憩してました」
「……素直にどいてくれるのか」
「全然素直じゃないですよ。威嚇はするわ頭に飾ってあった花は食べるわ、下手したらドレスまで破かれそうになったので、鼻面を力一杯平手打ちしました」
「馬を……殴った?」
小さな少女、最もこの人の場合、少年だが……が、巨体の馬相手にそんな事をすれば、普通、命に関わる。無事だった事の方が、謎だった。
「ええ。そしたら、どうも認めてくれたようで。そのあとは、私が行っても、素直にどいてくれるようになったし、騎士になるので馬が要ると言ったら、素直についてきてくれました」
「では、それは、あなたにとっては友なのだな。その、ディモンとやらも、そう思っているから、あなたについてきているのだろう。いい関係だな」
「そう思っていてくれているならいいのですが」
苦笑しているクラウスに向けて、ディモンが嘶いた。
二人並んで離宮に到着した時、ちょうどユリアの指示で、馬車から荷物が降ろされているところだった。
その仕事を行っているのが、見たことのない二人だったので、思わず繁々と観察していたら、隣から声が上がった。
「グレイ。ホーフェン。私の荷物は?」
「全部持ってきた。お前、ドレスだけなんであんなに何着も用意したんだ? 纏めるのに苦労したんだぞ」
薄い金色の髪に水色の瞳の青年が、穏やかそうな顔を精一杯しかめてクラウスを睨んでいた。そんな視線をどこ吹く風と受け流したクラウスは、心配そうに、その手元の荷物を見ていた。
「シワなんかつけてないだろうな」
「ついてても苦情受け付けはしておりません」
ビシッと敬礼しつつ、口調は、明らかに上官に対してのものじゃない。だが、これで二人の素性は明らかになった。この二人が、今回、クラウスに同行していた黒騎士の二人なのだ。王宮でちらりと見たときとは表情が違う。まるで別人のような変わりようだった。
その二人が、不思議そうに自分を見ているのに気が付いた。そりゃ、不思議にも思うだろう。自分達の上官が追いかけていたのは、姫のはずなのに、目の前には、トレス王太子そっくりな人間が居るのだ。そしてサーレスは、自分の外見が、絶対に姫に見えないこともよく理解していた。
「……ええと? なんで、王太子殿下がここに?」
「違う。サーレス殿だ。詳しくはあとで話す」
クラウスは、それしか言わなかった。おそらく、近くにいる、この屋敷の使用人達のことを察知したからだろう。
「あ~……。ここの使用人達は、警備兵も含めて、私が小さい頃からずっとここにいて、私の世話をした者ばかりだ。私のことは、すべて知ってる。お二方、私の乳兄弟が世話になった。私がサーラだ」
二人とも、ぴくりとも動かない。
「……団長?」
「本当だ」
おそらく、彼らにとって、団長の言葉は絶対なのだろう。一瞬、二人揃って苦悩を表情に浮かばせていたが、すぐに顔を上げ、馬車を飛び降り、並んで敬礼した。
「初めてお目もじ仕ります。私はブレストア黒騎士団所属、ホーフェン=アルケイドと申します」
先程の薄い金色の青年が先に名乗った。それなら、おそらくこの二人の序列としては、こちらが上なのだろう。
外見的には、もう一人のほうが年上に見えた。
そのもう一人も、ホーフェンに続いて自己紹介をした。
「同じく、グレイ=ハルフィードと申します」
こちらは、黒髪に、瞳は、青みがかった灰色だった。あきらかにこの大陸ではありえない色合いに、黒騎士団の多様さが窺い知れた。
「こちらにいる間は、姫君にもお仕えするようにと団長より命じられております。何なりとお申し付けください」
「いや……さすがに、他国の騎士の方々になにかを命じられるような身ではない。この宮殿にいる間、どうか客人として寛いでもらいたい」
「ありがとうございます」
二人が挨拶をする姿を見ながら、クラウスが不思議そうに首をかしげた。
「よろしいんですか? この二人にも正体を知らせて」
「この方々は、黒騎士だろう? 黒騎士というのは、団長の命には絶対に従うと聞いている。あなたが、私の事を尊重してくれるなら、このお二人も同じだろう」
あっさりと言い放ち、馬を厩舎番に預ける。クラウスは、自分の馬が人の手に負えないことを分かっているので、とりあえず降りただけだ。手綱を離すと、サーレスの馬について行った。厩舎番が驚き、後ずさった。
