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何か大阪が丸ごと異世界転移したんやけど!?  作者: 田湖 矢喜
第一章 異世界転移した大阪
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7. 黄緑色の魔石と七曜の副産物

薄暗い森の奥へと、足を踏み入れる。


ハエトリグサみたいな見た目の奴を探せば良いんやな。でも……なんで今まで、残ってたんやろう。依頼が出されたのは、1ヶ月ぐらい前やのに。


あ!いた!ん?あ、あれ、なんか距離あるのにデカくない?


気付かれないように、慎重に近づくと……そこには、ウチよりも断然大きい、ハエトリグサ…もとい、フライトリップがおった。


あーちゃんは………なんで目ぇキラキラ輝いてんの!?


「あ、あれって普通なん?」

「うん。」


ひえっ、心底恐ろしくなってきた。まぁ、弱点は火って書いてあったし。行けるやろ。……あれ、待てよ。ウチが使てる魔力ストック方法って、めっちゃ相性悪くない?


気づかれない範囲で展開したらえぇか。


「『バタフライダウンバースト』」


自分を中心に、ハエトリグ……フライトリップを囲むような円を作り上げる。幸い、気づかれてはいない。


あーちゃんの剣が、いつの間にか、炎を纏っていた。


「『フレィアノヴァ』」


炎がフライトリップを覆い尽くし、あーちゃんが切りつけた箇所の爆発が炸裂した。

せやのに、何故か、フライトリップは、ピンピンしてる。再生したんか?


一気に畳み掛けるか。


「『全てを飲み込む溶岩が過ぎ去り、辺りは熱で歪む。溶岩を追うような火成岩よ、敵を外部から固めよ───インフェルノラーヴァスコッピオ』」


溶岩の波が押し寄せ、辺りが灰塵と化した。そして、フライトリップを、溶岩が固まってできた岩が包み込む。


「あーちゃん、止めお願い。」

「御意。『ソードフラッシュウィズバースト』」


木っ端微塵にフライトリップは砕け散り、一瞬の静寂が訪れる。


「魔石を取り出そう。」

「……え?そんなん、どこにあるん?」

「植物系は、花とか実の中にある。」


2人で、ありそうな場所を探したが、見つからず、痺れを切らしたあーちゃんは、遂にフライトリップを燃やし始め、焼死体となった灰の中から探すことにした。


灰は、風で吹き飛ばし、まだ残ってる灰の山から、魔石の場所を念入りに探る。黄緑のキラキラしたものが見えた。


「これや!」


掘り出すと、中から、10cm弱のペリドットの原石みたいな石が出てきた。あーちゃんによると、本体が火に弱くても、ほとんどの魔石は火に強いらしい。


いくらになるかなぁ……と、目を輝かしているあーちゃんを横目に、燃えなかった花弁はなびらを集める。


そして、小瓶に入れた。


「よぉし、帰るで!」

「やっぱりリスクがあっても、お金になるのはいいことだ。」


ギルドで依頼完了の手続きを済ませ、証明カードのランクを上げてもろた。

なんか、飛び級でEランクになった。ラッキー!


10cmほどの魔石の相場は350セェン、日本でいう7万円になる…はずやけど、純度が余りにも高かった所為か、500セェン(10万円)で売れた。


山分けしても、250セェン(5万円)になった。ウハウハやん。魔物に関する校則も殆どないし。


「あ、せや。『ステータス』」


ヒナタ・イノウエ Lv.8 ( 6Lv up!)


能力 / トランプ


属性 / 略曜


魔法攻撃力 / 1024 ( 324 up!)


物理攻撃力 / 424 ( 24 up!)


防御力 / 624 ( 124 up!)


体力 / 824 ( 424 up!)


おぉ!何か強くなってる!?Cランクを倒すだけで、6レベル上がるんか。あれ、いっちゃん最初は、1レベルやったのに……。いつ2レベルになってたんやろ。なんか倒したっけ?


まぁ、えぇか。


今度は、Gランクの魔物を狩りまくって、大儲けしたろ。と、考える日向であった。


一方、浅野は……


「じゃあな」

「また明日」


佐々木と挨拶を交わし、帰路に着く。今日は、実験をしようと思う。


まずこの前、狙撃銃ライフル銃剣ナイフの媒体を使って、魔導具を作った。しかしながら、まだ日向に追いつくほどのものではない。


原因は、能力の差によるものだと考えた俺は、使える曜を増やそうとした。でも、結局、増やせずに失敗に終わった。


その代わり、副産物も生まれた。狙撃銃の弾に曜を宿すことができるようになった。バフデバフも込みで。


つまりは、間接的に全ての曜が使えるようになったというワケだ。しかも、その、バフデバフの内容も面白い。


日曜にバフ、月曜にデバフという具合で、

バフの内容は、魔力の回復速度を早めたり、人間の身体能力を軽く越えられる身体強化など。

デバフは、相手の攻撃の威力を落とせるという具合だ。逆にいうと、他にない。しかし、デバフは、月曜に限っていなかった。


金曜で相手の魔力を吸い上げ、金を生成する。しかも、性質は、魔石。文句なしの代物だ。しかも、この生成した魔石は、媒体に取り付けることで、魔力ストックを増やせる。


これだけでも、十分な成果だ。だが、まだまだ、得たものはある。身体強化により、貧弱な引きこもり(おれ)でも、体を素早く動かしたり、力を加えることが可能になった。


俺の武器を覚えているか?銃とナイフ。この前まで、銃剣にしていて使っていたナイフだが、まともに動けるようになったから、素手で使えるようになったんだ。


元々、武器などの扱いは、親父アサシンの所為で非常に長けている。

母親はスパイ……とまではいかないが、それでも、そういう分野はよく知っている部類の人間だ。


情報を聞き出そうと、ハニートラップを仕掛けたつもりが、段々本気になってきた親父は……っと、話がズレた。


まぁ、そんなワケで、俺は武器についてよく知っている。

じゃなけりゃ、弾に曜を纏わせるなんて思いつかないしな。


それで、今回の実験。物に宿せられるのだから、人もいけるだろ。


それで、作ったのが、七曜全ての魔石を合成した石。これをなんとかすれば、俺も日向のようになれるはず……ということ。


実験が始まって数時間。もう既に日付は変わったが、別にいつものことなので気に留めない。そろそろ、終盤だ。後はデータをまとめて、資料ファイルに突っ込むだけ。


結論は、永続的には曜を宿せないが、一時的になら、得ることができる。

こんなの誰も知らない。未知の領域。


しかし、そこをはるかに越えた先に、日向はゆっくり歩んでいる。才能がないなら、努力で補えばいい。簡単な話だ。


そろそろ、寝ないとな。明かりを消して、布団に潜り込む。そして、実験で疲れた体と脳の所為か、一瞬で眠りに落ちていった……

作品を読んでいただきありがとうございました。

続きが気になったり、面白いと思ってくれはりましたら、ブックマークや、評価をしてもらえると、筆者は叫ぶほど喜びます。

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あーちゃん意外とお金に目がない(笑)
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