小都市ハールの戦い<< ログリー >>
ガルナス王国との会談に、サブリーダーのマグナイアと共に出席させてもらったが、王国を背負う場での会談というのは、今まで経験したことがなかった。
前に遊んでいたのはRPGゲームだったので、チーム同士の交渉というのはあっても、そのチームを束ねた王国同士の交渉というものはなかった。
「良い経験になるな」ガルナス王国側を待つ間、マグナイアが私に話しかけてきた。
彼も同じことを感じていたようだ。
「心に焼き付けよう。見るもの、聞くもの、感じるもの」私が言うと、マグナイアが「戦闘が起きるかも知れん。警戒した方が良いぞ」と言うので、俺は同意した。
会談は、相手のほうが一枚上手だったかも知れない。
会談直後、ガルナス王国がリゼア王国と休戦したことで、俺たちに、もしかしたらガルネス王国の本音ではロマール王国も和平できたかも知れないと思わせた。
だが和平を断り、宣戦布告を認めたのは、ガルナス王国だ。
誘導してそう言わせたのは、セルバート王だが。
セルバート王はあの場にて、できる限りのことをした。
俺はギルドメンバーに、ガルナス王国とロマール王国は相互に宣戦布告したことを告げた。
そして俺たちは、セルバート王と事前に打ち合わせた通り、帰還後すぐにワープホールを使って国境まで移動し、そこから小都市ハールまで進軍を開始した。
俺はギルドメンバーを鼓舞し、強行軍で小都市ハールへ向かった。
「ロマール王国で最初に対外領土を獲得するのは、この鷹の目ギルドだ。ロマール王国の歴史に名を刻むぞ!」とマグナイアも、仲間を鼓舞した。
頼りになる仲間だ。
怒涛のごとく進軍する俺たちに、勝利の女神は微笑んだ。
交渉団が小都市ハールに到着する時に都市になだれ込むことに成功したのだ。
彼らはワープホールを使用せずに小都市ハールに帰還したという報告が、最後まで残ったライゼンからあり、もしかしたら追いつけるのではないと考えていたのだ。
俺たちは速やかに都庁を占拠し、ガルナス王国軍の残党狩りに動いた。
さすがに、ヌーア王らは、俺たちの襲撃に気づいてからは、ワープホールで撤退したようで、いくら周辺を探しても、交渉団の痕跡は見られなかった。
セルバート王ら王立騎士団が到着するころには、出征した各ギルドも小都市ハール近郊にキャンプを設営していた。
何でも、王都攻略戦の時に略奪があったようで、それからは俺たち攻略部隊以外は、セルバート王の許可なく都市への入場は禁じられているらしい。
小都市ハールへの入場前に、都市内での略奪行為には厳罰を科すという警告が改めて出され、各ギルドの部隊は入場した。
王立騎士団1万8千人、商人ギルド6千人、新世界ギルド千人、ビッグギルド500人、鷹の眼ギルド2千人に、西の強国ギルド2千人も追加で到着した。
総勢3万人弱の軍勢が滞留するのだから、都市は大繁盛になる。
俺たちは占領軍であったが、略奪行為は禁止していたので、街の人達からは激しい抵抗も受けず、平和的な統治が始まった。