「ディモン、頼むから、噛んだり暴れたりはしないでくれよ」
クラウスが、自らの馬に声をかけると、それに続くようにサーレスも声をかけた。
「そうだぞ。今、厩舎には、妊婦が居るんだから、暴れられたら困る」
その言葉に、クラウスが顔を上げた。
「繁殖中ですか」
「ああ。もともと、私が乗っていた馬だ。さっき乗ってたのは、その馬の妹なんだ。両方、母親も含めて、私の馬なんだ」
「……では、ここの厩舎は、牝馬ばかりですか?」
「一応牡馬もいるし、私の馬は、他の馬とは別の場所に入ってるよ」
その言葉で、クラウスは慌てたように、すでにかなり遠くに行っていた自分の馬に声を上げた。
「ちゃんと厩舎番の言葉を聞いて、入る場所は指示に従え! 間違っても、その子と同じ厩舎に入るなよ!」
どうやら、その言葉はちゃんとディモンの耳に入ったらしい。振り返り、主のことを睨んでいる。明らかに不満そうだ。
「ディモン。お前が紳士であることを祈るよ。同じ厩舎に入るのはいいが、私の馬を驚かせたり怯えさせるのは無しにしてくれ。みんな、恐がりなんだ」
その言葉を聞いて、ディモンは、返事を返すようにひとつ嘶くと、改めて厩舎番について歩き始めた。
その様子を見て、クラウスはもちろん、黒騎士二人が驚いて目を剥いた。
「あのディモンが、私以外の言葉を聞き分けたのを初めて見ました」
「今までは、聞いてないフリをしてただけかあの野郎」
ホーフェンが舌打ちと共に吐き捨てた。
おそらく、クラウスの従者として、今まで散々あの馬に苦労させられてきたのだろう。その様子を見て、サーレスはクスクスと笑った。
「馬扱いするからいけないんじゃないか?」
「は?」
「あの馬は、すごく頭がいいんだ。あれを一個の人格だと思い、クラウスと同じ身分だと思って扱うといい。少なくとも、あの馬自身は、クラウスを己と同等の存在だと思っているんだ。それなのに、その部下から、馬扱いしかされないとなると、拗ねてわがままもしたくなるんじゃないか?」
ホーフェンが、ぽかんと口を開けていた。
「だから、手綱を引いて連れて行くのではなく、厩舎に入ってくれないかとお願いしてみればいい。あれ自身は、厩舎の場所も知っているのだし、そこに入ること自体は嫌じゃないようだ。馬具も、お願いしてみればいい。それが必要なこと自体は、きっと理解しているだろう?」
サーレスのその言葉に、クラウスはため息と共に呟いた。
「ぜひ、試してください。もしかしたら、おとなしくつけてくれるかもしれません」
二人の黒騎士が、自分達の上官の言葉に、深く頷いた。
「あらあら、こんな場所で立ち止まって、どうなさいました?」
建物の中から、壮年の女性が軽やかな足取りで現われた。
紅茶色の髪とその瞳の色、そして顔かたちも、ユリアにそっくりなこの女性は、サーレスとトレスが、共に逆らうことのできない、乳母のティナだ。
今は、この離宮にいるはずになっているサーラが、ここで生活をしているように見せかけるため、王妃と二人の子供達の、一番の理解者でもあるティナがここを管理していた。
「ティナ」
「サーレス様、お元気そうですね。また大きくなられましたか?」
「もう身長は変わらないよ。これ以上大きくなっても困る」
苦笑したサーレスを気安げに抱きしめた乳母は、そのままその視線を隣に居たクラウスに向けた。
「こちらは、クラウス殿下でしょうか?」
「はい」
「私は、王太子殿下と姫君の乳母を務めました、ティナ=カレイドと申します。今は、こちらの離宮を任されております」
「本日より、部下二名と共にお世話になります」
「王妃陛下より、承っております。どうぞ心行くまでご滞在くださいませ」
微笑みと共に、優雅に頭を下げた。
ティナは、娘に声をかけ、使用人達にてきぱきと荷物の搬送を振り分けた。
「そう言えば、ガレウスは?」
まだ馬車の中にいたユリアに、サーレスが問う。いつもは、離宮に来るときは、ユリアだけではなく、ガレウスも、妹を送り届けるという理由で共に来るはずなのだが、姿が見えない。
「あとできます。王太子殿下のご用があって、同時に出発ができなかったんです。でも、それが終ったら、お休みがいただけるそうです」
