王国評議会のひとり反省会 << セルバート王 >>
初めての王国評議会は、やはり簡単ではなかった。
第二位ギルドの新世界ギルドのリーダーのチャードンからは、ずいぶんと茶々が入った。
招待していない島ギルドのメンバーも忍び込んでいた。
その場で引っ捕らえようかと指示を出そうとしたが、ザラに「初めての王国評議会は、平和時に終わらせる必要があります」と諌められた。
昔見たゴッドファーザーやゲーム・オブ・スローンズでは、この種の会合で参列者を皆殺しにするところだが、この王国はこれから他国と戦争しなければならない。
王国の戦力を減らしたり、内戦したりすることは出来ない。
ちなみに、このゲームでも似たようなことは出来る。
食事を提供することができ、それに毒を仕込むことが出来る。
将校の魔法適正の上級適性に「毒」というものがある。
毒物の生成や耐性にも影響するらしい。
耐性に関しては、生成する者が耐性があるとは考えにくいので、解毒作用の薬も所持しているという考え方なのだろう。
そういうわけで、島ギルドを退出させ、その後は食事を提供して、リーダー間の親睦を図った。
更に二次会では、王立騎士団のプレイヤー将校も加えた宴会を催し、王立騎士団のメンバーの知名度を底上げして、外交力や威圧力を高めることに努めた。
王立騎士団のメンバーには、我々が覇者であることを示せと伝えた。
無論、そんな彼らに反感を抱くリーダーもいるだろう。
だが、ギルドのリーダーが圧倒的な課金力を必ずしも持っているわけではない。
ログイン頻度が多い、アクティブプレイヤーであることは間違いないが、それは王立騎士団のメンバーも同じだ。
自分たちと同程度の戦力のメンバーが、役職にもつかず多数いるその層の厚さを思い知れば、我々に楯突こうなどは思わないはずだ。
チャードンはザラがおだて続けたら、気を良くして最後は、我々の警戒を解いたようにも見えた。
やっかいだったのは、むしろ第一ギルドのファンリーだ。
あいつは島ギルドの再三の攻撃を凌いだだけのことはある。
肝は座っているし、チャードンのように癖もないので、周りから煙たがれることもなく、交流を程よくこなしていた。
ゴールネスとベラトリクスは社交的過ぎるので、逆に周囲から警戒されていたな。
我々への反感が芽生えなかったのも、彼らが目立ってくれたおかげだ。
我々は感謝せねばならない。
イザベラは常に私への気を配り、私を守ってくれていた。
彼女は別ギルドで恐ろしい戦士だが、信頼は出来る。
外交関係については、王国評議会で述べたとおりだ。
リゼア王国と和平をし、恐らくガルナス王国とは戦争になるだろう。
我々はその準備をしたうえで、ガルナス王国政権と会談に臨む。
その行軍自体は大きな支障もなく、小都市モルトまで到着した。
だが、チャードンはやってくれた。
交渉団として、リーダー、サプリーダー、外交官の3人の部隊だけしか用意していない。
こいつらは、井の中の蛙、鳥なき島のコウモリなんだろう。
ロマール地方の西域地域には強力なギルドがなかっただけで、たまたま、こいつらが勢力拡大したに過ぎない。
「王国の役立たずが!」と口にしそうになったが、辛うじてザラの顔を思い出し堪えた。
今はそういう時ではないと、彼女が仲裁する姿が浮かんだのだ。
私は西の強国ギルドに参陣の要請を急遽出した。
前もって、ガルナス王国への探索部隊を引き受けてくれた鷹の目ギルドから、ガルナス王国と接触に成功したとの連絡も来た。
会談は3日後だ。
誰を連れて行くか。
商人ギルドは入れるが、新世界ギルドの連中も、入れたほうが良いだろう。
後々、会談に対して無責任な発言をさせぬためにも。
鷹の目ギルドのリーダーは入れる。
彼奴等には、この遠征では最後まで働いてもらう。
マイネやビッグギルドのメンバーは入れぬほうが良いな。
子供なので、舐められる。
フェアリーは交渉団に入れる。
今回、戦争になった場合、彼女の力が勝敗を決めるだろう。




