凪
外はもうすっかり暗くなっていた。
街灯の照らす景色は、実にこう、なんというか、儚い。
自分の気持ちにそっくりだな。ふと、そう思った。
そろそろ帰るか。
香菜が帰った後、俺はただ呆然と外を眺めていた。夏夜の、大して美しくもない景色に、自分は囚われていた。
――チリーン―
外に出ると、小雨が振り始めていた。
そんなに濡れないけれど、少し気に触るような、そんな雨。折りたたみ傘はあるけれど、わざわざさすようなこともない。
はぁ…いやな雨。
こんなとき、彼女はなんて言うのだろうか。あいつのことだ。きっとこんな雨にもいいところを見つけるに違いない。そんな彼女に一人の男として惚れてしまったのは、当然のことだろう。
さて、雨が本降りになる前に帰ろう。俺は小走りになりながら帰路を辿った。
「ただいまー。」
「あっおかえり。いつもより遅かったじゃない。」
「ちょっとね。」
「ま、いいわ。ご飯できてるわよ。」
「…後で食べる。」
「あら珍しい。じゃあラップしておくから、レンジで温めて食べなさいね。」
「ん。」
食欲はあるのだが、気持ちが少し落ち着かない。
今ご飯を食べたら吐いてしまいそうだ。
とりあえず、少し寝よう。寝たら気分も落ち着くはずだ。
と、その前に明日の準備だけし…ないと。
自分が思っていたよりも、俺は疲れていたようだ。
明日の準備はまぁ…明日すればいいだろう。
俺は、食事も歯磨きもせずに床についた。
大雑把な構想すら決まってないので、物語がどう幕を閉じるかは分かりません。ハッピーエンドにはする予定です。
長い(個人の相対的に)作品になるとは思いますが、お付き合いお願いいたします。