「なるほど。休みの口実を使って、二人ともが来てくれたのか。悪いな」
サーレスの言葉に、ユリアは微笑んで、それを否定した。
「久しぶりのお休みが頂けるということで、兄も私も大喜びですわ。せっかくですし、親孝行します」
「じゃあ、私も乳母孝行しないとな」
サーレスは、ユリアから手荷物を受け取り、その手を取って馬車からユリアを降ろした。 外から見ると、王子が姫を迎えるように恭しい。
本来なら、いくら乳兄弟といえど、王家の人間が使用人にここまですることはないだろう。これも、サーレスの特殊な環境の表れだった。
サーレスは、王家の人間だが、表向きの身分では、王太子に仕える従者である。これは、ガレウスと同等の身分であり、王妃に仕えるユリアとも、ほぼ同等なのだ。
生涯を、この身分で過ごす覚悟を決めていたサーレスにとっては、ユリアもガレウスも同士である。
その時、サーレスは、ふと視線を感じ振り返った。
青。
あの日見た、クラリスの瞳。それが、サーレスとユリアを見つめていた。
視線が合えば、クラウスはそれまでの表情を一変させて、にっこりと微笑んだ。
その時、ようやく気が付いた。
その瞳の中の炎は、クラリスの、唯一表に現われていた、羨望の感情だった。
深夜になっても眠れないサーレスは、ベッドに腰掛けて窓の外を見ていた。
ひたすら心をかき乱された一日だった。自分の心すら頼りなく思ったのは、初めてのことだった。あの瞳に見つめられると、自分の思考が止まる気がした。なにも考えられなくなって、真っ白になるのだ。
このままじゃ、眠れそうにない。ひとつため息をついて、立ち上がる。
酒蔵から、一本ワインでも失敬しに行こうと、部屋を抜け出した。
しかし、階段を下りようとして足が止まる。
踊り場に、月の光を受けて輝く金茶色が見えた。
「……あなたも起きていたのか」
おそらく、誰かが来ているのは察していたのだろう。慌てることもなく、青い瞳がこちらを見あげてきた。
「私はいつも、寝る時間が短いんです。一眠りして、起きたんです」
外を見ると、まだ月は中天にある。朝とは言えない時間だが、クラウスにとっては朝らしい。
「じゃあ、おはようかな?」
「あなたは、まだ寝ていないのでしょう?」
「寝付けないから、ワインでも飲もうと思って」
肩をすくめたサーレスを見て、クスクスとクラウスは笑った。
「今日は、ユリアさんは、ワインを用意してくれなかったんですか?」
「ユリアは、親子水入らずだし、邪魔するのも悪いからな。呼ばなかったんだ」
「なるほど……」
そして、会話が一段落したところで、今までクラウスが視線を向けていた場所に、サーレスも目を向けた。
そこにあるのは、国王一家の肖像画だった。父と母と兄が写実主義で知られた画家によって描かれている。
その横に、その一家に全く似たところのない、可愛らしい姫君が描かれていた。
白のレースで飾られたドレスを、病的なまでに白い肌の少女が纏っている。それもあって、その部分だけ、白く浮いて見えている。
手足は折れそうなほどに細く、ちらりと見える手首は、描かれている王太子の半分ほどにしか見えない。
茶色の髪は、耳の上で左右に二つにくくり、そこにはレースのリボンが飾られている。
「……この肖像。この姫はどなたですか?」
「サーラだ」
クラウスが、不思議そうに首をかしげた。
「……他の方は、ずいぶん似せて描かれているのに、どうしてまた、姫だけがこんなに似ていないんですか」
「今、王宮に飾られている絵画には、一枚もサーラの肖像がないんだ。せめて一枚ぐらい、姫を入れてもいいじゃないかと母上が言い出したのだが……。この絵を描くときだけドレスを着てくれればいいからと言ったのだが、絵を描くのは、下書きの間だけと言っても時間がかかる。結局、私はわがままを言って、ドレスを着なかった。そうしたら、画家が、どんな姫君か教えていただければ、それを元にして肖像画を描くと言ったらしい。母上はここぞとばかりに、昔、騎士の修行をする前の私の姿を思い描きながら説明し、さらに画家自身が得ていた、病弱なサーラというイメージが合わさって、こうなった」
「……本人を知る身としては、居たたまれません」
「描かれた本人も、居たたまれないぞ」
