6.しょ、衝撃の事実……!!
いつも通り、学校に登校して、時間割を見る。えぇ、今日の時間割に魔法・能力て書いてあらへん……。上から、数学、国語、理科、社会(歴史)、美術、社会(地理)……唯一の救いは歴史やな。
しゃーない、がんばろ。
6限目の社会が早めに終わったから、この世界についてのことを話してもらえることになった。
てか、別世界に来たのに元の世界の地理をやって何になんねん!
あ、メルカ先生のお出ましや!
「皆さん、こんにちは。口頭では分かりにくいと思うので黒板にも書きながら、説明しますね。」
先生から伝えられた内容をまとめると、
この世界でいう、日月火水木金土曜、基、属性は全部で7つあって主に、日月以外は通常の曜と見なされる。逆に日と月はちょっと珍しい。
さらに2つ以上の曜を持ってる人は、ほんまに稀やそうや。
じゃあ、ウチは……………? まぁ、ええわ。
そして、定番のランク制度は人間もあってもう一つは魔物っていう、魔力をエネルギー源とする生き物にあるらしい。
Gランクという、軽く叩いただけで倒せる超弱小魔物から、歴代の実力者を揃えても倒せないような、SSSランクの超超強力魔物まであり、幅は広い。
せやけど、基本的に出現するのは、Gランクから、F、E、までの弱い部類で、DからBは中ぐらい、Aから上は、魔力の気体、つまり、魔気が多く漂う場所にしか出現しない。
また、魔物は必ず人間をみると襲ってくるらしい。原因は、魔力を誰もが持ってるからやそうや。しかも、魔法は、強い魔力を込めたものでないと、魔物には効かないばかりか、吸い取ってエネルギー源にしてしまうそうや。
そこで、能力の出番。能力と魔法があれば、大体の魔物は撃退できる………らしい。
そこで、続きを話そうとした、メルカ先生やったけど、チャイムがなってしもた。ていうか、いつも移動してる学校とこの学校、ちょっと離れてるのに、ようここまで来られたな……
部活も終わって、帰路に着いた頃、アグネスはんが道の先に見えた。
「おーい、アグネスはーん!何してるん!?」
近くにちょろっと急いで、駆け寄る。
「ん、手頃な魔物を探してる。一緒に探す?」
「え、えぇの?じゃあ。ところで、手頃てどのくらい?」
「………、E、D、C、Bぐらい。」
茜色の髪が揺れて光に反射した。手頃な魔物………。ブルーユリシスは、高ランクなんよな。じゃあ、普通のユリシスは?そう思て、口に出したら、
「Gランクだから。」
やそうや。
おぉ、叩いただけで倒せるんか。蚊なら躊躇なくできるけど、蝶々はちょっと気が引けるな………
でも、アグネスはん本人曰く、魔物に関する知識はあんまりないらしい。弱ったなぁ……
せや!図鑑!図鑑があるやないか!
図鑑見よ?と言って、図書館の方にアグネスはんの手を引く。
それを遠くから見ていた浅野と佐々木の一方は、
「仲良しだなぁ。」
……。なんでだろう、アグネスって女子が、狡くて悔しくて。
佐々木は、普通に眺めてるだけなのに。
女子同士のことだから、別に…変な点なんて
ないのに。
図書館に入ると、結構、クーラーが効いてて、涼しかった。浅野やったらこんなことせんでも……いや、アイツのことは考えんとこ。
………そりゃ、いくら日本が通じる言うても、限度があるよな。異世界語なんて読まれへん。どんな種類の本が書いてあるかは、全て、ウチの知らん文字やった。
「ア、アグネスはん。」
「分かってる。こっちが図鑑。」
流石、地元民。アグネスが周りを見回し、1冊の本を手に取る。
あ!!日本語版や!!!めっちゃ優しいやん!
「これ、一緒に読もう。」
「気ぃ遣てくれておおきに!」
2人で肩を並べ、図鑑を読む。ブルーユリシスは……集団が、A+ランクで、って、高!!
1匹やと、C−ランクか。1匹の奴なら、問題ないけど、群れに遭遇したら、最悪やな。
「アグネスはんおるし、植物系の方がウチら有利ちゃう?」
「そうだね。」
……、フライトリップっていう魔物が手頃な感じやなぁ、Dランクやし。
「フライトリップ?そういう、依頼が出ていないか見よう。」
「え、依頼?」
ギルドだよ。と言って、別の方向へ走り出す。ちょ、ちょっと、速いって…
しばらく走っていたら、ASSOCIATION GUILD と、でかでか書かれた施設の前についた。
「はぁ、はぁ、う、ウチ、ギルド証明カードなんてもん持ってないで。」
「今から作れば良い。」
なかなか、辛辣やな。さっきの優しさどこにいってん。
ずっと、肩で息してたら、水を差し出してくれた。優しさは、ここに落ちてたんか。良かった。
とにかく、アソシなんとかギルドの受付口に向かう。
「あの、ギルド証明カードを」
「新規登録ですね。名前をここに記入してください。」
な、なんで分かったんや。いや、初めて来たんやし、流石に分かるか。えぇ、ヒナタ・イノウエっと。
「……。えぇっとですねぇ。恐らく、オーサカの人ですよね。異世界語は、流石に分からないですよね〜。私は、オーサカ語?を話すことはできるんですけど、読み書きは出来なくて。」
「じゃあ、代わりに書く。」
そう言ってアグネスはんが、ボールペンをとって、慣れた手つきで書いてくれた。
「って、だ、第三王女殿下!?なぜ、こんなところに…いや、いつも来てるか。」
え、アグネスはんって、王女様やったんか!?
「えっと、呼び方変えた方がえぇですか?」
「敬語は嫌だ。あと、強いていうなら、ちゃん付け。」
「んー、じゃあ、あーちゃんでえぇ?」
「いいよ。なかなか、言われたことないけど。」
深い紅の瞳が、照れくさそうに下を向く。衝撃の事実を知ったけど、別に普通に接しても問題はないそうや。
「はい、出来ました。こちら、新しい、ギルド証明カードです。説明は…」
「私がする。」
「分かりました。では、頑張ってくださいね。」
あーちゃんぺディアに寄ると、依頼を熟せば熟すほど、カードの情報のうちの一つ、登録者ランクが上がるそうや。
えぇっと、フライトリップの依頼…。一様あるな。これを、受託しよう。
無事に受託できたウチらは、討伐対象のいる場所へ向かっていった。
作品を読んでいただきありがとうございました。
続きが気になったり、面白いと思ってくれはりましたら、ブックマークや、評価をしてもらえると、筆者は叫ぶほど喜びます。