20歳の誕生日 << マール >>
そして、ようやくマイノスさんが一息ついたところで、私は再度マイノスさんに話、了解を得ました。
チャードンさんを通して、セルバート王にビッグレイクギルドの参戦を伝えたそうですが、セルバート王からは「勝手にしろ」という素っ気ない返答だったようです。
すぐに準備を整えようとしましたが、ふと、連れて行く兵士がほとんどいないことに気づきました。
私たちの村は出来たばかりで、兵士はまだ30人ほどしかいなかったのです。
私は居間でくつろぐマイノスさんのもとに行き、連れて行く兵士がいないことを伝えました。
マイノスさんは「大丈夫、わかっている」と言って、あと数日待つことを求めました。
その数日後、マイノスさんはドノフさんに連絡をして、先だって話したガルナス王国の遠征のために、ペラーを寄越してくれと伝えました。
ペラーとはドノフの村の若い男の将校です。
ドノフは島ギルドの町を息子のレノフに預け、湖の新しい村で、新しい将校を何名か雇っていました。
家に外に出ると、屈強な騎兵傭兵団250名が2隊、合計500人が待っていました。
「A級の傭兵団だ。以前の島ギルドの私の町にいた兵士たちと同様の練度がある。無事に帰還したら、更に莫大な追加報酬を与えることになっている。急いで準備をしなさい。そうそう、マールに渡すものがある。後で私の部屋に来なさい」
鋼のフル装備でマイノスさんの部屋に行くと、マイノスさんは「少し遅れたけど、誕生日おめでとう。マール。あなたは20歳だ。成人だ。これをあげよう」と言って、深く暗く輝くネックレスを首にかけてくれました。
誕生日なんて考えたことがありませんでした。
しかも成人とは。
マイノスさんの気持ちはありがたく受け取りました。
ただ、このネックレスは何でしょう。
あまり綺麗ではないです。。
「マール。あなたは成人です。あなたは今日から自由です。誰でも好きな人を愛していいし、嫌いなことはやらなくても良い。その代わり、あなたの人生の責任はあなたがとらねばならない。良く考えながら、これからの人生を歩むんだ」
「わかりました。でも私が愛しているのはマイノスさんで、マイノスさんのために戦いたいです。私の人生はそれで満たされます」
「マール。あなたはこれから今まで以上に様々な経験をする。私は、私だけがあなたを愛する資格があるとは思っていないし、私だけであなたの人生を満たせるとは思っていない。今回の遠征もたまたま傭兵団が近くにいてくれたから行くことが出来る。そして、私は一緒に行くことが出来ない。そのネックレスは命のネックレスです。あなたを殺そうとする敵からあなたを守り、敵に死を与えます。その色を見てください。暗くなると危険が近づき、明るくなると危険が遠ざかります」
「とても暗いです・・・」
「はい。ガルナス王国の遠征はとても危険です。それでも行きますか?」
「はい。行きます。マイノスさんが私のためにくれた、このネックレスが守ってくれることを信じています。ビッグレイクギルドが王国政権から都市獲得を認めてもらえるように、精一杯戦ってきます」
「マール。無理はしないでくれ。ガルナス王国は強大な王国だと思う。勝てないとわかったら、迷わず引き返してくれ」
「マイノスさんを悲しませることは絶対にしません。安心してください」
「約束だよ。気をつけて行ってきなさい」




