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その15

 サーレスは、居たたまれない思いで、そこに座っていた。

 正面では、王妃がとても機嫌良さそうに、刺繍台に向かっている。

 そしてその隣で、なぜかドレス姿でクラウスも刺繍台に向かっている。

 サーレスは、二人が優雅な手つきで見事に刺繍する側らで、体を縮めてそれを見ているのである。


「……ええと、母上。私はいつまでこうしていれば?」


 首を傾げて尋ねたならば、母はそんなサーレスに見向きもせずにきっぱりと答えた。


「もうしばらく我慢なさい」

「はい……」


 刺繍となると、サーレスはなにひとつ手を出せない。

 真っ直ぐに縫うことすら難しいのに、それを模様の形に添って縫っていくなど、まずできそうにない。

 そんなサーレスと違って、正面の二人の手元は、見るまに艶やかな色に染まっていく。

 その模様は、国の花ルサリス。すなわち、サーラの御印である。この布は、サーラが輿入れの時に持っていく、嫁入り道具のリネンなのだ。

 それを、嫁にもらう側のクラウスが刺繍しているのもおかしな話だが、本来は花嫁本人が刺繍する習わしなのを、できないなら代わりに刺すからとクラウスが名乗り出たため、こんな事になっている。

   

母に、結婚の承諾をしたことを伝えに来ただけなのに、なぜこんな事になっているのか。


 サーレスは、疑問に思いつつも、大人しく二人が刺繍する様子を見ていた。


「……ほんとにお上手だこと」

「ありがとうございます」


 クラウスの手元に咲いた刺繍の花を見ながら、王妃は嬉しそうに微笑んだ。


「私、娘とこうやって刺繍をしたりするのが夢でしたのよ。今日はその夢が叶いましたわ」


 微笑む母親に、サーレスは恐る恐る声をかけた。


「母上、それ、婿……」

「おだまりなさい」

「はい……」


 静かだが、有無を言わせぬ迫力に気圧され、口籠もる。


「サーラは、何度教えても、模様が作れませんでしたのよ」


 機嫌の良さそうな母親に、これ以上何か言うのも憚られ、サーレスはそっと目を伏せた。


「こちらに伝わる刺繍の図案があれば、私が覚えます。姫が女の子を産んだら教えますので、見本を譲っていただけますか」

「まあ! ええ、ぜひそうしてください。嬉しいわ」


 そこに展開されていたのは、仲のよい嫁と姑の図だった。そこにサーレスの入る隙はない。

 そもそも、報告に来るのに、ドレスを着てくるように指示が出されていたというのも不思議な話だった。

 夜が明け、二人並んで離宮に帰り、兄に了承したことを伝えた。

 では王宮にも報告に行かなければという話になり、クラウスに、じゃあ着替えてきますねと言われ待っていたら、現われたのはクラリスだった。

 どうやら、離宮に行くようにと告げられた時点で、報告の時のことも指示されていたらしい。

 道々、首を傾げていたのだが、母の喜びようを見て、納得した。

 常々、ため息を吐きながら語っていた夢とやらを、クラリス相手にしてしまうつもりだったのだ。

 せめてもの救いは、クラウスが無理をしている風ではないことだろうか。

 ぐっとため息を飲み込んだサーレスは、用意されていた紅茶を一口含んだ。


 その、サーレスにとっては居心地の悪い時間に終わりを告げたのは、遠慮がちなノックの音だった。

 王妃は、了承の声をかけ、重々しく扉が開かれた。

 そこに立っていたのは、サーレス達と一緒にこちらに帰ってきていたユリアと、王宮女官長の二人だった。


「全てご用意整いましてございます」

「そう。ではここに運び入れてちょうだい」

「かしこまりました」


 二人は恭しく頭を下げ、扉を全開にした。

 その背後に控えていたものを見て、サーレスは元より、クラウスも驚いて目を見開いた。

 大勢の女官達が、大量の衣装箱を抱えて並んでいたのだ。

 それらが、恭しく部屋に運び込まれ、王妃の部屋は、あっと言う間に衣装箱だらけになってしまった。


「……母上、これなんですか?」


 サーレスの疑問に、母は答えることなく、女官達に命じて衣装箱の蓋を開けさせた。

 中から出てきたものを見て、サーレスは呆気にとられ、クラウスは感嘆の声を上げた。

 それは、大量のレースと、刺繍が入れられた布だった。

 それは、どれも、白の糸を使って作られているものだった。


「……もしかして、花嫁衣装用ですか?」


 クラウスが告げると、王妃は頷いた。


「サーラが産まれてから、私がずっと作り続けていたものですわ。ドレス自体は、私が嫁いできた時のものを使ってほしかったので用意しませんでしたが、レースでしたら、使えるかと思って。サーラがこんなに大きくなるとわかっていれば、ちゃんとドレスも作れるようにと用意しましたのにね」


