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4,遠足日和 2

「あぁ〜、着いた着いた。がんばったわね千尋」


 幼い子供を持った母親のように、佳奈子は千尋の頭を撫でてやる。

 一方の千尋は、自転車を降りたすぐそばの草むらに体を投げ出しうつぶせになっていた。


 動物園は平日のせいかあまり混んでいなく、幼い子を連れた母親やなどがちらほらみ

えるだけだった。

 そこには穏やかな雰囲気が流れ、学校から集団で自転車をこいできた千尋を癒すようだ

った。

 千尋はこのまま寝ていたいと思ったが、そんな千尋に気付いたのか明らかに佳奈子は不審を抱いた目で見る。しかしチラッと動物園への入り口を見ると、すでにほとんどの生徒がクラスごとに並んでいるのが見えた。



「ほら、みんなあっちに集まって並んでる。いかなきゃ」


 佳奈子は千尋の背中をポンポン叩くが、千尋は動こうとしなかった。それどころか「う〜ん」と唸って右手で佳奈子の手をはらう素振りを見せる。


「まって、もう少しだけ…」


 佳奈子は一瞬、動くのを忘れたかのように手を宙に浮かせたままにして固まったが、ため息を一つついて立ち上がった。そして千尋の頭の前に立ちしゃがみ込む。

 佳奈子が両手を差し出して千尋の手を取る。佳奈子に引っ張られ、千尋は嫌々ながらも立ち上がった。

 千尋の体に着いた枯れ草や葉をはらい落としながら佳奈子は言った。


「早くしないと怒るわよ!」


 まるで母親のような口ぶりで、千尋は一瞬身を引いた。


 ……また怒られた。反省。



----------------------------------------



「よし、全クラス人数そろったな?これからそれぞれクラスごとに別れて昼までクラス

で決めた事をやってもらう。その後は自由時間だ。昼飯もこのときに食え、いいな!」


 先生の1人が拡声器を使い2学年全生徒の前で言った。それを合図に他の先生達が自

分のクラスの生徒に向かい話し始める。



「よ〜しお前ら、今日は楽しい楽しい遠足だぞ〜」


 千尋達の担任は結構若く、そのくせあの若さからくる正義感の塊のような感じがなか

った。どちらかというと脳天気で、生徒と同レベルにいるような軽い感じがある。


「え〜、先生俺たるいんすけど〜」


「そうそう、動物園まできたのはいいけど何すんのさ?」


 クラスの男子が相づちを打ち合う。


「動物園なんだから、動物を見るんでしょうが」


 彼の隣にいた女子が言った。すると担任はその女子に笑いかけ、言う。


「美園の言うとおりだ。せっかく動物園まできたんだから動物を見るしかないだろう」


 すると美園と呼ばれた女子は照れ気味にニコッと笑い返した。


 えぇ〜っと言ったような批判の声が響く。

 美園は当たり前でしょと、先ほどとはあまりにも違った冷たい目で男子生徒達を見る。


「まぁ、おちつけお前ら。そう言うと思ったから俺はいいことを思いついた」


「おっ?せんせーにしたら珍しいじゃんか」


 担任の名前は小野寺 陽介。

 生徒に絶大なる人気があり、教師の中では一番好かれているだろう。佳奈子に言わせると、あのやる気の無さが良いらしい。しかし千尋はあまり彼の事が好きではなかった。補助係なんてやっているせいか、彼と関わる機会が多く、最近妙になれなれしい気がする。しかも、何かにつけて仕事を任せられるので、宮下と2人で職員室に行くことが多くなった。その度にクラス委員にやらせればいいのにと心の中で毒づいていたが声に出して言うことなどなかった。


 帰りたい。

 こんな大人数で何をするって言うの?ここの動物園になんて行ったことない人なんていないと思うけど。高校生にもなってゾウやキリンを見てなにがあるというの?

 千尋はコンクリートの地面に体育座りになって膝に顔をうずめていた。

 空を見上げるのも嫌だ。


「……ということだから、補助係の宮下と羽野は俺んとこ来い」


 千尋は突然自分の名前が聞こえた気がして顔を上げた。


 はい?




う〜ん。せっかくありがたい意見をいただいたのに、期待にそえない自分が憎らしい!なんで上手く書けないんでしょう(;」;)精進せねば〜

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