「王妃陛下は、こうなることを想像しなかったのでしょうか?」
「いや。兄上が言うには、一応、控えめに伝えたそうなんだ。だが、画家の想像も入ってしまった。おかげで、病弱で、儚げで、吹けば飛びそうな、こんなかわいらしい姫君像になった。できあがって、母上が驚愕のあまり倒れたんだ。確かに、理想的な姫君なんだが、あんまりだと。だから、王宮には飾れなかった。仕方なく、ここに飾って、王宮には姫抜きの肖像画を飾ったんだ。その画家の腕は確かだからな。その証拠に、父上も母上も兄上も、まるで生きているようだろう。だから、廃棄するのは申し訳なくてな」
苦笑したサーレスを、クラウスが笑うことなく見上げていた。
「……サーレスの肖像画は、ないのですか?」
「あってどうする。トレス王太子の肖像画が大量にあるのに、そのそっくりな偽物の肖像画など、必要ないよ」
「私は欲しいのですが」
「……あなたには、私と兄上が見分けられるのかもしれないが、画家達は見分けられないんだ」
不思議そうな、問いかけるような瞳が、サーレスに向けられた。
それを見て、サーレスは肩をすくめた。
「実はな、私の肖像画がないわけじゃないんだ。ただ、その肖像画は、トレス王太子の肖像画として飾られているだけだ。兄上が忙しいときは、私が肖像画のモデルになったりしていたが、画家に疑われたこともない。だから、サーレスとしての肖像画は、無理な話なんだ」
「……不甲斐ないですね。画家が観察眼を磨かなくてどうするんです」
「無理を言う。私たちをちゃんと見分けたのは、あなたが初めてなんだぞ?」
「私に絵心があれば、あなたの肖像画を描くんですが……さすがに、騎士団で、画家の修業はできませんでした」
「確かに、絵筆は、騎士には必要ないかもしれないな」
サーレスがクスクスと笑った。
「もしかしたら、王宮内に飾ってある肖像画のうちで、あなたの目にサーレスに見えるものがあるかもしれないぞ?」
「今度、忍び込んで、見てみます」
その言葉に、我慢できないとばかりにサーレスがさらに吹き出した。
「忍び込まなくても、堂々と正面から入って見ていいんじゃないか? 今はあなたは客人なんだから」
クラウスは、その顔を、じっと見つめていた。
「……やっと、笑ってもらえました」
「……え」
「ずっと、私の前だと、難しい顔をなさっていらしたので」
「……そうかな」
「いつも見に来ているときは、笑顔のほうが多かったんです。それなのに、私の顔を見ると、いつも難しい顔をなさっていましたから、どうしようかと思っていました」
「それは、しょうがないと思うがな……」
「そうですか?」
「今まで、一度も起こったことのない問題が発生したんだ。解決のために悩むのは、しょうがないと思わないか?」
そのサーレスの言葉を聞いたクラウスが、にこっと笑った。そして、小さな声で呟いた。
「なるほど……。今は、サーレスですね」
「……は?」
「なんでもありません。それよりも、せっかくですし、ワインもご一緒してもいいですか?
カセルア産のワインは、こちらに来てからまだ味わったことがないんです」
「それはもったいないな。ぜひ味わってもらわないと」
そうして、二人揃って、酒蔵に足を向けた。
「……そういえば、あなたは、チェスをしますか」
「ん?」
「トレス王太子殿下と言えば、この大陸でも並ぶもののない名手ですよね。その影武者をなさっているあなたも、同じほどの腕前なのかと思って」
「兄上は強いぞ。私よりずっと」
「寝付けないというなら、時間つぶしに、一手お願いできませんか?」
「あなたと?」
「はい。それで、勝った方が負けた方の言うことを聞く、というのはいかがでしょうか」
それを聞いて、サーレスは唸った。
「賭けか。やるとティナがすごく怒るんだが」
「誰か他の方ともやったことがおありですか」
「主に兄上とだ。珍しい酒をかけてやることが多いが、そういう時の兄上はまったく容赦がない。兄上の本気が見たい時に、たまにやることにしている」
虚を突かれたような表情のクラウスを見て、少しだけ、楽しい気分になった。
「やってもいいが、それで結婚しろっていうのは無しだぞ?」
「もちろんです」
嬉しそうに微笑んだクラウスは、たとえ騎士服を着ていようと、大変可愛らしかった。