8.風邪を引いた日向と、浅野の情報収集
うぅ、きのうのフライトリップたおしてつかれたせいか、かぜひいてしもた。めっちゃしんどい。体はだるいし、あたまはいたいし、せきとくしゃみはめっちゃ出るし……、まぁ、ふこうちゅうのさいわいか、きゅうじつやったからよかったけど。
ウチがしんどくてねこんでたら、あーちゃんがおでかけのよていをつぶして、わざわざおみまいにきてくれた。めっちゃうれしいわ。……たいおんがちょっと上がったような…?
あーちゃんいわく、このしょうじょうは、きのうのとうばつでつかったあたまのちえねつとまりょくをつかいすぎたことで、からだにひろうがたまってしもたらしい。だいたいいちにちでなおるんやってさ。
「けほっ、けほっ、きょう、あーちゃんとごごにあそぶよていやったのにごめんな。へっくしゅ!」
「大丈夫。でも、無理は良くない。また予定を立て直そう。じゃあ、そろそろ。」
「うん。きてくれておおきに。けほっ、」
あーちゃんは、こおりまくらをつめたいのにかえてくれると、ちいさく、てをふってかえっていった。
そのあとすれちがいで、えりかちゃんもきてくれた!もう、みんなやさしすぎる!かぜでもできるような、カードゲームとか、ボードゲームをしてたら、いつのまにかねつは下がってた。
まぁまぁ。かいふくして来たけど、まだ結構、体はだるいから、こりゃ、当分寝てんとあかんな。
そして、絵梨花ちゃんも帰っていって、部屋にはウチ1人になった。今の時間帯は10時。まだ、寝れそうや。
そんな風に、風邪?に苦しむ日向であった。
一方で、浅野は…
カーテンの隙間から、淡い光が差し込み、ゆっくりと瞼を持ち上げる。今日は休日だ。別に、ダラダラして過ごしてもいいが、やりたいことは山ほどある。まぁ、10時に起きた時点で十分ダラダラしてるか。
七曜全ての効果と、バフデバフにどんな付与効果があるのか、また、使う時の魔力消費も知っておきたい。魔石の性質についても知りたいな。でも、1人で出来ることは小さいしなぁ……
日向と違い、こちらはとても元気なようだ。また、いつものように推測と情報収集の世界に入っていく、浅野であった。
しばらくしてから、部屋の扉が突然ノックされた。
「入るぞ。」
親父の声だ。これは、何かあったパターンかな…。
「敵に目をつけられた。……次期に、引っ越すことになるかもしれない。」
「あぁ………だる。これから、もっと、登下校に気をつけないといけないのか。」
「だが、情報も仕入れた。大阪が転移した国、サリエスタン共和国連邦と、敵対している国は、レガリア帝国らしい。どうやらな、敵はそこと繋がっているようなんだ。」
「ふぅん……後で調べてみる。」
敵に目をつけられた=外出すんな
図書館行けねぇじゃねぇか。でも、本が全てじゃないからな。俺の情報網をなめるなよ?欲しい情報だけ摘み取ってやる。
パソコンの前に座り続けて、早、4時間。
調べた事をまとめるには丁度いい時間だ。
魔石
自然石
・価値は採集した魔物のランクによって変わる 中でも、大きく、不純物のないものに価値がある
・小さい魔石を持っているだけでも、大幅な魔力量の底上げに繋がる
・魔力を貯める性質がある
・無駄に消費した魔力を所有者に少し還元してくれる
・稀少
・Dランク以上でないと、ほとんどの場合、出現しない
人口石
・石に魔力を貯めるだけで簡単に作れる
・使い続ければ、自然石に近くなるが、数十年かかるし、そもそもで近くなるだけである
・大きなものでなければ、魔力は大幅に増えない
・稀少ではなく、そこまで需要は高くない
・作るのが安易にである
七曜
・日曜
太陽光や、熱を扱える 目眩しに使ったり、暑さによる熱中症に陥れる効果あり 能力向上による恩恵には、身体能力強化、消費魔力回復、怪我や傷の回復、などの効果がみられる 火曜、月曜と相性がが良い
・月曜
磁波や、隕石を扱える 磁力を使い、対象の相手に金属のものをやたら滅多に寄せつけ、動きを鈍らせたり、大小様々な隕石を頭上から落とすこともできる 能力低下による効果は、相手の身体能力低下や、自然治癒しにくい傷を与える、無駄な魔力を多く発生させるなどの効果がある 火曜、日曜と相性が良い
・火曜
火、炎や、日曜と同じ熱を扱える 体の周りを炎で囲い、触れた相手に火傷をさせる防御壁や、剣に纏わせ、切ったところを火傷させ、ダメージを与えることができる 自然治癒しにくい傷を負わせることも可能 月曜、日曜と相性が良い
・水曜