 微笑んだ母は、ほんの少し、残念そうな表情で、サーレスを見つめた。


「私が王家に嫁ぐ時は、あまりにも急な話で、支度も間に合わず、飾り立てることが出来ませんでしたの。ですから、私のドレスには、フリルもレースも、つけられていないのです。娘のドレスは、そんな事がないようにと思って、ずっと作り溜めていたのですけれど……ちゃんと使えることになって、嬉しく思います」


 サーレスは、そんな母の心を、嬉しく思いつつも、その圧倒的な量に、思わず後ずさった。

 この量を全部つぎ込んだら、レースだけでドレスが作れそうだったのだ。

 じりじりと下がっていく娘に、母は晴れやかな笑顔で宣言した。


「さあ、サーラ。ドレスを作りましょうね。私の花嫁衣装は、あなたにはとても着られそうにありませんから、一から作らなくては」


 その宣言とほぼ同時に、衣装箱を運んできた時のまま待機していた女官達は、心得たように、サーレスの四肢と胴にすがりついた。


「は、は、ははうえ? あの、いったい、何着お作りになるつもりです?」

「そうですわね。婚約式用と礼装と式服、もちろん、結婚式用も作らないと」

「いやっ、あの、そんなにいりませんから!」

「まあ、何を言っているのです。全て必要ですよ。これでも最低限です。あなたは今まで一着も持っていないのですから、仕方がないでしょう」

「はっ、花嫁衣装は諦めます! でも、他はいりませんから!」

「だめですよ。それじゃあ、婚約式はどうするのです。婚約式は、結婚式とは違う、色つきのドレスではないといけないのよ。同じものは着せられないのです。それに、婚約式は、クラウス殿下がお国に帰る前に、こちらで挙げるのです。今から大急ぎで作らないと間に合いません」


 そのクラウスは、母娘の攻防を横目に見ながら、衣装箱の中身を手に取り、繁々と見つめていた。

 その精緻な模様は、どれもため息が出そうなほど見事なもので、そのまま額にでも入れて飾ってもいいほど、芸術性の高いものだった。

 王妃が、どれだけ娘のことを思っていたのか、それを見ればよく分かる。

 時代に左右されない、王道の模様から、おそらく王妃が考案したのだろう、斬新な網目模様など、多種多様なものが揃えられている。

 布の刺繍の方は、フリルに使うためのものだろう。いろいろな布に対応できるよう、さらに季節毎の物が作れるように、これも多種多様の布が使われていた。


 クラウスが、あまりに静かに気配を消していたためか、誰もその存在を気に止めていなかった。

 採寸のために女官が服まで脱がしにかかったところで、さすがのサーレスも、慌てて腕を振りほどいた。


「サーレス、大人しくなさい」

「母上! お忘れですか! そこにクラウスがいるんですよ!?」


 サーレスにそう告げられ、はっとしたように、王妃は振り返る。

 侍女達にすっかり溶け込み、認識できなかったクラウスの姿が、ようやく視界に飛び込んだ。


「……」

「……」


 二人はしばし見つめ合い、その後、王妃は、微笑んだ。


「申し訳ありませんけれど、しばらく隣室でお待ちいただけますかしら」


 王妃のその問いを聞き、クラウスはしばし思案していた。


「……王妃陛下、少しお願いがあるのですが」


 笑顔でそう言われた王妃は、一瞬表情を消したが、それに答えるように再び笑顔になった。


「なんですか?」

「サーラ姫の花嫁衣装、私に作らせてもらえませんか?」

「……なんですって?」

「王妃陛下が、姫の花嫁衣装をとても大切に思われているのは理解します。ですが、サーレスは、おそらく普通のドレスは、身につけるのが苦痛でしょう」

「……花嫁衣装が騎士服のままとはいきませんよ。それに婚約式はどうするのです」

「婚約式は、私がドレスを着ます」

「……え?」


 この場の全員、言われた意味が理解できず、思わず首を傾げていた。


「婚約式は、私がドレスを着て、サーレスに騎士服で出てもらえば、絵面的には整いますから。姫のドレスをすぐに作るのは無理ですが、自分のドレスを仕立てるだけなら、採寸しなくてもすぐに作れます。ただ、さすがに、サーレスのドレスの場合は、たとえ婚約するとはいえ、未婚の女性の採寸は出来ませんので、それはお願いしなくてはいけないんですが」


