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転回

 光によって世界は定義される。

 彼女の横顔を見る。遥か遠くを、希望を眺めるかのような輝きに満ちたその顔は、真っ赤に染まっていた。

 花火に照らされて紅くなったのだろうか。それとも―

「ちょっと暑いね。飲み物買ってこようか?」

「…うん。お願いしよっかな。」

「香菜も一緒に行く?それともここで待ってる?」

「ん〜ここで待ってよっかな。もう少し花火を観てたい。」

「おっけー。」

 少し下ったところに、自動販売機があったはずだ。ん〜冷たいコーラでも買おうかな。

「あ、そうそう何が飲みたい?」

「コーラ!」

「りょーかい。じゃ、行ってくるわ。」

「いってら〜。」

 全力で走れば10分もかからないだろう。

 よし、と気合を入れて走り出そうとしたそのとき、俺はふと宇宙(そら)を見上げた。何気ないその動作は偶然か、必然か、俺を宇宙(そら)へと閉じ込めてしまった。

 花火が上がっているその後ろ。この星々の美しさを知っている人は、どれだけいるだろうか。

「香菜、ちょっとこっち来てよ。」

「え、なんかあった?」

 香菜が目線を花火からこっちに反した。

「ん〜星があった!」

「星…?その足元のやつのこと?」

「え?…うわっなんか光ってる!?」

「いやなんで浩二が驚いてるのよ。」

「だって俺が話したかったのは本当の星のことだし。」

「本当の星?わぁー、ほんとだ!綺麗!」

「でしょ?シルクロードって名付た人は天才だよな。」

「うんうん。」

 地平線の遥か先から天球を大きく一周する天の川。俺達も、あの中のたった一つの地球(ほし)なんだなと思うと、なんとも言えない気持ちになる。

「ここに走ってきたときは、宇宙(そら)なんて見る暇もなかったから気づかなかったよ。」

「私もー、あ、そういえば結局足元の(それ)なんなの?」

「あー、確かになんだろうね。」

 それはうっすらと赤く光っている。消えそうで消えない灯火(ろうそく)のように。

「調べてみたけど、たぶん蓄光石かな?」

「そうっぽいね。私も調べてみたけど。でも蓄光石は天然のは少ないらしいよ。」

「じゃあ誰かがここで落としたのかもね。」

「そうね。」

 ここで昔、俺達のように星に見とれた人がいたのだろうか。

 光る星と、光る石。上下両方を見ないと見えなかったその2つは、遥かに似て非なるものだった。

 ここからまた別のパートに入ります。構想を練るのに時間がかかるかもしれませんが気長にお待ち下さい!

 では、今回はこれで以上です。

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