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煙に巻くの由来

作者: 朝霧
掲載日:2026/10/17

「煙に巻く」という慣用句があります。

今回は、その慣用句の由来と意味をご説明します。


+---+---+---+---+


昔々、あるところにYAZAWAという若者がおりました。

活動期間約2年半という伝説的バンドを解散したばかりで、これからソロ活動を本格的に開始する、そんな時期にふと海が見たくなり、一人浜辺でハイライトをふかしていました。


YAZAWAが作曲したばかりの新曲を鼻歌で歌っていると、浜辺で子供たちが大きな亀を棒で叩いていじめていました。


「やめなチルドレン、そんなのロックじゃないぜ」


YAZAWAは贈答用のプレミアムモルツ一箱を懐から取り出し、箱にサインしてから子供たちに渡して亀と交換しました。


「ビッグタートル、もう捕まるんじゃないぜ」


YAZAWAが颯爽と立ち去ろうとすると、亀がYAZAWAに話しかけてきました。


「助けてくれてありがとうございます。お礼に竜宮城にお連れします」


YAZAWAは若干口をひん曲げました。


「竜宮城?それは日比谷の野音よりファンキーな場所かい?」


「はい。それはもう海底の楽園でございます」


YAZAWAはしばらく考えてから答えました。


「俺はいいけどYAZAWAはどうかな?」


「あ、では結構です。助けて下さってありがとうございました」


亀はあっさりと引き下がり、一匹で海に帰って行きました。

浜辺に残されたYAZAWAは新しいハイライトに火を付け、乗ってきた日産LEAFで亀の後を追い海の中へと入って行きました。


「やっちゃえ日産」


日産LEAFの性能には驚くばかりです。

YAZAWAを乗せた日産LEAFはあっという間に亀に追いつき、テールトゥノーズで亀をしっかりとマークしながら竜宮城へと辿り着きました。


「何だ、結局ついてきたんですね」


亀は渋々YAZAWAを立派な宮殿に案内しました。

宮殿では乙姫が出迎えてくれました。


「ようこそYAZAWAさんモンキーベイベ。この度は亀を助けて下さりサンバディズナイ。どうぞごゆっくりお過ごしホワイ何故に」


乙姫は感謝の気持ちから若干間違ったYAZAWA語でもてなしてくれました。


「ハクいスケだぜ…」


YAZAWAが思わず言葉を漏らすほど、乙姫は現代で言うと若い時の松居直美くらい絶世の美女でした。


竜宮城でもてなされたYAZAWAが乙姫に言われるがまま過ごすうちに、3年の月日が過ぎていました。

地上に残してきたファンや、今後のソロ活動や、新しいタオルのデザインが心配になってきたので、YAZAWAは乙姫に言いました。


「悪魔でも天使でもベビワナラケンロー」


「帰られるのですか?ではこの玉手箱をお持ち下さい」


乙姫は文庫本サイズの玉手箱をYAZAWAに手渡しました。


「この玉手箱は決して開けないで下さい」


最後に乙姫にそう釘を刺されたYAZAWAは、充電の完了していた日産LEAFで来た道を低燃費走法で帰りました。


地上に着いたYAZAWAは、地上では一切時間が経過していないことに気づきました。

当然のことです。


「お前がどんなに良い大学出て、どんなに良い会社に入ってもお前の一生稼ぐ金額、YAZAWAの2秒」


つまり、竜宮城での3年などYAZAWAの1秒にも満たないものでした。


久しぶりに地上の空気を吸ったYAZAWAは手渡された玉手箱の紐を解きました。


「止まらない離れない生まれてからビートの虜」


そう歌いながら止まらないYAZAWAは、決して開けるなと言われていた玉手箱の蓋を開けてしまいました。


もわもわもわもわもわ


箱の中から煙に巻かれた一冊の文庫本が出てきました。


『成り上がり』


表紙にそう書かれた文庫本は、中身が白紙でした。


「そうか、ここから俺がビッグになる歴史が始まるのか」


小さくそう呟き、久しぶりのハイライトに火をつけた矢沢五郎は、ものまね芸人としての新たな道を歩き始めました。


ちなみに後年出版された『成り上がり』は僅か5ページの同人誌でした。


+---+---+---+---+


こういう由来の元に成立した「煙に巻く」という慣用句の意味は、



「人物の知識ゼロで書くとこうなるという典型」



です。


全部嘘なんですけどね。

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