男子寮ですがルームメイトに恋しちゃってるかもです
俺は全寮制の男子校に通う、高校2年の沖田駿。俺には最近、悩みがある。それは、同じ部屋で一緒に生活しているルームメイト、花田いづるに恋……してるかもしれないということだ。
いづるは160cmも無い小柄なヤツで。顔は美形で女顔だし、男のクセに筋肉の無い細い体をしていて、しかも色白で。女装したら、完全に女と間違えられそうな見た目をしている。
その紛らわしい見た目のせいか、いづるが転入してきて俺と同部屋になった時から、俺はいづるにドキドキしていた。いづるの言動や吐息、匂いに触れる度、俺の心は鼓動を早めた。
いや、俺にそんな趣味は無いし、女の子大好きだし!いくら見た目が女っぽいからって、いづるは男だぞ!?これは恋なんかじゃない、違う!俺はいづるなんかに恋してない!
いづるにドキドキする度、俺は心の中で自身にそう言い聞かせた。それでも俺の心は、いづるを見る度ドキドキと強く早く鼓動を打った。
そんなある日、いづるが熱を出した。
「おーい大丈夫か?」
俺は心配で眠れず、ベッドに横たわるいづるの傍で付きっ切りで看病していた。時折声をかけるが、いづるは苦しそうに「うぅ……」と唸るだけだった。
「めっちゃ汗かいてるじゃん。体冷やす前に着替えないと──」
タオルでいづるの顔や首の汗を拭いながら、俺はそう呟くと。
……待て、着替えるってことは、服を脱がさないといけないんだよな?ってことは、いづるの裸を見ることになるんだよな……?
そう思いながら俺はつい、いづるの体をじっと見てしまった。
いやいや!いづるは男なんだし、男の俺が男の裸を見てもおかしくないだろ!……そういえば、いづるの裸って見たこと無いな。いつも着替える時はトイレで着替えるし、風呂も一緒に入ったこと無いし……
「う~ん……」
いづるが苦しそうな声を出す。
汗かいたままだと、体冷やして治り悪くなりそうだし……待ってろいづる!俺が今着替えさせてやるからな!
ごくんっ!と唾を飲み、俺はいづるの衣服にそ~っと手を伸ばし、パジャマのボタンをゆっくりと外していった。ボタンを全て外し終えると、いづるの裸を見ないように目を細めながら、俺はそ~っとパジャマを開いた。すると──
「……えっ?」
細めていた目が、思いきり開く。
胸元にはサラシを巻いており、サラシで隠そうとしているが隠せていない、胸の膨らみ──谷間が、あった。
「いづるが……女!!?」
熱に苦しむいづるの横で、俺は絶叫した。