間隙
浩二君は香菜に振り回されてますね。
なんやかんやで楽しそうですけれど、、、
なんか俺よりあいつ楽しんでね…?
「ねぇこっちも似合うと思うよ!…あっこっちのほうがいいかも!」
やばいな。服を買いに誘ったのは俺だから文句を言うことはできない。
まぁ楽しいのは俺も同じだけれども、限度というものがあるだろう。
「…これいいなぁ。めっちゃ涼しそうだし。」
黒と、申し訳程度の青がグラデーションになっているリネン生地のt-シャツ。
「えぇ~それ?なんか暗い色合いで君には似合わないと思うけどなぁ。」
『逆に俺にピッタリじゃん。』なんて言葉を口にするほど俺は不躾な人間ではない。
「こっちなんてどう?」
彼女はまた明るい色合いの服を取り出してきた。
「ん〜確かにめっちゃいいけど…」
「やっぱりそっちのほうが気になるんだ?」
「…そりゃね。一目惚れよ。」
「一目惚れなんかで決めちゃだめだよ。後で絶対に後悔する。」
「まぁたしかに。」
香菜は俺のことをしっかりと考えた上で色々な服を提案してくれたらしい。
適当に選んでると思ってしまった自分が恥ずかしいな。
「これ今までで一番君に似合う!絶対!」
「今まででって今日だけだろ。」
「もーそんなこと気にしなくていいの!」
「はいはい。」
香菜が持ってきたのは黒と白が混ざったグラデーションの服。お腹の下の辺りで灰色に変わる、上が黒、下が白のシンプルな服だ。
なんとなくさっき俺が気に入った服と似ている気がするけど。
「んじゃこれにするか。」
「…えっ。」
「えっ?」
「試着とかしなくていいの?」
「香菜が気に入ったなら大丈夫だろ。」
「決断はや〜。まぁ君がそう言うなら、いっか。」
「ちなみにこれをそんなに推してきた理由は?」
「理由?ん〜普通に似合うと思っただけだけど、しいていうなら…一目惚れかな!」
「俺にあんなに言ったのに結局一目惚れかよ!」
「えへへ〜。」
まぁ服なんて結局一目見て気に入るかどうかか。
さっき少しだけ真剣になった自分は馬鹿だったかな。
「もうちょっと他のお店も見てみよってみよっか。
t-シャツだけじゃつまんないし。」
「あの〜その前に、飯にしない?」
少しお腹が空いてきた。
「ん〜確かにお昼食べてないしそろそろご飯にしてもいいね。」
「じゃ、フードコートに行こっか。」
「イエーッス!」
フードコートは確か二階にあったはず。この階の一つ上だ。
混んでないといいなぁ。
最後の一文、これがフラグというやつですか。
香菜は浩二君といると少し子供っぽくなるみたいですね。やっと本調子を取り戻した感じですか。
少し疎遠だったとは思えない仲の良さ、羨ましいです。