 王妃は、クラウスに告げられた言葉を聞き、納得しながらも疑問を口にした。


「では、あなたが思う、姫が身につけられるドレスとは、どのような物ですの?」

「……サーレスは、その魂の奥まで、騎士なのです。髪のひと筋から足の爪の先まで、戦うために体はあるのです。ですから、本人の思うままに動けない衣服は、生理的にも受け付けられないのです。まず、体が固定されるような、きつく締める物は駄目。そして、体の関節が動かないのも駄目。手袋は、脱げやすかったり、滑ったりするような素材は駄目。それぐらいなら、おそらく素手の方が安心するでしょう。武器を持つ手が不安定なのは、すなわち戦いの時に敗北を意味するからです。最近の流行である、足にまとわりつくような、レースのパニエも必要ありません。足に絡んで、走れなくなります。求めるのは、ダンスだけをしていればいい淑女のドレスではなく、全身を使って戦えるドレスです」


 王妃は、すらすらと告げられた言葉を元に、頭の中に、ドレスを思い描いてみた。しかし、どんなに想像をこらしてみても、それは形にならなかった。


「……それは、やはりドレスではありえませんわ」

「いいえ、私ならドレスに出来ます。なぜなら、私も、同じ条件のドレスが必要なのです」


 驚きで息を飲む女官達の視線は、自然と、クラウスが今身につけているドレスに注がれた。

 すらりとした体を包むドレスは、一見すると、自分達の知るものと変わらないように見えた。

 ふんわりと広がったスカートも、レースの飾られた襟元も、通常自分達が仕立てる他のドレスと変わらない。


「私は、子爵令嬢として赴いた先で戦いに巻き込まれた際、この姿のままでも戦わなくてはいけません。それが、黒騎士団の全ての命を預かる私の責任です。先程述べた条件は、私のドレスにも必須なのです。そして、それをいつも作っているからこそ、私なら姫のドレスも作れます」


 クラウスの自信に満ちたその表情に、王妃はしばらく考え、そして、王妃からも条件を一つだけ述べ、それを了承した。

 サーレスは、信じられない思いで、その二人の話を聞いていた。

 クラウスが、サーラのドレスを作るのも信じられないのだが、それ以上に、母が折れたことが信じられなかった。

 何はともあれ、サーレスは、その場は採寸だけで許されることになったのだった。


 

 クラウスが帰国するのは二週間後。

 その前日、婚約式が執り行われることになった。

 クラウスは、自分のドレスを作るために、多くの時間を自分に与えられていた部屋で過ごしていた。

 王妃は、クラウスに、サーレスのために用意していたレースを好きなだけ持っていくよう告げ、クラウスのドレスのできあがりを楽しみにしていると言い、微笑んだ。

 クラウスがサーラのドレスを作る条件は、クラウスがこれからドレスを仕立てて、王妃に見せることだった。

 サーレスは、邪魔をするのも悪くて、声をかけられないまま、数日を過ごしていた。

 

 そして、今は、ワインの瓶を一本携え、クラウスの部屋の前に立っている。


 ノックをすると、いつものようにすぐにグレイが顔を出した。


「なにか」

「あ、えと、クラウスは?」

「しばらくお待ちください」


 中に確認しに行ったのだろう、再び扉が開かれると、グレイは外に出てきた。


「申し訳ありません。中は、人が入れられる状態ではありませんので、隣室の、我々の部屋の方でお待ちいただくようにとのことです」

「……ああ、そういえば、隣に用意してたんだったな。結局、使ってないみたいだが」

「私とホーフェンは、団長の護衛として同行しておりますので。カセルアに理由があるわけではなく、他国に赴いた際は片時も離れぬようにとの規則です。これも職務のうちだと、ご理解ください」


 促されるまま入った部屋は、隣室の客人の付き人などが入る部屋であるため、隣よりは多少手狭なのだが、一応、応接室と寝室の二間続きになっている。

 応接室の方で、ソファに腰掛け待っていると、すぐにクラウスは顔を出した。


「すみません、部屋の移動をさせてしまって」


 真っ先に口に出したのがそれだったので、そう手間でもないと告げようとしたが、クラウスは気にすることなく正面に腰掛けた。


「あちらは、布を裁ったりしているので、糸くずや裁ちくずがたくさんありますから、人が入れられなくて。こちらの使用人の方々に申し訳ないほど汚してしまって、すみません」

「いや、それは、そもそも私が無理をさせたようなものだし……その、ごめん」


 突然の詫びに、クラウスは首を傾げた。

 そして、ふっと笑った。


「これは、私の側のわがままですよ。せっかくだから、自分の腕をあなたで試したかっただけです。それに、あなたがノルドに来てくださったら、あなたの服は全て私が作るつもりでしたから」

「……どうして?」

「私が、あなたに似合うと思うものを、作りたかったからです。普通のドレスで、あなたを飾れるというのがそもそもの間違いだと思いましたので」

「……どういう意味だ」

「以前、一度、ドレスを身につけられた時、男と間違われたと仰いましたよね」

「……ああ」


 サーレスにとって苦い記憶だ。あれで、本格的に、ドレスは着なくなった。


「ですけど、あなたは十分線が細い。ちゃんと、あなたに合わせて、あなたに似合うものを作れば、とても美しく映えると思います。そもそも、男の体である私がドレスを着てもわからないくらいなんです。元より女性であるあなたが、男性にしか見えないなんて、そんなはずがないんですよ」

