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6,遠足日和 4

 開いた口を閉じれないでいると、宮下はさらに続けた。


「羽野さんてやっぱり白が似合うね。その白いワンピースすごい似合ってる」


 千尋の今日のいでたちは、白いキャミソールのワンピースに淡い水色のカーディガンをはおり、すねの辺りまで織り上げたジーンズ姿というものだった。


「やめてよ、そういう事言うの」


 千尋は声を震わせて言う。その顔はさらに赤みが増して、耐えられなくなったのか宮下とは反対方向に顔をそらした。しかし、背を向けていても彼の視線が感じられて、恥ずかしさでいっぱいになる。それと共に何か知れない罪悪感が千尋の胸によぎった。


「なんで?思った事を言ってるだけだよ」


 千尋は言葉を返さない。返せなかった。恥ずかしくていっぱいな心の中に、モヤモヤとしたなにか居心地の悪い重さが彼女の口までもを重くさせていた。

 風が爽やかに吹くが千尋の心の中までには届かない。


 そんな中、2人の間に生まれた微妙な空気を壊すかのような間抜けな声が後方から聞こえた。 


「ふわあぁ」


 突然聞こえた声に宮下はチラリと声のした方に顔をやる。千尋は気づいているものの、ピクリと動いただけで振り返ろうとはしなかった。

 宮下の目線の先にいたのは先ほどから寝こけていた担任教師の小野寺がいた。

 小野寺は顔に乗せていた帽子を右手でつかみ、はずしながら起きあがった。するとその帽子をかぶり、千尋と宮下の2人を交互に見た。首辺りをかきながら微妙な顔をする。


「お前らガキのくせに、なーに変な空気だしてんだよ」


 千尋はもちろんのこと宮下も一言も言葉を返さなかった。


「ふん、それよりもうそろそろ昼か?あいつらにそろそろ飯食えって言うか」


 小野寺は自分の時計を見ながら言った。その言葉に宮下が反応する。そういえばあれだけうるさかった騒ぎ声が聞こえない。


「…もう食い始めているみたいですけどね」


「あん?」


 見るとすでにお弁当を開いているものから、姿が見えない者もいた。クラスの半数以上はいないようだ。園内の飲食店へでも行ったのだろう。


「あいつら…。まあいいか。お前らも飯食いに行っていいぞ?」


 その言葉に千尋はスッと立ち上がり小高いこの丘を駆けて下りていった。


「おっ、速いなー。羽野の奴、実は足速いんじゃんか」


「………。」


 宮下は一心に走っていく千尋を見つめていた。その瞳は愛おしみながらも哀しさを漂わせた瞳だった。


「ふ〜ん。お前の片思いって奴だな?」


「まぁ、今のところは」


「自信満々だな」


「どうでしょうね。でも、あんたには関係ない」


「可愛くないね〜お前」


 どうとでも言って下さい、と答えて宮下は立ち上がった。ゆっくりと丘を下っていく。ふもと辺りまで下りたくらいで小野寺が言った。


「そうだ、お前に一つ忠告しといてやろう。羽野はお前にはまだ早い。もうちょっと経験を積んだ人間じゃねぇと無理だ。…例えば俺みたいな、な?」


 宮下は振り向き小野寺をキッと睨みつけた。


「お前っ…!」


「睨むなよ宮下。俺は本当の事を言ってるだけだぜ?」


 宮下はカッと理性を抑えきれなくなったが、一つ深呼吸をして、真っ直ぐに小野寺を見据えた。


「何を言いたいんだか知らないが、あんたはただの教師だろ?生徒の個人的な事にまで首を突っ込むのは止めろ」


 そう言いきると宮下はまたゆっくりを足を踏み出した。


 ホントに可愛くねぇ野郎だなと小野寺は内心で思い、付け加えるように言った。


「もう一つ忠告しておくが、お前、押してばっかじゃあ逃げられるだけだぞ?」


「っ!」


 宮下は足を止めてチラッと後ろを見た。

 最初から聞いてやがったな。心の中で思う。


「まーだまだガキだな」


 小野寺はそう言うと笑いながら立ち上がり、宮下の横を通り過ぎていった。

 

 残された宮下はチッと舌打ちをして歩きだした。




ずいぶんと更新が遅れてしまいました(^^;)すみません〜!いろいろと忙しくてPCがいじれませんでした。話なんですが、宮下くんにライバル出現か?という感じで…。千尋と違ってこの2人はよくしゃべってくれてとっても助かります。ずっとこの2人で書いていようかな〜なんてね(汗)主人公の立場無くなりますけどね。そう言えば宮下くんの下の名前がどうしても思いつきません(泣)誰か考えてくれないかな〜(遠い目

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