これがロマール王国の覇者の兵士なの? << マール >>
サーリペルナさんが少し手持ち無沙汰なようでしたので、私が話しかけたら、今回の遠征は東方でも行われていて、第一ギルドとアルプスギルドと懲罰ギルドが、同盟国となったリゼア王国へ進軍して、リゼア王国に侵攻するガルナス王国と対峙する準備を進めているようです。
私は王立騎士団や商人ギルドの部隊を良く観察しました。
彼らはこの王国の覇者なのでしょうか?
兵士は屈強には見えず、装備も貧弱でした。
サーリペルナさんにそのことを言うと、彼らは都市で徴兵された兵士たちだと教えてくれました。
村で兵士になる者は、その者の適性や家系が動機になりますが、都市で徴兵される兵士たちの動機は金だそうで、生活苦から兵士になる人が多いそうです。
そのため適正や資質は考慮されず、その強さにはバラツキがあるようです。
装備も、今回は急募で新人が多く、貧弱だったのだろうと教えてくれました。
彼らは皮装備が多く、棍棒を手にしている人たちもいます。
鉄装備まではいかなくても、青銅装備くらいないと戦えないのではないかと思いました。
「ただ都市の兵士は練度が上がれば、多くのものに揉まれるからね。村の兵士より強くなります」と、サーリペルナさんは教えてくれました。
ちなみに、セルバート王の部隊はゴールデンナイトと呼ばれるくらい、黄金の装飾を散りばめた装備をしている部隊と聞いていましたが、今回はそうではなりませんでした。
ただ、彼らは他の兵士たちは違って練度は高そうで、かなり強そうではありました。
サーリペルナさんに現在の状況をさらに詳しく聞くと、これから向かう小都市モルトは鷹の目ギルドの支配下にあり、鷹の目ギルドはすでに先発隊として、ガルナス王国との交易路開通のための探索を開始しているという話です。
ガルナス王国の部隊と接触したら、外交関係を構築するために、王国政権同士の交渉の場を設け、改めて接触する流れで動いているようです。
つまり、鷹の目ギルドはガルナス王国と接触次第、一旦撤退するということでしょうね。
小都市モルトまでの行軍は、王立騎士団、商人ギルドのあとに私たちとサーリペルナさんが続き、最後尾で王立騎士団のマリスという若い男の将校の部隊が続きました。
マリスという将校は、何か取っ付き難い雰囲気を持っていましたので、私たちは彼らには関わらないように行軍しました。
新世界ギルドのグリーンさんは、黄金都市ミダースでの補給はせずに、一気に小都市モルトまでいくことをセルバート王に提案し、その通りに行軍は行われました。
小都市モルトでは新世界ギルドのリーダーのチャードンさんが、遠征軍を迎えるという話になっていましたが、実際に到着すると、セルバート王がかなりご立腹しているようで、チャードンさんと罵りあいをしていました。
セルバート王はチャードンさんに、なぜ新世界ギルドの部隊を招集していないのかと激怒し、チャードンさんは交渉団を用意したのになぜ文句を言われるのか、これから誰と戦争を始めるのかと言い返していました。
セルバート王は急遽、西の強国ギルドに参戦の要請をしたようでした。
最後尾の私たちが到着して補給を終えて、キャンプでくつろいでいるところに、鷹の目ギルドのログリーさんから、ガルナス王国と接触したという連絡があったようでした。
王国政権同士で3日後にこの場所で会談することで決定してよいかという連絡が、遠隔通信の魔法で、セルバート王に伝えられ、王は了承したようでした。
セルバート王は王国政権のメンバーだけで会談に臨むかかなり考えたようで、新世界ギルドのメンバーも交渉団に加えることにしたようでした。
私たちはさすがに参加は出来ず、小都市モルトで会談結果を待つ形になりました。