水、氷、雪などを扱える 水でずぶ濡れになったところに氷で凍結することや、波で相手を押し流したり、渦潮を発生させ、相手を巻き込むこともできる 木曜と非常に相性が良い
・木曜
植物、風、あまり関連性のなさそうな雷を扱える 木の根や蔓で捕縛したり、風で吹き飛ばしたり、感電させることも、刃物形状の風で斬りつけたりもできる 水曜と非常に相性が良い
・金曜
金属や、宝石などを扱える 金属を変形させ、棘状のものに出来る、
通常の曜の中でも特別で、能力低下が使える
効果は、相手の魔力を吸い上げ、自然石に極力近い魔石を作れる だが、吸い上げた魔力の量にもよる
・土曜
土や岩を扱える 火曜と同様、自身の周りに防御壁を展開したり、剣に纏わせ硬化も出来る 逃走経路の確保や、安全地帯からの遠征攻撃にも役立つ
サリエスタンとレガリアの関係性
・サリエスタンは最初は他の国と同じ交易の接し方をしていたが、レガリア
の交渉条件や態度が酷くなり、交渉決裂した
・両国ともに大国で、技術で競い合っている面もある
・前世界の地球でいう、冷戦の状態
我ながら、結構凄いのでは?大量に情報ゲットしたぞ。でも、やっぱり、サリエスタンとレガリアの関係性に関する情報は少ないな。お互いに否定し合っている情報しかない。中立は少数派のようだ。いずれの国もどっちかについている。
でも、戦争はごめんだ。今にも始まりそうな成り行きなのがな。迂闊に動けない。
結構疲れたし、軽食でもとってゆっくり休も……
「うわあああああ!!!誰か!助けてくれぇっ!」
……う
何だ、こんな時に…。
「大変だぁぁあああっ、ミルメコレオが出た!!!」
ミルメコレオ……?確か、A−級の魔物だったような。
玄関の扉を少し開け、外の様子を伺うと、上半身がライオンで下半身が蟻のでかい目がある魔物が見えた。助けを求めていた人は、今にも喰われそうだ。
なるべく大きな音が出るように、玄関のドアを閉めると、不気味なほど黒く濁った目がギョロリとこちらを睨む。
「やぁ、A−級の魔物さん。折角休もうとしてたのに、邪魔してくれるとはどういうことかな?
新しく改良した狙撃銃の餌食にしてやるよっ!!」
回転式変換器を回し、月曜に合わせる。
「『能力低下』」
これにより、ミルメ何とかの身体能力と魔力量が低下した。
「『大地に降る、数多の星々よ、敵を押し潰し、燃やせ───メテオレイン』」
しかし、流石、A−級。目立った傷はほとんどない。とりあえず、回転式変換器を土曜に回し、さっき助けを求めていた人を岩の壁で覆い、防御壁を作った。可哀想に、震えてるな………。
「『七曜付与』」
弾に七曜を付与する。手始めに、火曜弾で試そう。
少し離れたところから、ミルメなんとかの目を狙って射撃する。だが、ミルメなんとかの前脚によりそれは阻まれた。
しかし、当然、その弾は火曜弾だ。たちまち、弾を防いだ脚が燃え始めた。この調子ならすぐに倒せる……そう思った矢先、突然体に衝撃が伝わり、何かに吹っ飛ばされる。
ミルメなんとか……そうだ、ミルメコレオは特に熱い様子もなく平然としている。しかも、さっきまで燃えていた脚は文字通り“無くなっていた”。
一体脚はどこに………何かの、焦げ臭い獣臭が吐き気を催す。
俺の横に、さっき燃えていた脚があった。
そういうことか!自ら、脚を斬り落とし、被害を抑えたんだ。さっきの衝撃は、恐らく、前脚を投げ飛ばしたんだろう。
傷口に何かお見舞いできれば良いんだが……、銃は少し離れたところに落ちている。ならナイフだな。
「『シーサーペント』」
水の波がミルメコレオを襲い、辺りの足場が悪くなるほど、土とミルメコレオを濡らした。相手は片足が無いから余計に不利なはずだ。
ナイフに曜を付与し、即座に傷口に投げる。付与したのは木曜の雷。水は電気をよく通す。理科で習っただろ?
痺れて麻痺しているところに、デカいのを一発発動してやる。もう既に銃はとった後だ。回転式変換器を月曜に回した。
「『チャージ』」
銃口の数cm先に球体が作られ、どんどん巨大化していく。大型のものを撃つには火力が大事だ。その間、少し待たなければならない。言わば隙だらけの状況。だけど、ミルメコレオは感電している。まともには動けない。
「『全てを別つは、空から降る一筋の光、全てを断ち切れ!!!───ファイナルメテオシューティング!!』」
俺は、温度操作で思いっきり高温にしてやり、ミルメコレオに隕石を叩き込んでやった。
作品を読んでいただきありがとうございました。
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