「ええと、それは、その、私は大きいから、じゃないか?」

「たとえ上背があってもですよ」


 にっこり微笑むクラウスは、相変らず可愛らしく、シャツとズボンだけの簡素な衣服でも、少女のように見えた。


「きっと、あなたにも着られる、皆が褒め称えるようなドレスを作ります。男と間違わせるようなことはしません」


 クラウスは、はっきりとそう言い切った。


「……その、クラウスは、どうして、私がドレスを嫌がる理由に思い至ったんだ?」

「あれは、私が、自分でドレスを作るようになる前に感じていたことそのままです」

「……あなたも?」

「わたしの場合は、自分で裁縫が出来ましたから、とっとと自分用に直して着ていただけです。さすがに、幼い間は締め付けるようなものは着ませんでしたから、まだ動けたのですけど、淑女としてのドレスとなると、腕を通しただけで、もう生理的に受け付けませんでした。あなたも、縫い物の才能さえあれば、自分で直していたでしょう。あの時の王妃陛下のお言葉通り、私やあなたがドレスに求める条件では、まず女性は戦う想像ができないために作ることが出来ず、男性だと今度は、繊細さの欠ける物しか縫えません。ですから私は、ドレスの縫製を学んで、自分のものは自分で作るようになりました」

「じゃあ、あの、本当に私は、ドレスが着られる……のか?」

「もちろんです。あなたが苦痛を感じないドレスを、必ず作って見せます」


 サーレスは、そのクラウスの迷いない表情を見て、心が軽くなるのを感じていた。

 この目の前の、一見細くて、男性なのに少女にしか見えない人が、ここに来て僅かの間に、どれだけ自分の重荷を取り去ってくれたのか。

 信じられない思いだった。

 一八年間、ここで育つ間に溜め続けていた重荷は、気が付いたらほとんど残っていなかったのだ。


「……ありがとう」


 万感の思いで告げた一言に、クラウスは微笑んで答えた。


「まずは、王妃陛下のお心に叶うドレスを、作ってお見せしないと、それも許してもらえないんですが。頑張ります」

「……それもだけど……ほかも、ありがとう」

「他?」

「……ここまできてくれて、ありがとう。……探してくれて、ありがとう。……最初、忘れてて、ごめん。……私を……王女に戻してくれて……ありがとう……」


 気が付いた時には、瞳から涙がこぼれていた。

 クラウスは、静かにサーレスの隣に移動し、その涙をそっと指で拭った。


「……お互い様です」


 微笑んだクラウスは、サーレスの濡れた目尻に口付けると、そっとその頭を胸元に引き寄せた。


「あなたが、ワルツ一曲分の時間でやってのけたことを、私はこんなに時間がかかってしまいました。むしろ時間がかかりすぎですね」


 口調はどこか皮肉めいているのに、表情と手の動きはとても穏やかで、それがサーレスを落ち着かせてくれた。


「……あ、そうだ。これ、よかったら飲んで」


 手元に、持ってきていたワインの瓶を取り出した。


「……これ、キングラージェですか?」

「ああ」

「……いただけませんよ、さすがに。一本で、母の晩餐会用ドレスが作れる値段じゃないですか」


 一国の王太后の作るドレスを例に出され、サーレスは苦笑した。


「いくら何でもそこまで高くはないと思うぞ。これは、私が持ってる中で、三番目の値段だ」

「いや、それでも高級すぎます。気軽にいただけません」


 あくまで首を振るクラウスに、サーレスは苦笑して、自分で封を開けて見せた。


「あ……」

「今まで、かなりの数を集めてたんだが、まさか全部嫁入り道具で持っていくわけにいかないだろう? だから、父上と兄上に、一番と二番はお譲りすることにして、これはあなたに飲んでもらおうと思って出してきたんだ。あとは、気に入った物を残して処分しようと思って」

「……あなたがお持ちになったままでも、かまいませんよ。全部、嫁入り道具にしてください。ノルドの酒蔵は、出来るだけ空けておきますし、お望みなら、あなた専用を増設しておきますから」


 今度はクラウスが苦笑したのを見て、サーレスは困惑しながら頬を染めた。


「その、さすがに、嫁入り道具が酒と武具だけというのも、どうかと思って……」

「それがあなたなら、私はなんの問題も感じません。どうぞ、お酒と武具と、そしてフューリーを連れて、お嫁に来てください」


 嬉しそうに微笑むクラウスを見て、サーレスは、小さく頷いた。




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